暦のいろいろな種類とは? わかりやすく解説!

年のはじめ

昔は、ふつうどの暦でも、春分・夏至・秋分・冬至のように1年のうちでも、特別な日を目印として選んでそのころから新しい年がはじまるようになっていました。

私たちが使っている、暦の年のはじめももとは、冬至を目印にして、決められたものといわれています。

日本や中国の旧暦では立春(冬至と春分のちょうど真ん中の季節で新暦では2月4日ごろ)を年のはじめの目印と決めて毎年、そのころが正月1日になるようにしていました。

旧暦の日付けが新暦の日付よりも1か月ほど遅れているのは、このためです。


暦のいろいろ

太陽暦や太陰暦をもとにして、つけられた日付といっしょにその日その日の天文現象や、季節の催しなどをまとめて書いてある本のことを、ふつう、暦といっています。

この暦は、私たちが使っているカレンダーのように簡単なものもあれば天文台でつくっているもののように天体の動きを非常にくわしく書いたものもあります。

常用暦

人々の毎日の生活に便利なようにつくられている暦を常用暦といいます。

天体暦

太陽・月・惑星・恒星などの位置を年月日によって表にしたものでこれらの天体の運動や位置を調べるときに、なくてはならないものです。

航海暦

航海しているとき、航海者は天体の位置を観測して船の位置を知ります。
航海暦は、この天体観測に便利なようにつくられた、1つの天体暦です。

このほか、特別な目的のための暦が、いろいろあります。
農業に便利な農事暦、漁業に便利な漁業暦などが、それです。




太陰暦・太陽暦とは? わかりやすく解説!

昔から、世界各国で使われてきた暦を大きくわけると、太陰暦と太陽暦とになります。


太陰暦

大陰暦は、月の満ち欠けをもとにして、日付を決める暦です。
新月の日を1日として、順に2日、3日と数えていきます。

新月から新月までよ、平均して、29日12時間44分03秒ですから29日か30日で、月がおわります。

太陰暦のもとになる新月の日は実際に新月の姿を見て決めるものもあれば、計算で決めるものもあります。

太陰暦の12か月は、354日か355日で季節のひとまわり(平均365日5時間48分46秒)より10日か11日短いのです。

それで、1年を12か月とすると、3年経てば大陰暦は季節より1か月ほど早くなります。

暦の上では、4月はじめなのに、まだ寒い3月はじめの気候だというようなことが起こるわけです。

それからまた何年か経つと、暦と季節とのずれはますますひどくない、8月に雪が降ったり12月にヒマワリが咲いたりすることになります。

これでは、とても不便です。

そこで、なんとか、この太陰暦を季節にあわすそうと、工夫しました。
そして、2年か3年ごとに、余分の月(うるう月)をつけくわえて1年が13か月にしました。

こうして、太陰暦でも、季節にあうように工夫されたものを太陰太陽暦といいます。

これにたいして、季節との関係がない太陰暦を、純太陰暦といいます。

ふつう太陰暦といっているのは、たいてい大陰太陽暦のことです。
アラビアなどで使おれているモハメッド暦は純太陰暦で日本や中国の旧暦は太陰太陽暦です。



太陽暦

太陽暦は、春・夏・秋・冬の季節のうつりかわりをもとにして日付を決める暦です。

季節のひとまわり、言い換えれば、醜聞までの長さは平均して365日と5時間48分46秒です。

そのため、1年を365日と決めておくと4年後には、5時間48分46秒の4倍、つまり約1日だけ日付のほうが季節よりすすみます。

たとえば、ある年の春分か3月21日午前2時であると4年後には、春分が3月22日午前1時になってしまいます。

この日付けのすすみを、もとに戻すためいつもは28日までしかない2月の日付に29日の1日を4年目ごとに付け加えました。

この付け加えられた1日が、うるう日です。

うるう日のおかれる年をうるう年うるう日のおかれない年を平年といいます。

大昔、エジプトで使われいた暦やつぎに出てくるユリウス暦・グレゴリオ暦は太陽暦です。

紀元前46年にユリウス=カエサル(ローマの執政官、ふつうのジュリアス=シーザーという)がソンゲネスという天文学者の力を借りてつくったユリウス暦といわれる太陽暦は4年に1回、うるう日をおいた暦です。

しかし、4年に1回、うるう日をおいただけでは長い月日が経つと、こんどは、日付が季節より遅れてきます。
それは、5時間48分46秒の4倍が、ちょうど1日にたらないからです。

