潮の満ち干とは? 干潮・満潮とは? 潮汐摩擦とは?

干潮と満潮

海岸で、海面の高さに気をつけて見ると海面は1日に2回、高くなったり、低くなったりします。
この様子は、ところによってかなり違い、あまり目立たないところもあります。

低くなるときには海水がずっと沖のほうにひいてしまい、広い砂浜(干潟)があらわれます。

海面の高さが高くなることを満潮、低くなることを干潮といいます。
また、潮がみちる、潮がひくともいいます。

この潮の満ち干を月や太陽の引力で起こると説明したのはニュートンです。


月と潮の満ち干

月と地球のあいだには、引力がはたらいて、互いに引っ張り合いながら運動しています。
この引力は、近いところのものほど強いのです。

また、地球は月と地球の共通重心のまわりをまわっています。

この地球の回転によって生じる遠心力は、地球上どこでも同じ方角で、同じ大きさです。
この遠心力と月の引力の合力が、潮の満ち干を起こす力となっているのです。

したがって、地球の月に向かった部分と、月に反対側の部分の海水が高くなるのです。
地球に1日に1回転自転するので、満潮と干潮がそれぞれ2回あります。

太陽と潮の満ち干

太陽も月と同じように、潮の満ち干を起こしています。

しかし、太陽は大きいけれども、月にくらべてずっと遠くにあるために潮の満ち干を起こす力は、月の半分ぐらいしかありません。

大潮と小潮

地球には、月と太陽の両方の引力がいっしょにはたらいでいます。
ふたつの潮の満ち干を起こす力が重なれば、潮の満ち干は、激しくなります。

新月のころと、満月のころには、月と太陽と地球が一直線に並ぶので潮の満ち干を起こす力が重なり、海面の上がり下がりが激しくなります。

このときを大潮といいます。

また、上弦のときと、下弦ときは、月と太陽との潮の満ち干を起こす力が互いに消し合うので、海面の上がり下がりが小さくなります。

このときを小潮といいます。



潮汐予報

潮の満ち干を起こすおもな原因は、月と太陽の引力ですが実際の地球の海は、大陸や大きな島などのために、非常に複雑な形をしていて、

深さもところによって違います。

このため、まえに述べたように、潮の満ち干は、かんたんに説明できません。
まえの説明では、月が真南にきたときに満潮が起こらなければなりませんが、実際には、そうなってはいません。

しかし、ある決まった地点では、月か真南にきてから何時間あとに満潮になるかはわかります。

また大潮や小潮のときに、海面の高さのかわりかたはどのくらいかということもわかっています。

ですから、ある決まった地点で、いく日か潮の満ち干を観測すればそれをもとにして、海面の高さがどのくらいになるかわかります。

そして、満潮や干潮は、いつ起こるかを予報することができます。

これを潮汐予報といいます。

高潮

潮の満ち干は、月や太陽の引力のほか風や気圧、池水の温度などによっても、起こることがあります。

とくに台風が海から海水を吹き寄せると、海面はとても高くなります。
これが高潮です。

このときには、海岸は水浸しになって、大きな損害を受けることがあります。

1959年9月26日の伊勢湾台風のときにはこの高潮が満潮のときと重なったため、大きな被害をあたえました。

潮汐摩擦

地球は1日に1回ずつ回転していますが、地球上の海水が月や太陽に引っ張られて動き、海底とのあいだに摩擦(これを潮汐摩擦という)を起こすので、地球の回転する速さが、少しずつ遅くなっています。

その割り合いは、100年間に、1日の長さが1000分の1秒くらい短くなる程度です。

月が地球に裏側を見せないわけ

月が地球に引力をおよぼして、月の方向と反対側で海の水がふくれあがるように地球も月に同じような力をおよぼしています。

このため、月の真ん中は、ややふくらんでいます。

月が地球のまわりを公転する周期は約27.32日で月はこの公転とまったく同じ周期で回転しているのでいつも同じ側を地球に向けているのです。




月食とは? 月食が起こるわけと種類とは? わかりやすく解説!

