気圧とは? 気圧のはかりかたとは? わかりやすく解説!

気圧

山登りをしたとき、耳の調子がおかしくなって、聞こえにくくなることをよく経験します。これはどうしてでしょうか。

私たちのまわりには、空気がいっぱい詰まっていますがだれも、空気はずいぶん軽いものだと思っています。

しかし、空気は地上から高い空の上まで積み重なって下のほうの空気は、上の空気に押されているのです。

この空気の押す力が気圧です。
だから気圧は、空高くなるほど低くなるほどです。

高い山などに登ると、気圧が低いために、耳の中の鼓膜が外のほうへ押されて、聞こえにくくなるのです。


実験

小さい・空き缶にゴム風船のゴムで、ふたをつくってみましょう。

この缶のふたには、実は、およそ1平方センチに1キログラ厶ぐらいの重りを載せたのと同じ力がかかっていますが缶の中にも空気があって、やはり同じ力で押しているので、このふたは凹みません。

こんどは、缶の底に穴をあけて、口で缶の中の空気を吸い出してみましょう。
ゴムのふたは、だんだん凹みます。
これは、ゴ厶のふたの上から、空気が押している証拠です。

水銀気圧計

気圧を測るには、水銀気圧計を使います。
水銀気圧計は水銀の入ったガラス管を逆さに立てたもので、上部が真空になっています。
管の中の水銀の栓は、図のように大気の重みで管の中に押し上げられています。

そこで、この水銀柱の高さを測れば、気圧を知ることができるわけです。

水銀の柱の高さは、場所や時間でいろいろかわりますがふつう750~770ミリメートルのあいだにあります。

気圧は、ふつうミリバールであらわします。

水銀気圧計の水銀柱の高さをミリメートルで測りこれに4/3かければ、気圧を、ミリバールでもとめることができます。
たとえば、水銀柱の高さが760ミリメートルならば、気圧は1013ミリバールです。

アネロイド気圧計

気圧を測る器械には、水銀気圧計のほかに、アネロイド気圧計や自記気圧計があります。

アネロイド気圧計のいちばん大切な感部に、金属製のまるくて薄いかんです。
そのふたは波形になって、ふくれたり、凹んだりできるようになっています。
缶の中は、空気を抜いて、ほとんど真空にして振ります。

気圧の変化につれて、波形のふたが、ふくれたり、凹んだりします。
その動きは、てこで大きくされて、指針が目もりを指すようになっています。

自記気圧計は、このような金属のかんをいくつか、重ねあわせたものを使い気圧のかわっていく様子をペンで記録するしかけになっています。



気圧のかわりかた

日本の各地方で気圧を測った結果を見ると、1年間の平均の気圧はだいたい1010ミリバールから1016ミリバールのあいだにあります。

毎月の平均の気圧を見ると、土地によって多少の違いがありますが一般に、冬に気圧が高く、夏は低くなっています。

これは平均の気圧の様子ですが、毎日の気圧は、たえずかわっています。

いままで、日本までの気象台で測ったいちばん低い気圧に1934年9月12日、四国の室戸測候所で、測った912ミリバールです。

また、いちばん高い気圧は、1913年11月30日北海道の旭川地方気象台で測った1044ミリバールです。

ところで、いままでに述べた気圧の値はみんな平地で測った値ですが気圧は高いところへいくほど、低くなります。

同じ筑波山でも、海抜870メートルの山頂の測候所では年平均気圧は915ミリバール、海抜240メートルの中腹では、986ミリバール海抜30メートルのふもとでは1011ミリバールとなります。

このように気圧に、高さが高くなるほど低くなっています。
地上とて100メートル上空(または山の上)との気圧の差は、12ミリバールです。
このような関係で、気圧を正確に測ると、反対にその位置の高さがわかります。

航空機には、気圧計の一種の器械が備えつけてあって気圧によって、自分の飛んでいる高さを知ることがでるようになっています。

このような目的に用いる気圧計を高度計とよんでいます。




風の吹き方とは?対流・海風・陸風・季節風とは?