この遅れをなくすために、西暦1582年に口ーマ法皇グレゴリオ一三世がユリウス暦をあらためました。

これをグレゴリオ暦といいます。
いま、世界各国で使われている太陽暦に、このグレゴリ暦です。
グレゴリオ暦では、うるう年の決めかたをつぎのようにしています。

その年の西暦年数を4で割って割り切れる年はうるう年、あまりの出る年は平年です。

しかし、4で割り切れる年のうち100でも割り切れる年は除き400で割り切れる年だけを、うるう年にしています。

日本では、1872年11月9日に、太陰暦をやめて西洋と同じ太陽暦を使うことに決め、太陰暦の1872年12月2日の翌日を太陽暦の1873年1月1日としました。

ふつう、この太陽暦を新暦、もとの太陰暦を旧暦ともいいます。

グレゴリオ暦はすぐれた暦ですがまだ、ユリウス暦の欠点が、いくつか残っています。

たとえば、グレゴリオ暦では、28日、30日、31日などの月が不規則にならんでいます。

また、曜日と月日が合わないのも不便です。

そこで、もっとよい新しい暦を使うようにしようと100年以上も前から、大勢の人たちが努力してきました。
その新しい暦の1つに、世界暦があります。

世界暦では、1年をまず、91日ずつの4期にわけます。
その1期は、31日・30日・30日の3つの月でできています。

こうすると、91日は、7で割り切れるので一期ごとに月日と曜日を合わせることができます。

たとえば、世界暦では、4つの期のはじめにあたる1月1日・4月1日・7月1日・10月1日はみな日曜です。

このはじめの日から91日目が、その期の終わりですから月の終わりの月の30日は、みな土曜になります。
したがって、一期の暦は、そのまま二期・三期・四期と1年中繰り返して使えます。

四期の日数は、合わせて364日です。

あまった1日は年末において、世界中の祝日とします。
また、うるう年のときは、うるう日を6月の終わりにして祝日にします。
この2日の祝日は、週の中にいれないので何年経っても同じ暦が使えます。

けれども、暦は古い週刊にしっかり結びついているのでいまの暦をかえるのは、なかなか難しく政界重が新しい暦えを使うまでには、まだ、長い年月がかかることでしょう。




緯度と経度とは? わかりやすく解説!

地球上の位置をあらわすには、緯度と経度が使われます。
下の図のように、地軸にそって北極と南極を通るように
地球を切ったと考えてみましょう。

切り口は円になります。

この円は、北極と南極とをむすぶ線で2つの半円にわけられます。
この半円を経線といい地球の表面を、真北から、真南に通る線です(ア)


つぎに、地軸に直角になるように、地球を切ったと考えてみましょう。
切り口は、やはり円になります。

これが緯線で、地球の中心を通るように、切ったときの緯線が赤道です。
赤道は緯線のうちで、いちばん大きなものです。
緯線は、地球の表画を、真東から真西の方向に通っています。(イ)

まるい地球の表面に、このような経線と緯線とを同じ間隔で決めておき、それに番号をつけておけば、ある地点が何番目の経線と何番目の緯線の上にあるかを、あらあすことができます。

こうして、その地点の地球上の位置をはっきり言い表すことができるのです。

地球上では、イギリスのグリニッジ通る経線を0度の経線として、それから東へ東経1度、2度……180度、西へ西経1度、2度……180度というように度数をつけてあります。

東へ半まわりした東経180度の経線と西へ半まわりした西経180度の経線とは、地球の反対側で出会うので、同じ線になります。

0度の経線と180度の経線とは地球のちょうど正反対の位置にあるものです。

緯線は、赤道を0度として、北極へ向かって北緯1度、2度……90度、南極へ向かって南緯1度、2度……90度と度数をつけてあります。

北緯90度は北極、南緯90度は南極にあたります。

経度はグリニッジを通る経線からどれだけ東または西に離れているかをしめし、緯度は赤道からどれがけ南または北に離れているかをしめします。

同じ経線の上にある地点は、みな同じ経度を同じ緯線の上にある地点は、みな同じ緯度をもっています。




標準時・世界時・日付変更線とは? わかりやすく解説!