月食の起こるわけ

地球も太陽に照らされているので、その反対側に影ができています。
月食は、太陽と月のあいだに地球がきて、月が地球の影の中に入るために起こります。


月に、太陽の光をうけて光っているのですから、地球の影の中に入って、太陽の光がさえぎられると、暗くなるのです。

また、このときは、月に太陽の反対側にあるので、必ず満月です。

しかし、月の軌道が地球の軌道にたいして少し傾いているので日食と同じように、満月のたびに起こるとはかぎりません。

つぎの表は、1970年代に起こる月食の表です。
日食は地球の上の、ある場所で起こっても、ほかのところでは見えないことがあります。

月食はいちど起これば、月の見えているかぎり、地球上のどんなところからでも見えます。

月食の種類と様子

月が、地球の影の中に全部入るか、一部しか入らないかによって皆既食と部分食の2つにわけられます。

地球の影は、その境がぼやけているので月食は日食と違って、はじまりや終わりの時刻をはっきりと、はかることができません。

しかし、地球は月にくらべて、4倍くらい大きいのでその影も大きく、皆既月食は、長いときには2時間ちかくも続きます。

月食の観察

月食のあいだに、月が暗くなっていく様子や色の変化などを、何分かおきに写生してみましょう。

また、地球の影が、まるく大きいこともわかるでしょう。




皆既食の様子とは? 日食を観測するには? わかりやすく解説!

食の季節

日食は、月や太陽の動きによって起こります。

この月や太陽の動く規則は、天文学者によってよく研究されているのでずっと遠い昔や、これから先に起こる日食の様子を正しく計算することができます。

日食も月食も1年のうち、ある決まった季節に起こりやすいものです。

たとえば日食では、1964年の6月と12月、1965年には、5月と11月に起こっています。

このように、1年のうちに、半年へだてて食の起こりやすい季節があり、これを食の季節といっています。

この食の季節は、毎年少しずつ早くなり1968年には、1月と9月、1971年には、2月と8月、1972年には1月と7月というようにわかっています。

月食も同じように、早くなっています。

日食は、部分食だけしか起こらない場合もいれると食の季節ごとに、1回は起こり、多い年には、5回も起こります。

上の表は、1970年代の金環食と皆既食をしめしたものです。


皆既食の様子

太陽のまるいふちの一部が、月に隠されはじめる瞬間から、日食がはじまります。

それから、太陽はだんだん月に隠されていってしだいに細い三日月形になり、ついに月にすっぽりと隠されて皆既食になります。

この月に隠された太陽のまわりに、真珠色のコロナが見えまた、太陽のふちに赤い炎のようなプロミネンスが見えます。

地上は、ちょうど、満月の夜くらいの明るさになりますが遠くの地平線のあたりは、夜明けのときのように明るく見えます。

この皆既食は長くても、わずか数分間でそれが過ぎると太陽は月のふちから、また姿をあらわしまえとは反対に、三日月形がだんだん大きくなって、もとにもどります。

太陽が完全にまるくなった瞬間が、日食の終わりです。

日食の観測

コロナは、ふつうのときに、太陽があまり明るいので、よく見えません。

したがって、コロナの研究をするには、太陽が完全に隠れる皆既食のあいだに、観測しなければなりません。

また、皆既食は、見える場所が秘奥にかぎられているので皆既食を観測するには、その場所にいかなければなりません。

皆既食の起こる場所では、コロナだけでなくふつうでは観測しにくい月に隠されたときの太陽のふちの部分やコロナからずっと離れた黄道光や、太陽から出てくる電波などの観測もします。

また、日食のはじめや、おわりの時刻を正しくはかることもおこないます。

私たちが日食の観測をするときはラジオなどに正しく合わせた時計を用意しそれで、日食のはじめやおわりの時刻をはかります。

また、あたりの景色や空の明るさの変化も調べて見ましょう。

日食のときの太陽を見る時には太陽が月に完全に隠れているときのほかは目で直接見てはいけません。

必ず、ガラス版にろうそくの炎で、すすをつけたものかフィルムを現像して、まっ黒になったものとかまた、濃い色ガラスを通して見ましょう。




日食とは? 日食の起こるわけと種類とは? わかりやすく解説!

日食の起こるわけ

月が地球と太陽のあいだに入って一直線に並ぶとき地球から見ると太陽は、月の後ろに隠れてしまいます。

これが日食です。


月は太陽の光に照らされていますから、いつも太陽と反対側に、その影をつくっています。
そして、月も地球もたえず動いているので地球の上にいる私たちが、ちょうど、月の影の中に入ることがあります。

そのときは私たちから見ると太陽は月の向こうに隠されて姿が見えなくなります。

言いかえると、日食は、月の影が地球にあたって地球の上にいる私たちが、その影の中に入るために起こるのです。

そして、このとき月は地球から見て必ず太陽と同じ方向にあるので日食の起こるのは必ず新月のときです。

月は、地球のまわりをだいたい1か月でひとまわりするので新月も1か月に1回ずつあります。

それで、日食も1か月に1回ずつ起こるように思われますが月が地球のまわりをまわる道は、少しななめになっているのでふつうのときは、地球から見て太陽の上か下を通り、日食は起こりません。