対流

風のない、静かな日に、たき火をすると煙りが勢いよく空に昇っていきます。

これは、たき火で暖められた空気が上へのぼりそこの空気がうすくなって、まわりの空気が、たき火のほうに集まってくるためです。

このように、暖められた空気が上にのぼり冷たい空気がそれを補って下に流れこむような空気の動きを熱によって起こる対流といいます。

自然にも、このような熱による対流が、いろいろとみられます。


海風と陸風

夏の天気のよい日、海岸地方で風向や風速の変化を調べてみましょう。
昼間、風は海のほうから吹いてきます。

ところが夜になると、反対に陸から海のほうに吹きます。
海から陸のほうへ吹く風を海風、陸から海のほうへ吹く風を陸風といいます。

昼間は、太陽熱のため、陸地が海よりも暖められます。
暖まった陸地の空気は軽くなり、上へ昇ります。

そのあとへ冷たい空気が、対流によって流れこんで、海風となるのです。
夜は陸地が海よりも冷えやすいので反対に陸の空気が海のほうへ流れこみ、陸風となります。

海風は、陸地の気温のいちばん高い昼過ぎに最も強くなります。
また、海風と陸風とをくらべると陸風のほうが、海風よりも弱いのが普通です。

よい天気が続いているあいだには毎日規則正しく、このような海陸風が吹きます。
海陸風のほかに山風や谷風なども、対流で起こる例です。

夕凪・朝凪

夏、海岸地方では、天気のよい日などに夜になって風がばったり止み急に蒸し暑くなることがあります。これを夕凪といいます。

このような天気のときは、昼間に海風が吹き、夜には陸風が吹きます。
この海風から陸風にうつるしばらくのあいだが、夕凪の起こるときです。

これは、日暮れすぎに、陸地と海面の温度がだいたい同じになり、そのために風が止むからです。
瀬戸内海沿岸の夕凪は、非常に蒸し暑いので有名です。

また、朝方、陸風から海風にかわるしばらくのあいだ、風が止みます。これが朝凪です。



季節風

風向きや風速が、1年中に、どのようにかわるかを、調べてみましょう。
つぎの表は東京で観測した結果をとりまとめたものです。

この表を見ると9月から4月までは、北北西または北の風がいちばん多く吹いています。
また、平均の風速のいちばん強いのは3月と4月で、3.2メートルとなっています。

10月ごろから3月ごろまでの北北西の風はおもにシベリア大陸のほうから吹いてくる風で、これを冬の季節風といいます。
6月ごろから8月ごろまでの南の風は太平洋から吹いてくる風で、これを夏の季節風といいます。

5月、6月ごろは、冬の季節風から夏の季節風にうつりかわるときで梅雨は、このころに起こります。
また、9月ごろは、夏の季節風から冬の季節風にうつりかわるときで台風は、このころやってきます。

季節風の吹くわけに、海風・陸風の吹くわけと似ていて熱による対流の、もっと大がかりなものです。




風速・風速計・平均風速とは? わかりやすく解説!

風速

風の速さを風速といいます、ふつう風速は空気が1秒間に何メートル動いたかであらわします。
風速5メートルといえば、1秒間に空気が5メートルだけ動いたことをあらわしています。


風速計

風速を観測するには、風速計を使います。
風速計には、いろいろの形のものがあります。
そのうち気象台や測候所でよく使われているのはエーロベン風向風速計です。

風圧計も風向計も木や家の影にならないような高い塔の上が屋根の上にやぐらを建てて、備え付けます。
ふつう、地上から10メートルくらいの高さのところに据え付けるのがいちばんよいとされています。