経度と時刻

平均太陽時がわかっても時刻については、もう1つの問題が残っています。
それは、土地によって食い違う時刻をどうすればよいかということです。

上の図は、地球を北極の真上から見たものです。
アの場所では、いまちょうど南中ですがイの場所では、南中を過ぎていますし、ウの場所ではまだです。

太陽の南中を、12時として時刻を決めるとするとアの場所の12時はイの場所の12時より遅く、ウの12時より早くなります。

時刻は、このように場所によって違ってくるのです。

この関係は、平均太陽についても同じようになります。
この様子を、もっとくわしく調べてみましょう。


子午線と時刻

ある地点を通る経線のことを、その土地の子午線といいます。
天の子午線というのは、この子午線を天球まで引き伸ばしたものです。

太陽や星が、その土地の子午線の上にくることが、南中です。

地球は、西から東へ向かって自転しますから左の図のように、太陽がいまちょうどアの子午線上にあるとすると時間が経つにつれて、つぎつぎに西のほうのイ・ウの子午線の上にきます。

そして、24時間後には、ふたたびアの子午線の上にきます。

ですから1時間経つと、太陽は360°÷24=15°だけ西によった子午線上にくるはずです。

経度が15度西によると、南中は1時間ずつおくれるわけです。

太陽の南中する時刻を、12時と決めたのですから経度が15度西のイの12時は、アの12時より1時間あとになるわけです。

イの12時のときには、アでは午後1時です。

標準時

経度の違うところで、それぞれ違った時刻を使うことにたいへん不便なことです。

たとえば、東京(東経140度)で12時のとき明石(東経135度)では11時40分になります。
これでは、同じ日本の中で、いろいろな時刻を使うことになってとても都合が悪くなります。

日本では、だいたい東経135度が東西の中心になります。

そこでこの地点の子午線に平均太陽のくるときは日本中どこの土地でも、正午と決めています。

こうすれば、私たちは、みな同じ時刻が使えて便利です。この時刻を日本中央標準時といいます。

世界の各国でも、それぞれ都合のよい子午線を決めここを平均太陽が通る時刻を、正午としています。

アメリカのように大きな国では、国全体を4つにわけ4つの標準時を使っています。

世界時

交通で通信がすすんでくると各国ごとに違った標準時か使うのでは不便なことがあります。
天文の研究などのためにも世界共通の時刻があったほうが都合がよいのです。

そこで、経度0度の地点の平均太陽時を、世界共通の時刻としました。これが世界時です。

日本標準時と世界時は、9時間ずれています。
世界時で正午のときは、日本中央標準時では午後9時になります。



日付変更線

世界地図を開いて、太平洋の真ん中あたりを見ると経度180度の線にそって、日付変変更線というものがあります。

この線を越えて通る飛行機や船は、ここで日付を進めたり遅らせたりしなければなりません。

イギリスのグリニッジで、6月10日12時のとき西経180度の地点では、10日の0時です。
また、東経180度の地点では、10日の24時、つまり11日の0時となります。

ところで、東経180度の経線と西経180度の経線とは同じものです。

そうすると、そこでは、グリニッジで6月10日11時のときは10日の0時とも考えられ、また、11日の0時とも考えられるわけです。

こうして、グリニッジから、東へ東へと時刻を調べていって経度180度の地点へいったときグリニッジから西へ西へと時刻を調べていって、同じ地点までいったときとでは、ちょうど2日だけ日付が違ってしまいます。

時刻は、どちらの場合でも同じ0時です。

まだ、グリニッジから西へ西へと数えていってふたたびグリニッジまできたとするとグリニッジで6月10日の12時という時刻が6月11日の12時ということになります。

これは地球のまわりに経度を数えると、どうしても起こることなのです。
それで、だいたい180度の経線にそって日付け変更線というものをつくりました。

これは、西から東へ通り抜けるときには、1日だけ日を減らし、反対に東から西へ通り抜けるときには1日だけ加えることにしています。

陸上にこの日付け変更線が通っていたのではすぐ隣り合った村と村とで日付けが違うというようなことが起こり不便です。

しかし、180度の経線が通っているところは大部分が海なので、その心配はありません。

180度の経線は、北のほうでは大陸に少しかかり南のほうでは、小島にかかりますが日付け変更線はそのようなところをよけてひかれています。

時報

天文台では毎晩、標準星が子午線を通る時刻を観測して正しい恒星時をはかり、これから計算して正しい平均太陽時を出しています。

天文台には、精密な時計がありいつも正しい時刻をしめすように動いています。
しかし、その時計でも、絶対にくるいがないとはいえません。
観測してはかった正しい時刻をくらべて、時計のくるいを調べています。

この時計は、日本全岡の時計のもとになるものでこれを標準時計ということがあります。

標準時計は、これまでは精密な振り子時計が使われていましたがいまでは、もっと正確で、磁針の影響などを受けることもほとんどない、水晶時計や原子時計が使われています。

この正しい時刻を広く知らせることを、報時といいます。

また、東京都小金井の郵政省電波研究所からは、昼も夜も休むことなく、水晶時計の正しい毎秒の時刻信号が、短波無線で送り出されています。

この時刻は、東京天文台の時計で監督されているのです。
放送局では、これらによって、自分の時計を直しその時計で、時報を出しています。

NHKの特報は、100分の1秒くらいまで正確に出されています。




太陽・恒星を利用した時刻の決め方とは? わかりやすく解説!