しかし、地球が太陽のまわりをまわっているあいだにちょうど太陽と月と地球が一直線に並び、月の影が地球にあたることがあります。

地球から入ると、太陽が月に隠されて、日食が起こることになるのです。
月は地球にくらべて小さいので、その影も小さく、地球上の一部分にしかあたりません。

そのため、日食が見えるのは地球上でもその影の中に入った、ごくかぎられた場所だけです。

そのうえ、月も地球も動いているので、月の影は時間が経つにつれて地球の表面をなでるように動いていきます。

それにつれて、日食の見える場所も、しだいにうつっていきます。

また、影のあたる場所は日食のたびに違いますから同じ場所では、そうたびたび日食を見ることはできません。



日食の種類

日食には、皆既食・金環食、および部分食があります。

太陽の本当の直径は、月の約400倍ぐらいありますが月よりも、ちょうど400倍も遠いところにあります。

そのため、地球から見ると、ほとんど月と同じくらいの大きさにしか見えません。

また、月は地球のまわりを、円に近い楕円軌道を描いてまわっていますから月と地球との距離に、遠くなったり、近くなったりします。

そのため、地球から見る月の大きさも太陽にくらべて小さくなったり、大きくなったりします。

また地球と太陽との距離も、ときによって、少しかわります。

月が地球に近く、太陽よりも大きく見えるときに日食が起こると月が太陽をすっぽり隠してしまいます。

このような日食を皆既食といいます。

これと反対に、月が地球から遠くはなれ月が太陽より小さく見えるときに、日食が起こったとします。

月は太陽全体を隠すことができないので、地球のある場所から見ると月は太陽の中に入ってしまいます。

月のまわりに太陽がはみ出して、金の指輪のように見えます。
このような日食を金環食といいます。

皆既食や、金環食の見える場所以外で、その場所に近いところでは月が太陽を完全に隠すことができず、その一部だけを隠します。

このような日食を部分食といいます。

部分食は、月が、ほとんど太陽を隠すほどのものからほんの少しだけしか、隠さないものまで、いろいろあります。

また、地球の上のどんなところでも皆既食や金環食は起こらず、ただ部分食が見えるだけのこともあります。

日食の欠け具合をしめすのには、食分という言葉を使います。

これは、見かけの太陽の中心と月の中心を通る太陽の直径が月によって隠されたわりあいをしめすものです。

したがって、日食がはじまるとき、食分は0で、皆既食になったときは1になります。

金環食のときは食分は1より少し小さくなります。




月の表面にあるクレーターとは?月の裏側はどうなっているの?

クレーター

月面の明るい部分は、海のように平らでなく大きなくぼみがたくさん集まっています。

南半球にあるクラビウスは、大きなくぼみで直径がなんと230キロメートルもあります。

月の裏側には直径500キロメートルもあるクレーターが知られています。

このような地形は、地下からガスが逃げ出して陥没してできたくぼみであるという火山説と大きな隕石が落ちてきて開けた穴だという隕石説がありどちらが正しいかまだはっきりしていません。


しかし、くぼみの形や様子などから、火山説の方が現在は広く受け入れられているようです。

このくぼみのことを、火口とかあばたとか、クレーターとかよんでいます。
クレーターとは、もともとは杯という意味です。

月面の真ん中付近に大きなクレーターが3つ、南北方向にならんでいます。

南からアルザッヘル・アルフォンスス・トレミーの3つのクレーターです。

いちばん大きいトレミーは、直径140キロメートル、アルフォンススは110キロメートル、、アルザッヘルは96キロメートルです。

大きいトレミーの形はまるいというよりクラビウスと同じように多角形になっています。
しかも多角形の確変は、クレーターの外へ遠くまで伸び丘陵となったり小さいクレーターの列になったりして連なっています。

いちばん小さいアルザッヘルは、まるく整った形をしています。

アルフォンススには中央に山があり1958年の秋、このあたりからガスの吹き出るのが発見されました。

月には大気がないため、山の影がくっきりとしていかにもとげとげしく見えますが、実際にはなだらかです。

このことは、ルナ=オービター2号の撮った写真をみればよくわかります。

「雨の海」の南岸にあるコペルニクスは、満月のとき見るととでも明るいクレーターで、ここを中心にした四方に光の矢のような模様が伸びています。

これを光条といいます。

南半球にあるチコ山から伸びる光条は赤道を越え、北半球にまで伸びています。
隕石説によると大隕石が落ちてクレーターができたとき飛び散った破片が光条となったと考えています。

火山説では、もちろん火山灰の積もった物としています。
コペルニクスやチコは、月の歴史でいちばん新しい時代にできた若いクレータ―でしょう。

ルナ=オービター2号はコペルニクスの内部を大きくうつしだしました。
地球の火口とよく似ていますが、月には空気や水がないため浸食作用によって刻まれた谷やがけ崩れは見られません。



