超音波の性質とは?超音波の利用とは? わかりやすく解説!

超音波

発音体の振動数が、だんだん大きくなると、私たちが感じる音の高さがだんだん高くなって、キーンというような感じになります。

もっと高くなると、チーというような感じになります。

ところが、振動数がおよそ1万5000ヘルツくらいになるとたいていの人には、音として感じられなくなります。

そして、振動数が2万ヘルツ以上になると、発音体から音波がでていても人間の耳には、音として聞こえません。

このように、振動数がおよそ2万ヘルツ以上になったときの音波を超音波と言っています。

超音波は、ふつう1000ヘルツを単位として、キロヘルツ(kHz)であらわします。
1万5000ヘルツなら15キロヘルツと言います。


水中の超音波

超音波は、空気中ではすぐ弱まってしまうので、あまり遠くまで届きません。
ところが、水の中では強い超音波をつくると、非常に遠くまで伝わります。

超音波が水を伝わる速さは、ふつうの音波と同じで1秒間に約1500メートルくらいです。

超音波は、水中を伝わるとき、ふつうの音波のように、横のほうに広がっていかず超音波を出す振動体の正面へだけ伝わる性質をもっています。
この性質は、指向性と言われ、超音波の利用に、たいへん都合のよい性質です。

音響測深機

航海や漁業のためにも海の深さを、正しく知ることは大切なことです。

むかしは、長い綱の先に重りをつけて、船からその綱を海底までたらしその綱が海底についたときの綱の長さで海の深さを測りました。

しかし、このやり方は、不便な点が多く、海流などに邪魔されると数値もあまり正確ではなくなります。
そこで、超音波を利用した、音響測深機がつくられました。

いま、船の底から下のほうへむけて、ごく短い時間だけ超音波をおくりだしたとします。

これを超音波パルスと言います。

するとこのパルスは、海の底まで進み、そこで反射されて、また船にもどってきます。
これは、ちょうど山にむかって声を出したとき山びこが聞こえてくるのと同じわけです。

そこで、たとえばこのパルスが船を出てから5分の1秒経ってもどってきたとするとパルスが海の底に達するまでの時間は、10分の1秒です。

超音波の速さが、毎秒1500メートルとすれば、10分の1秒間に走った距離は150メートルですから、これがそこの海の深さになるわけです。

音響測深機は、実際にはこのような計算をしないでも針が自動的に深さをしめすようにつくられています。



魚群探知機

超音波パルスを、海の底へむけて送り出すと、そのパルスは海の底から反射されてもどってきますが、もし、途中に魚の群れがいるとそこからも反射してもどってきます。

もちろん、魚の群れで反射した超音波のほうが、速くもどってきます。
このことを応用した器械が、魚群探知機です。

この器械は、多くの漁船に、さかんに使われています。

魚群探知機を使うときは船は走りながら、続けてパルスを出してこのパルスと反射してきたパルスを動いている記録紙に、記録させます。

それで、もし魚の群れが船の下に入ると、すぐわかるのです。

見えない傷の検査

電車や汽車の車軸を通す軸や、船や飛行機のプロペラをつける軸には非常に大きな力がかかるため、もし弱いところがあるとそこから折れやすいので危険です。

たとえば、すと言って、金属の内部に小さな穴があったりむらがあったりすると、そこから折れやすくなります。

これらの傷は外から見たのでは、なかなかわかりません。

ところが、軸のはしから超音波を送り込んで検査をするとふつうはむこうのはしで反射するのに、すなどのある金属はその部分でも反射がおこるので、すぐわかります。

この反射パルスは、オシロスコープという機械で、見ることができます。

これと同じ原理で、裏側の手の届かない物の厚さも超音波パルスの反射を利用して測ることができます。

体の中を診察する

みなさんは、X線(レントゲン線)で体の中を診察することができることを知っていますね。

これと同じように、近ごろでは、超音波パルスを体の中へ送り込んでその反射で、脳や呼吸器や消化器などの病気を診察することもできるようになりました。

液体の内部を揺さぶる

液体の中に超音波を通すと、液体のどの部分もひどく揺さぶられるのでふつうでは混ざりにくい水と油を混ぜ合わせたりすることもできます。

また、粒の細かい写真感光材料や化粧品・ワクチンなどをつくるのにも利用されています。

液体の内部がひどく揺さぶられると、細菌がいても死んでしまうので缶詰や瓶詰の中を、超音波で殺菌することもできます。

超音波の利用は、このほかにも、精密器械をつくる金属の表面をみがいたり細工したりするなど、いろいろあります。

そして、これからも、新しい利用の方法が、考えられることでしょう。




超音波と動物の関係とは? わかりやすく解説!