平均風速

9時に、風速を測るとしましょう。
9時10分まえに、風速計についている目もりをよみます。

そして、ちょうど9時に、また目もりをよんで、そのひらきをとります。
このひらきは、10分間に風が何メートル動いたかを、しめしています。

したがって、この距離を10分間の秒数、すなわち600で割れば、平均の風速がわかります。

このように、10分間の風の動いた距離からもとめた1秒間の風速のことを10分の平均風速、または、たんに日金風速といいます。

気象台や測候所で用いている風速計は風向と風速が同時に観測できるようになっています。

しかし、学校などで使われている風速計は風はい(風受け皿)のついた風速計が用いられています。
この風速度計には、3つの風はいと4つの風はいのものがあります。



風の息・瞬間風速

風は、急に強くなったり、また弱くなったりして吹いています。これを風の息といいます。

風速計で、風速を10分間測っているあいだにも風は強く吹いたり、弱く吹いたりしています。
ですから、こうして測った風速は、強い風や、弱い風を平均したものです。

風速計には、このように平均風速を測る器械のほかに風の息をそのまま、測ることのできるものもあります。
このような器械を使えば、瞬間の風速を知ることができます。

風の息の強いときには、よく船が沈んだり、家が吹き倒されたりします。
これをふせぐには、風の息の性質を知ることが大切です。

気象台では、1つ分間の平均の風速と、瞬間の風速の両方を測っています。

長いあいだの記録を調べた結果によると瞬間の風速は平均の風速のおよそ1.5倍としてよいようです。

もし、平均の風速を観測して、それが24メートルであったとすると瞬間風速は36メートルくらいであったと考えてよいことになります。

ビューフォート風力階級

風速計がなくても、なれてくると、およその風速の検討をつけることができます。
それには、ビューフォート風力階級を使います。

ビューフォート風力階級の表には海の波の有様や陸上の木の揺れ方などを見て風のおよその強さを知るための説明がついています。

この表で風力階級を知るには表の説明のところをよく読んでいまの有様が、この説明のれにいちばん近いかを見ます。

風力階級がわかれば、それから表の風速の欄を見て、だいたいの風速を知ることができます。

たとえば、木全体が揺れていて風に向かって、なかなか歩きにくいほどの強い風が吹いているとします。

このときの風力が吹いているとします。
このときの風力階級は7で、風速は、およそ14から17メートルの間です。

この風力階級は、0から12までわかれています。




風向とは? 風向計とは? わかりやすく解説!

風向と風速

学校の教室や自分の家の窓から見える煙突の煙を観察して風の吹き方に注意してみましょう。

時刻によって、また、日によって、風の吹いてくる方向がいろいろとかわることに気がつきます。

風のないときには、煙はまっすぐに上へのぼります。


煙突は、ふつう屋根の上に高くつき出ていてまわりに邪魔するものがないので、自然のままの風の様子をあらわしています。

山の斜面や崖のふちや、また、ビルの屋上などでは風が下から上へ吹上たり、反対に上から下へ吹き下ろしたりします。

地形や建物の影響のないような広い原っぱや、上空では、風は水平に吹きます。

気象の観測では、地形や建物の影響のないような位置で自然のままの風の吹いてくる方向や、その速さをはかりこれをその地域の代表的な風向・風速とみなしています。

そして、天気予報に利用したり、また風についての、いろいろの調べをおこなったりします。

地形や建物の影響を受けた、ありのままの風の吹き方を知ることも大切です。
そのためには、町の中の家の建てこんだところで、風がどのように吹いているかまた、丘や谷で、風がどのように吹いているのかを調べます。

そうすると、たとえば、火災のときの火の伝わり方や工場の煙突から出る、有害なガスの流れかたなどを知ることができ、たいへん役立ちます。

このような場合には、風向や風速をはかるためにふつうの器械だけでなく、いろいろかわった器械や、方法が工夫されています。

風向

風の吹いてくる方向を、風向といいます。
北から吹いてくる風は北風、南から吹いてくる風は南風です。

風向は、ふつう8つの方向にわけて観測します。
8つの方向というのは、北・東・南・西の4つの方向と北東・南東・南西・北西の4つの方向です。

これを八方位といいます。

風向はまた、図のように、十六方位であらわすこともあります。

風向を観測して、ノートに書きこむときは北をN、南をSというように、記号を使うと便利です。

風向を観測するかんたんな方法は吹き流しをつくって、そのなびく方向をみることです。
なびく反対の方向が風向になります。
風向が見やすいように棒の下のほうに方位を書いた板をつけておくと便利です。

たき火の煙りや、煙突から出る煙りは空気の動くままに流れますからこれを観察して、風向を知ることもできます。

ただ、この場合に遠くから煙突の煙りを見ていると煙突の右か左かに流れている子とはわかりますが自分のほうに流れているのか、むこうのほうへ流れているのか、区別がつきません。

ですから、煙突の煙りで、風向を見るときにはなるべく煙突のすぐ下から見るように注意しなければなりません。



風向計

かんたんに風向を観測するには、風向計を屋根の上に立てて観測します。
風向計の心棒は、そのまま屋根を貫いて、下の観測室の天井まできています。

天井には、風向板がとりつけてあって、心棒についた指針が風向計と同じ方向を指すようになっています。
こうすれば、観測室で風向を知ることができるわけです。

風の強い日には、風向計の矢羽は、じっと止まっていることはなくあっちへ向いたり、こっちへ向いたりして、動いているのがふつうです。

このように、風向計がふれるのは、風が休みなく方向をかえるからです。
このようなときには、およそ、1分間ぐらいじっと風向計の動きを見ていてその動きの、ちょうど中心と思われる方向を、そのときの風向きとします。

たとえば、9時の風向きを観測しようとするときには9時前後におよそ1分間、風向計の動きを見ています。

風向計が北をはさんで、北北東と北北西のあいだをいったリきたりしているときにはその真ん中をとって北風とするのです。

気象台では、電気を利用して測風塔にある風向計の動きを離れた室内で記録する装置を用いています。




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