山脈と谷

月にも山脈がありますが、それは月の海とよばれる海岸にそって伸びる海岸山脈です。
とりわけ「雨の海」の南東岸にあるアペニン山脈、北西岸に連なるアルプス山脈などはよく知られています。

また、月面の明るい部分には、無数のクレーターのほかに谷も見られます。

月面の中央近くにあるヒギヌスの谷は、望遠鏡でもよく見えますがルナ=オービター3号は、そのくわしい写真をとりました。

この谷は、ただのひび割れというものではなく、谷の底が平たくなっています。
また、谷そのものも対象のクレーターの列からできているようにも見えます。

月の裏側

1959年、ソ連のルナ3号は、月の裏側の写真をとるのに成功しました。
いままでは、だれも見ることができなかった月の裏側がはじめて明らかにされたのです。

それまでは、神秘に包まれていた月裏側のベールが、はじめて外されたのです。
最近では、アメリカのルナ=オービター号がくわしく写真をとりそれをもとにして、裏側の地図もできているほどです。

月の裏側にはm表側のような海がなく、一面が陸地で表側の耀地部分と同じように、多くのクレーターがあります。

いままで、表側の観察だけではわからなかったことが裏側を見ることにより、わかったこともあります。

上の写真は、ルナ=オービター4号が撮影した月の裏側と表側の境界付近のものです。
この写真は、月面から高さ4000キロメートルのところからうつしたものです。
上側の南極付近には、400キロメートルもある大クレーターがありその北側へ長さ320キロメートルもある大きな割れ目がはしっています。

この割れ目は、月面で最も大きいものの1つと考えられます。
写真に向かって左側が、表側で「嵐の大洋」につながっています。
右側は、まったく地球から見ることのできない部分です。

そのほか右ページの写真のように、表側には見られない大きなクレーターや奇妙な形をしたクレーターなども発見されています。




月の表面はどうなっているの? わかりやすく解説!

月の地形は、地球上にある天文台からの観測と月ロケットによる写真撮影によって、詳しい様子がわかってきました。

とくに、月の裏側は、これまで地球から見ることができなかったのですが月のまわりをぐるぐるまわって写真をとる月ロケット「ルナ=オービター」号のおかげで詳しくわかりました。

写真や図を見ながら、月の表面の地形を観察しましょう。
そのまえに、月世界での方角について説明しておきます。


月の東西南北

夕方、三日月が西の空にかかっているときには「危機の海」側が細く光っています。
そこで、天文学者は「危機の海」の方向を月の西側といいます。
反対に「嵐の大洋」の方向が東側ということになります。

ところが、私たちが月世界に行ったとすると朝、太陽の出てくるほうが東だといいたくなるでしょう。

しかし、太陽は「危機の海」の方角から出てくるので「危機の海」のほうが東、つまり天文学者の呼び方と正反対になります。

しかし、天文学者は「嵐の大洋」の方向を東と呼んでいますからここでも「嵐の大洋」のほうを東と呼ぶことにします。

南と北ははっきりしています。
「雲の海」のあるほうが南半球「雨の海」のあるほうが北半球です。

月面の緯度は、地球と同じように、赤道から来たと南へ90度まではかります。

経度のほうは、月の表側(地球に向いている側)の真ん中から東と西へはかっていきます。

ただし、天文学者のつくった月面地図は地球の地図とは違って、難局を上にしています。

これは望遠鏡で見ると像が逆さまになって、南が植えになるからです。
宇宙科学者のつくった地図は、北極を上にしています。



月の表面の暗い模様の部分を海といっています。
水こそありませんが、太平洋の底のように、低くて平らな地形をしています。

「雨の海」は、北半球にある大きくまるい形をした海で直径は約1200キロメートルあります。

「雨の海」のほかに「危機の海」や「晴れの海」など月の海には、まるい形をしたものが多いのですが「雲の海」のようにまるくない不規則な形のものもあります。

海の表面はなだらかですが、ところどころに低い丘陵があります。
高さはわずか200~300メートルですが、長く伸びています。

ルナ=オービター2号のとった「嵐の大洋」には、低い丘陵があります。
まるで、海の波の化石を見ているようです。

月の海は、昔、本当にどろどろの溶岩の海であったのかもしれません。
あちこちに、まるくなだらかなドームといわれる山が見えます。

山の頂上に穴のあいているもの、穴が大きくなって山というよりも、まるいくぼみのような地形も見えます。

この穴は、地下からガスの逃げ出したあとのようです。

レインジャー8号は、もっと近寄って「静かの海」の写真をとっています。
海の表面は一面に浅いくぼみでおおわれ大きいくぼみは、直径が約100メートルもあります。

1967年、月の土を採取する目的であげた、アメリカのサーベイヤー3号は自動土壌採取器でとった土を撮影しました。

いままで、月面は、厚いほこりの層におおわれていると考えられていましたが月の表面はかたまった状態であることがわかりました。

この土が、どうしてできたかは、まだはっきりわかりませんが太陽からの強い放射線などに叩かれて、火成岩である玄武岩のように焼けついたようにかたくなっていると考えられます。

このことは、黒褐色した土の色からも知ることができます。




月の満ち欠けが起こるのはなぜ? わかりやすく解説!