コウモリ

コウモリという動物は、疑問に、暗い洞穴の天井にぶら下がっていて夕方になると外へ飛び出してきて、空を飛んでいる小さな虫をとらえて食べています。

コウモリは飛びながらキッキッーというするどい声で(この声の振動数は、およそ2000~3000ヘルツ)を出します。
実際は、私たちの耳では聞こえない、超音波も出していることが、わかっています。

オシロスコープという器械で録音して調べてみると、その超音波の振動数はコウモリの種類によって違いますが、25~120キロヘルツです。

この超音波は私たちの耳には聞こえませんが、コウモリの耳には聞こえているようです。

そして自分の出した超音波の反射の具合によって洞穴の壁や木などにつきあたらないように、うまく飛ぶことができるのだと思われます。

そのわけは、コウモリは目を傷つけても、平気で飛ぶことができますが耳を傷つけこと、たちまち壁などにつきあたって落ちてしまうことが実験で確かめられたからです。


イルカ

最近、アメリカのパーキングという学者たちが、水族館などで人気者のイルカも超音波を出して泳いでいることを、確かめました。

これは、まずイルカを、いろいろな邪魔ものを入れた大きな水槽に入れて、邪魔ものを避けて泳ぐことを、教えこみました。

つぎに目が見えなくても泳げるかどうかを調べるためにそのイルカに、ゴムの目隠しをつけて、水槽に入れました。

すると、イルカは、まえと同じように邪魔ものを避けてすいすい泳ぐことがわかりました。

このほかにも、いろいろな実験をしたところ、イルカは超音波を出してそれが反射されてくるのを聞きながら、邪魔ものを避けて泳いでいることがわかりました。

動物の中には、コウモリやイルカのほかにも昆虫の仲間などに私たちには聞こえない、超音波を出しているものがあることがわかっています。

これからの研究によっては、まだこれらの動物のほかにも超音波を出す動物のいることが、わかることと思われます。




音と器械との関係とは?レコード・蓄音機とテープレコーダーとは?

レコードの溝

レコードをよく見ると たくさんの細い溝がついているのがわかります。
この溝は、うずまきになっていて、外側からはじまって、だんだん内側に入ってます。

この溝を虫眼鏡で見ると左の写真のように、うねうねと曲がっているのが見られます。

レコードをまわしながら指で針をつまみ、その先を溝の中に、軽く触れてみましょう。

針が左右に震えるのがぴりぴりと指先に感じられます。そして、かすかに音を出しているのがわかります。

つまり、レコードの溝は、音を記録してあるものなのです。


レコードのいろいろ

レコードには、直径が20センチ・25センチ・30センチなどの大きさのものがあります。
SP盤というこれまでのレコードでは、いちばん大きな30センチのものでも
片面が4分間くらいで終わってしまいます。

ですから、長い曲は何舞にもわけて、4分間ごとにかけかえなければなりません。

そこで、1枚のレコードに、長い曲やたくさんの曲を入れられるようにレコードの大きさを大きくしたり、まわり方を遅くすることや溝を細くして、あいだをつめることなどの研究がすすめられました。