時刻の決め方

私たちは、よく「昨日、10時に寝て、今朝7時に起きたから9時間も寝た」などと言います。

この場合、10時とか、7時とかいうのは時刻で寝たときや、起きたときの瞬間を言っているのです。
これにたいして、9時間というのは、この2つの瞬間のあいだの時の長さのことです。

したがって「いま、時間は何時」ではなく「いま、時刻は何時」というのが正しいのです。

時刻も時間も、時計ではかりますす。
しかし、時計はときどき、ラジオの時報にあわせなければなりません。

それでは、その時報のもとになる時刻はどのようにして決められるのでしょうか。


太陽と時刻

太陽は地球の自転のため毎日東から出て南を通り西に沈むように見えます。

太陽が真南にきて、ふたたび、真南にくるまでのあいだが1日です。
この1日の長さの24分の1を1時間、その60分の1を1分そのまた60分の1を1秒と、細かくわけて、時間が決められています。

ですから、太陽の動きを見れば、時間で時刻を知ることができます。
また、太陽の光がつくる影を見ても、時刻がわかります。

このようにもとめた1日(真太陽日)はくわしくいえば、私たちがふつう使っている1日とは、違うのです。

日時計

棒を立てて、その影の位置をはかれば、時刻がわかります。
けれども、棒を地面に垂直に立てただけでは季節によって、時刻の目盛りをとりかえなければなりません。

1年中、同じ目盛りですませるには、棒を地軸の方向にたてるのです。

それには、まず、地面の上に、正しく南北の方向に線をひきます。
その線の上に棒をおき、棒の北に向いたはしを地面から35度の角度だけ上へ持ち上げて、棒をななめにします。

(35度は東京の緯度)このように、棒と地面との角度がその場所の緯度と同じになるようにすれば棒に地軸の方向に向いたことになります。

この棒に、直角に目盛り板をつけたのが、こま型日時計です。
ほかに水平日時計・垂直日時計などがあります。

真太陽と平均太陽

日時計のように太陽の動きで時刻を決める方法は、たいへん簡単です。
しかし正しい時刻を知るためには、これだけでは、まだ充分とはいえません。

というのは、細かく調べてみると、太陽が日周運動で地球をひとまわりする時間は、1年中同じではないからです。

地球の軌道は完全な円ではなく、それに近い楕円です。

そのため、地球と太陽の距離が近いときには地球から見た太陽の動きは速くなり、遠いときには遅くなります。

また地球の自転の軸が、その公転の面にたいして傾いていることからも、太陽の見かけの動きはかわってきます。

このように速くなったり遅くなったりする太陽の動きをもとにしたのでは、1日の長さが、日によって少しずつ違うことになります。

そこで、本当の太陽の動きとは別に1年中かわらない1日の長さを考えました。
そして1年中、同じ速さで動くように見える太陽を考えたのです。
これを平均太陽といい、それにたいして実際の太陽を真太陽といいます。

平均太陽をもとにして決めた時刻を平均太陽時といい私たちはこれを使っています。
これにたいして、真太陽をもとにして決めた時刻は、真太陽時です。

真太陽時と平均太陽時との違いを、均時差といいます。



恒星と時刻

私たちは、平均太陽によって、時刻を定めることができます。

けれども平均太陽は、時刻を定める上に仮に考えておいたものですから、その南中するのを実際にはかることはできません。

正しく時刻を決めるには、太陽のかわりに数個の標準星といかれる恒星を決めておいてその南中する時刻をはかり、それから計算によってそのときの平均太陽時刻をもとめるのです。

恒星の日周運動も、地球の自転のためですから、その動きは正確です。

恒星は望遠鏡で見ても、小さな点にしか見えず位置が決めやすく、そのうえ風のない、静かな夜に観測するので太陽の場合よりも、ずっとよい結果が得られます。

恒星時

このように標準星は、くりのない時刻をしめします。

しかし、恒星のしめす1日は、地球の公転のため平均太陽のしめす1日より、ごくわずか短いのです。

この時刻は、そのまま使うと、私たちの生活に不便なのでいつも平均太陽時に計算し直さなければなりません。

恒星のしめす時刻を恒星時といい春分点が南中するときを0時としています。

恒星時で数えると、1年は366日です。




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