月は、細かい鎌の形をした三日月に見えることもあり半円の形したり、また、まんまるい満月になったりします。

形のかわるわけは、月はまんまるいボールと同じ形をしていて太陽に照らされ、半分だけ光っているからです。


月の満ち欠けの起こるわけ

ボールを手で持って、電灯の光で照らしてごらんなさい。電灯は太陽です。
私たちと電灯とのあいだの近くにボール(月)がくると照らされている部分が細く見えます。

ボールが電灯の反対側にくると、ボールの照らされてる部分が広くなってきます。

月が満ちたり、欠けたりするのも、これと同じことです。
月の光って見えるところは、太陽の光に照らされている部分なのです。
太陽の光に照らされていない影の部分は、私したちから見えません。

ボールを電灯で照らす場合には、電灯から直接ボールにあたる光のほかにまわりから反射してくる光があるためにボールの影の部分も、私たちには見ることができます。

しかし、空では、太陽から直接にくる光のほかにまわりから反射される光がほとんどないので、月の影になった部分は全く見えません。

ですから、本当に月が細くなったり、まるくなったりするように見えるのです。
ただし、月が新月に近いときには、太陽の光が、いちど地球にあたって反射しその光によって、月の影の部分が照らされ、まるくぼんやりと見えることがあります。

これは、月が非常に細い三日月になったときによくわかります。これを地球照といいます。

月の暗い部分が、地球照をうけてうすく光っていることは望遠鏡で月を見ると、なおよくわかります。

上弦・下弦

地球のまわりを月がまわって動くと地球と太陽とのあいだに月が来て地球の上にいる私たちから見て月がいちばん太陽の近くにきたようになるときを、新月といいます。

しかし月は、まぶしい太陽のすぐそばにくるので私たちは月を見ることはできません。

それから7日ぐらい経って、月が地球から見て太陽から東へ90度離れたときを上弦といい、月は半円形に見えます。

それから、また7日ぐらい経って月が太陽と反対の方向にきたときを満月といいます。このときは、月はまんまるに見えます。

また、7日ぐらい経って、ふたたび地球から見て太陽から西へ90度まで近づいたときを下弦といい、月は半円形に見えます。

新月からの日数を月齢といいます。

月齢7のころが、だいたい上弦、月齢15のころが満月、月齢22のころかが下弦になります。

上弦・下弦ということかを正しくいうと、月が地球から見て太陽と直角の方向に見えた瞬間のことをいうのです。

しかし、ふつうには、新月から満月までを上弦、満月から新月までを下弦とも言っています。



月の位置と太陽の位置

満月のとき、月と太陽は、地球から見て、互いに反対の方向にあたります。

夕方、太陽は西の空にあるので、満月は東に見えます。
したがって、明け方の満月は西に見えます。

また、真夜中には、太陽はちょうど地球の裏側にあるわけですから満月は、真南に見えるのです。

夏になると、太陽は高く昇るのでその道筋の反対側にある満月は、反対に低くしか昇りません。
そして、どんよりとにごり、暑苦しい感じで、南の空に低く昇ります。

冬は太陽が低くなりますから満月は反対に高く昇ります。
明るくさえた冬の満月は、夜空を高く通っていくのです。

新月のときには、月は太陽のすぐそばにあるので太陽のまぶしい光にさえぎられて見えません。
新月から3日くらい経った三日月に、太陽から少し東へよった方向にあります。

このころの月は、夕方、西のほうに細い姿を見せやがて太陽の後を追って沈んでいきます。

月が、太腸の後を追って沈む時刻は毎日、だいだい50分くらいずつ遅くなります。
上弦の月は、午後に見えるのがふつうです。
下弦の月は、これと反対に午前に見えるのがふつうです。

月齢26~27ごろの月は、太陽より少し西によった方向にあります。
そのため、月は、日の出より少し先に、東の空に昇ってきます。

そしてまもなく、太腸の強い光と空の青さのためにこの細い月は見えにくくなってしまうのです。

月が光るのは、太陽に照らされているためです。
それで、月の光っている面は、必ず太陽の方向を向いています。

細い三日月を弓にたとえれば、これにつがえた矢の先の方向に、太陽があるのです。

恒星月と朔望月

月が新月から、つぎの新月になるには、29.53日かかります。これを朔望月といいます。

地球から見て、月がある恒星の方向からふたたび同じ恒星の方向へくるには、27.32日かかります。

これを恒星月といいます。恒星月は、月の公転周期のことです。

朔望月が、恒星月よりも長いのは、月が一公転するあいだに地球もわずかながら公転するため、地球が動いた角度だけ月が余計にまわらなければならないからです。




月はどんな世界?月までの距離はどのくらい? わかりやすく解説!