しかし、シェラックや松やになどでつくった昔のレコードではなかなかうまくいきませんでした。

ところが、ビニル系合成樹脂が発明されてレコードの材料にたいへん都合のよいことがわかりLPとよばれる長時間レコードがつくられるようになりました。

LPレコードは、摩擦電気を帯びやすいので、ほこりがつきやすいことやかるいピックアップを使わないとレコードの溝が傷みやすいことなどの欠点があります。

しかし、ほこりのつかないLPレコードも発明されいまでは、SPレコードに、すっかりとってかわっています。

このほかに、ドーナツ盤とよばれている、EPレコードがあります。
これもビニル系合成樹脂でできていて溝も細かく、まわり方も遅い長時間レコードです。

しかし、取扱いをかんたんにするために直径を小さくしてあるのでLPレコードほど長い時間はかかりません。

また音の出る雑誌などに使われているソノシート(フォノシート)はビニルびきの紙やビニルに、音の出る溝をつけたものです。

これは、出版物という形をとっていますが実際はレコ-ドと同じことで最近では、音の質もよくなって、非常に増えてきています。

サウンドボックス式蓄音機

レコードから音を出すには、蓄音機を使います。

いちばんはじめにつくられたのは、エジソンの発明がもとになってだんだん改良されてできた、サウンドボックス式(ぜんまい式)蓄音機です。

この蓄音機では、レコードをぜんまいモーターでまわる円盤の上にのせサウンドボックスにつけた針の先を、溝にあてます。

レコードがまわると、針が揺れて、その振動が図のようなてこのしくみで大きくなって、軽金属でできた振動板に伝わります。

振動版が揺れてできた音は、だんだんに広がっている音道を通ってしだいに強められていき、大きな音になって外へでます。

電気蓄音機

蓄音機は、サウンドボックス式にかわって最近では、ほとんど電蓄とよばれる、電気蓄音機が使われています。

これは、レコードをまわすのに電動機(モーター)を使いサウンドボックスのかわりにピックアップを使ったものです。

ピックアップは、クリスタルマイクロホンと同じしくみで針の振動を、電流の強弱にかえるはたらきをします。

その電流を、増幅器で強め、スピ-カーヘおくり、音にかえます。

レコードプレーヤーは、モーターとピッタアップでできていてラジオにつないで電気蓄音機にすることができます。

LPレコードやEPレコードでは、針が溝を強くこすると溝の形がくずれてしまうので、針の先にかかる重さを、軽くしなければなりません。

また、溝が細いので、SPレコードに使っている針より、先の細いものが必要です。
そのため、ダイヤモンドやサファイアなどの硬い鉱物を使った針が使われ針をとりかえる回数も、ずっと少なくなりました。



ステレオレコード

ステレオレコードでは、1本の溝の左右の面に、それぞれ音が記録されています。

このレコードから、音を再生するためのピックアップとして45-45方式カートリッジというものがあります。

ふつう使われているクリスタルカートリッジでは、下の図のようにレコードの盤にたいして45度傾いている2つの結晶板に共通な1本の針をつけて、その針をレコードの溝にあてるようにできています。

この結晶は、クリスタルマイクロホンに使われているのと同じ、ロッシェル塩です。

レコードがまわると針の先を押す力が、溝の左側と右側では、つぎつぎにかわります。
すると2つの結晶板にあらわれる電気が、それにしたがってかわります。

この電気を増幅器で強めて左右に2つのスピーカーヘおくると2つのスピーカーの音の強さが、それぞれ違ってきます。
そのため、実際の音楽会で聞くような立体的な感じがでてくるのです。

ステレオレコードでは、録音のときに音のもとが動いていると再生したときの音も動いているように聞こえます。

テープレコーダー

テープレコーダーは、レコードのかわりに細長い録音テープに音を記録する機械です。
録音テープは、合成樹脂のテープに酸化鉄の粉をぬった物でつぎのようなしくみで、録音されます。

録音のしかた

録音テープは、録音ヘッドという、10分の1ミリくらいの細いすきまのある
電磁石の前を、決まった速さで動くようになっています。

この電磁石のコイルには、マイクロホンから、増幅器を通ってきた電流を通します。
すると、電磁石は、この電流がかわるにつれて強くなったり弱くなったりします。

そのため、磁石のはたらきも強くなったり弱くなったりするのでそこを通るテープの表面の酸化鉄も強い磁石になったり、弱い磁石になったりします。

このような録音のしかたを、磁気録音と言います。

再生のしかた

録音されたテープから、音を出すことを、再生と言います。
録音がすんだテープは巻き戻して、録音のときと同じ速さで、再生ヘッドを通します。

再生ヘッドは録音ヘッドと同じ物で、スイッチの切り替えで二通りに使えるものがほとんどです。

再生ヘッドを通ると、テープの酸化鉄の磁石の強さにしたがってヘッドの電磁石に電流がおこります。
この電流を、増幅器を通してスピーカーへ送り、音にかえます。

テープレコーダーは、持ち運びできる大きさですし長いテープをリールにまいて、長い時間の録音にすることができるのでたいへん便利です。

また、録音してからいらないところを切り取ったり順序をかえてつぎあわせたりすることもできます。

再生の必要がなくなったテープは、消去ヘッドを通してテープの磁石をただの酘化鉄にもどし、ふたたび新しく録音することもできます。

このように、テープレコーダーには、いろいろと便利な点があるので討論会や座談会の録音、街頭録音などのほか個人で英語の発音練習や歌の練習をするときなどに利用されています。

またヘッドの2つあるステレオ式のテープレコーダーでは1本のテープに2つの音が記録され再生のとき立方的な音を聞くことができます。




楽器と音の関係とは?打楽器・管楽器・弦楽器の特徴とは?