満月の夜、まんまるい月をながめると月の表面に暗い模様が見えます。

日本では、うさぎの餅つきの姿に見立て、西洋でも女の人の横顔とかカニの爪など、いろいろな形に見ています。

満月はよく輝き、肉眼では、その表面が鎧のように見えますが望遠鏡で覗いてみると、いろいろなものが見えます。

うさぎの模様の暗い部分は低く平らなところです。

昔、小さい望遠鏡で月を見た天文学者は、これは月の海に違いないと思いました。

それで暗い部分は「晴れの海」とか「雨の海」とか、海の名前をつけてしまいました。

明るく輝いている部分には山あり谷あり阿蘇火山のような輪のような形をした地形がたくさんあります。

山脈には、地球上の山脈の名前をとってアルプス山脈とかアペニン山脈とかいう名をつけてあります。

また、阿蘇山のような形の山には、コペルニクスとか、ケプラーとか昔の科学者や哲学者の名前がつけられました。


空気のない月世界

月の表面には、空気も水もありません。
したがって、雨が振ったり、風が吹いたりすることもありません。

海といわれる暗い部分は、地球の大洋の底のように低くて平たい土地ですが、水はたまっていません。

雨も振らず風も吹かないので、月世界の山や谷は崩れることもなく、できたときのままの姿たでいまでも見えているのです。

空気がないため、月の表面では夜と昼との温度の違いが非常に大きくなっています。
太陽が頭の真上にあるときには、地面の温度は130度くらいになりますが夜になると零下150度くらいまで下がります。

空気も水もなく、夜と昼で温度が280度も違うような世界に人間はもちろん動物も植物もすすむことはできません。

空気がないと、太陽からくる強い紫外線をまともにうけることになります。
これも生物にとっては危険なことです。

そのほかに、宇宙の彼方からやってくる宇宙線も危険です。
ですから、月世界に旅行するときは、宇宙服をつけなければなりません。

酸素と適度の湿り気を補給し、温度も調節し紫外線や宇宙線から体をまもらなければならないからです。

月世界の光景

月の世界へ行ってみたら、どのような景色が見られるでしょうか。
月の山の高さは、地球からはかることができます。
山は太陽の光をうけて影をひいています。

そこでの太陽の高さがわかっていれば、影の長さをはかって山の高さを計算か作図でもとめることができます。

月の山の高さは、地球の山と同じくらいで3000メートルから4000メートルのものは珍しくありません。

最も高い山は1万メートル近いと言われています。

ただし、ありませんから、海抜いくらというあらわし方はできません。
まわりの地面からの高さをあらわしているわけです。

地球の山でも、たとえばヒマラヤの山をインド洋の底からはかれば1万2千メートル以上になりますから、月の山より高いということになります。

月の山の高さは、だいたいにおいて、地球の山と同じくらいだといえますが山の傾斜がとても緩やかで、すそ野が広くなっています。

アポロ宇宙船に乗って人間がツイへ行く前に、無人の月ロケットが月に着陸して月面の風景を写真に撮り、地球に伝送してきています。

この写真によると、月の表面はなだらかであちこちに浅いくぼみがあり一面に小石が散らばっています。



月までの距離

月までの距離は平均38万キロメートルで、地球の直径のおよそ30倍です。

しかし、この距離はかなりかわるもので月がいちばん地球に近づくときは約36万キロメートルいちばん遠ざかるときは40万キロメートルくらいになります。

このように、月は遠い距離にあるので1秒間に30万キロメートルすすむ光や電波が月から地球に届くまでに約1.3秒かかります。

地球上にいる私たちと、月へ行った宇宙飛行士とラジオで話をする場合にはこちらから「もしもし」といって月に届くのに1.3秒、月から返事がくるのにまた1.3秒、合わせて2.6秒経たないと返事が返ってきません。

ですから、話も間をおいてゆっくりしなければなりません。

月の大きさと引力

月の直径は、3500キロメートルで、地球の直径の約4分の1です。
月の重さは、地球の81分の1しかありません。

そして、月の表面での月の引力は地球の表面での地球の引力にくらべて、およそ6分の1の強さです。

したがって地球の上で、60キログラムの重さの人は月の上では10キログラムの重さしかないことになります。




地球の引力と重力のはたらきとは? わかりやすく解説!

引力

地球がまるいボールのような球だとすると、その裏側にいる人たちはどうして下に落ちていかないのでしょうか。

これは、昔から多くの人が不思議になっていたことです。

また、地球が太陽のまわりをまわっているといってもどうしてそんな運動が起こるのかこれも不思議の1つでした。

これらの問題に、はじめて正しく答えたのはイギリスの物理学者ニュートンは、いまから約280年まえのことです。


ニュートンは、すべてのものは、互いに引っ張り合っているのだと考えました。
この引きあう力のことを万有引力といいます。

こういうと、みなさんは、不思議に思われるかもしれません。
たとえば、机の上に鉛筆と消しゴムが乗っていた場合この鉛筆と消しゴムは、引っ張りあっているのです。

ただその力があまりに小さいために、私たちはそれを感じないだけなのです。

このようにして、地球と地球上のものとのあいだには引力がはたらいています。
このため地球の表面にあるものは、地球の中心の方向に引き付けられます。
地球の反対側の人が、地球から飛び去ってしまわないのも、この引力のためです。

私たちが、上の方向と下の方向を知るのは私たちや、私たちのそばのものに、はたらく引力だけによっているのです。

だから、地球の裏側にいる人は私たちから見れば、下から上のほうへ引っ張られていることになりますがやはり、地球の中心の方向が下の方向だと考えているのです。

すべての物のあいだに、はたらく引力は、物が大きければ大きいほどまた2つの物の距離が近ければ近いほど強くはたらきます。

月は地球の引力によって、地球から飛び去らずに地球のまわりをまわっています。
ニュートンは、地球の表面にいる私たちに、はたらきけける引力も地球が月を引き付ける引力も同じ地球の引力であることを計算によって確かめました。

地球が太陽のまわりをまわるのも、やはり地球と太陽のあいだの引力によるものです。
ニュートンは、これによって地球や月だけでなくあらゆる天体の運動を説明する原理を発見しました。

重力

地球上の物体には、引力と同じような重力がはたらいています。
重力というのは、遠心力と引力の合力でもとめられます。

左の図でもわかるように、その大きさは赤道上で最も小さく緯度が高くなるにつれ大きくなります。

しかし、地球の内部をつくっている物質の密度が場所によって異なるため同じ緯度でも、重力は等しいとはかぎりません。




地球の運動とは? 自転と公転、歳差運動とは? わかりやすく解説!

地球が運動していることは、いろいろなことから確かめられます。

たとえば、地軸を中心にまわっていることは北の空を見るとと北極星を中心にまわりの星がまわっていることからまた太陽のまわりをまわっていることは年収視差が観測できることからも知ることができます。


フーコー振り子

地球が、1日に1回転の速さでまわっていることはフーコーの振り子の実験で確かめることができます。

ふつうの振り子は、いちど振っても、すぐに振動がとまりますが10メートルくらいの長い針金に、重いおもりをつけて振ると何日ものあいだ、振動がとまりません。

このような振り子を振ると、だんだん時間がたつにつれて振動の方向が少しずつ、かわっていくのがわかります。

このような実験をする振り子をフーコー振り子といいます。

フーコー振り子の振動の方向は、日本のように赤道より北にある地方では時計の針のまわる方向にかわっていきます。

もし、この実験を赤道の真上でやると、振動の方向は、少しもかわりません。

そのほかの地方では、1日に一回転よりも遅い速さで振動方向がかわってきます。
日本では、1日にだいたい3分の2回転の速さで、振動方向がかわっていきます。

また赤道より南の地方では振動の方向は時計の針がまわるのと反対の向きにまわっていきます。

なぜこのように、振り子の振れる方向がかわっていくのかは難しい計算をしなくては説明できませんが地球はコペルニクスの言ったように回転しているのだと考えなくてはならないことが証明されます。

自転

地球は1日に1回、西から東すなわち北極から見て時計の針の動きと反対向きにまわっています。
この地球の運動を自転といい、1回自転するのにかかる時問を自転周期といいます。

地球が1自転するのに要する時間は、23時間56分4秒で1日よりも約4分速いことになります。

地球が自転しているために地球上の物体は、ある力をうけています。
いま地球上を運動している物体があるとするとその物体は地球の表面にたいして、北半球では右向きに力をうけます。