楽器と音

楽器は、音楽をたのしむ道具としてむかしから多くの人々の工夫によって発達してきたものです。

楽器には、ふつう、振動して音のもとをつくりだす部分と音を大きくしておくり出すための部分とがあります。

楽器は、音をだすしくみによって、打楽器・管楽器・弦楽器にわけられます。


打楽器

打楽器というのは、膜や棒や板を打って、それらの振動で音をだす楽器です。

打楽器は、おもに音楽のリズムをはっきさせたりおもしろさを加えたりするのに使われます。

それで、リズム楽器ともよばれています。

発音体に膜を使っているものには、大太鼓・小太鼓・ティンパニーなどがあります。
しめがねで膜を強くはったり緩めたりして音の高さを整えます。

そして、膜が振動すると、胴の中の空気も振動して、音が強められます。
発音体に、板や棒を使っているものにはシンバル・カスタネッ卜・トライアングルなどがあります。

これらは太鼓の胴にあたるしくみがないので、小さくても、するどい作用を出します。

多くの打楽器では、1つの高さの音しか出ませんが発音体をたくさんならべたシロホンなどでは、メロディーもひけます。

管楽器

管楽器というのは、笛やラッパなどのように管の中の空気の振動によって音を出す楽器のことです。

管楽器が音を出すしくみには、つぎの3つがあります。

①フルートや尺八では、吹く人の息が穴のふちにつきあたるとかわるがわる中へ入ったり、外へ出たりして中の空気を振動させるので、音がでます。

②トランペットやトロンボーンなどではラッパのうた口が、小さなお椀のような形になっています。

くちびるを軽く閉じてうた口にあて、くちびるをふるわせるように息を吹きだします。
くちびるを細かく開いたり閉じたりすると、それにつれてふきだされる息の圧力がかわってラッパの中の空気が振動して音がでます。

③クラリネット・オーボー・ファゴッ卜などではうた口にリードという振動片をとりつけて息をふきこむとリードが振動して、息の流れをさまたげたり、通したりします。

これによって、管の中の空気が振動して音がでます。

管楽器の音の高さ

管楽器には、フルートやクラリネッ卜のように管がまっすぐなものや、ホルンのように、ぐるぐるとまいた形のものもあります。

まっすぐでも、まいてあっても、管が太くて長いほど、低い音になります。

1つの楽器で、高い音や低い音を出すには、息の吹き方をかえたり管の中の気柱の長さをかえたりして、気柱の振動数をかえます。

トランペットでは、ピストンの押し方をかえると、気柱の長さがかわります。

フルートでは、穴をふさいだり、あけたりして、振動する気柱の長さをかえています。

実験

試験管を5~6本用意して、水の量を少しずつかえて入れます。
これらの試験管の口に、くちびるをあて音を出させると水の量の少ない試験管ほど、低い音がでます。

試験管の中の水の入っていない部分を、空気の柱と考えて、気柱と言います。
長い気柱の振動数は小さく、低い音がでて短い気柱の振動故に大きく高い音がでます。



弦楽器

弦楽器には、バイオリン・チェロ・琴などがあります。

弦楽器の音のもとは、弓のつるのように、ぴんと張った、糸や針金の振動です。この糸や針金を弦と言います。

弦を振動させるには、弾いたり、こすったり、叩いたりします。
ハープ・ギター・琴・三味線などで、弦を爪やバチで弾いて音をださせます。

バイオリン・チェロなどは、弓で弦をこすります。ピアノでは、弦を叩いて音を出させます。

このようにして生じた弦の振動は、胴や響板などに伝わって、大きな音になります。
バイオリン・チェロ・琴などでは、弦を、こま(ブリッジ)で支えて中が空の胴の上にはります。

胴の板は、うすくて弾力があるので、弦といっしょに振動して中の空気に共鳴をおこさせて、音を大きく美しくします。

ピアノでは、弦は響板という板の上にはられていて弦の振動は、響板に伝わり大きな、美しい音になります。

弦楽器の音の高さ

弦楽器のつくりだす音の高さは、弦の振動数が大きいほど高くなりますがこれは、弦の太さ、はった強さ、弦の長さなどに関係します。

ピアノでは、必要な音の数だけ、弦があります。
そのほかの弦楽器では、たいてい、指で弦をおさえて音の高さをかえます。

弦の振動数は、弦が長くなれば小さくなり、短くなれば大きくなります。
たとえば、弦のちょうど真ん中をおさえて半分の長さで振動させると振動数は2倍になって、1オクターブ上の音がでます。

また、音の範囲を広げるために、いろいろな太さの弦がいろいろな強さではられています。

バイオリンの弦は4本、ギターの弦は6本です。

弦楽器の音色

弦楽器の種類が違えば、弦の太さや材料が違うものです。

また、弦を弾いたり、弓でこすったりするというように弦に振動をおこさせる方法が違うため、弦におこる振動は弦楽器の種類によってずいぶん違います。

すなわち、基本振動のほかに、どの倍振動が、どんな強さでおこるかが違うのです。
バイオリンとギターで、同じ高さの音をだしても、音色が違うのは、このためです。

弦楽器の胴や、ピアノ響板は、この音色の違いを、いっそう大きくするはたらきをします。




モバイルバージョンを終了