この力をわかりやすく説明すると、たとえば、下の図のように、時計の針の動きと反対向きにまわっている円板があります。

この円板の中心Oにいる人が、同じ速さで、まっすぐ運動しているとき円板の外にいる人から見れば、右へ曲がった運動をしているように見えます。

これは、円板上の人が、右向きに力をうけているためです。
これと同じように地球上を運動している物体は、みなこの力をうけているのです。

この力を転向力、またはコリオリの力といいます。



遠心力

地球が自転しているため生じる力には転向力のほか遠心力があります。

遠心力というのは私たちが自動車に乗っているとき曲がり角で自動車が曲がる場合、乗っている私たちはまわる外側のほうヘと追いやられます。

こお外側へ追いやられる力が遠心力なのです。

この遠心力は、地球では地軸に垂直にはたらいているため赤道で最も大きく、緯度が高くなるにつれて小さくなります。

それはその緯度における地軸に垂直な半径が赤道で最も大きく、緯度が高くなるにつれて小さくなるからです。

公転

地球は、太陽のまわりを、1年に1回まわっています。
これを公転といい、1回公転するのにかかる時間を公転周期といいます。

地球が1公転するのに要する時間は365.2564日で、1年を365日とすると6時間ほど余計にかかることになります。

地球が公転する道筋を軌道といい、ほぼ円に近い楕円です。

この軌道が正しい円でないため、地球は毎年1月のはじめにいちばん太陽に近づき、その距離は約1億4700万キロメートルとなります。

また、7月のはじめに、いちばん太陽から遠ざかりその距離は約1億5200万キロメートルとなります。

地球が、この軌道の上を動いていく速さは非常に速く1秒間に30キロメートルぐらいになります。

しかし、地球の自転や公転の速さは、私たちの体には、少しも感じられません。
それは、地球を取り巻く大気もいっしょに運動しているからです。

歳差運動

地球は、完全な球でないために、赤道部のややふくらんだ部分に太陽や月の引力が余分にはたらくことになります。

この力が、黄道面(太陽が地球のまわりをまわっていると考えたときその太陽の軌道の面)に垂直になるように、引き起こそうとする力がはたらきます。

このため、地軸は少しづつ向きをかえていきます。
これを歳差運動といいます。

このことは、軸がななめになってまわっているコマを地球にたとえて考えればわかりやすくなります。

すなわち、軸をななめにしてまわっているコマは軸を中心にぐるぐるまわりながらコマの軸の先端は、大きな円を描いてまわります。

このように地球も地軸の先端がこのコマと同じように大きな円を描いているのです。

これが歳差運動なのです。




地球と太陽系の特徴とは? わかりやすく解説!

地球と太陽系

大昔の人たちは、地球はかぎりなく平らなものでしかも動かないものを考えていました。

そして、太陽や月・星などが地球のまわりをまわっていると信じて地球がまるい形をしているということはいまから2500年くらいまえからギリシアの学者たちによって唱えられたものです。


はじめて、このことを唱えたのはピタゴラス学派という学者の集まりです。

地球がまるい形をしていることは、信じるようになりましたが地球は宇宙の中心にあって、動かないという学者と太陽が宇宙の中心であって地球はそのまわりをまわっているという学者とがありました。

ところが、いまから1800年くらいまえにプトレマイオスという学者が地球は宇宙の中心にあって動かないと考えた天文の本を出してからはこの考えかたが、広く世の中に信じられるようになりました。

この考えによれば、月や太陽や星が動くのは地球を中心とした天体が月や太陽や星をのせて動くからだというもので、この説を天動説といいます。

しかし、天体の動きについての研究がすすむにつれて地球が動くと考える地動説のほうが正しいのではないかと考えられるようになりました。

そして、1540年ごろ、ポーランドのコペルニクスはギリシア時代にも地動説を唱えた学者がいたことを見つけ太陽や惑星の動きを無理なく説明する地動説のほうが正しいことをはっきり唱えました。

惑星としての地球

いまでは、地球は、惑星の1つでありほかの惑星と同じように太陽のまわりをまわっている星にすぎないことは誰も疑う人はありません。

また、惑星である金星や火星は、自ら光を出して輝いているのではなく太陽の光を反射して輝いていることは誰でも知っています。

ですから、他の惑星から地球を見ることができたら地球も輝いた星に見えることになります。

いまでは、ロケットの発達により、ロケットにカメラを載せ数万キロメートル離れたところから地球をうつすこともできます。

左の写真に人工衛星から見た地球をうつしたものです。

この写真でもわかるように太陽に照らされている部分と照らされていない部分がはっきり区別されてみえます。

地球に、太陽のまわりをまわるだけでなく地球指針と1つの軸を中心にしてまわっています。

この軸を地軸といいます。

地軸が地球の表面をつらぬく点は2つありそのうち北のほうを北極、南のほうを南極といいます。
そして、地軸に垂直に地球を真ん中から切ったときにできる切り口の円を赤道といいます。

このように、地球は、地軸を中心にぐるぐるまわりながら他の惑星と同じように、太陽のまわりをまわっているのです。




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