今まで述べたように、燃料にはいろいろな種類のものがありますがその主なものは、炭素とか、炭素の化合物です。
この燃料をどんどん使っていくといつかはなくなるのではないかと心配する人かあるかもしれません。
ところが、焚き木や石炭は何からできたのかを考えてみると焚き木はもちろん、石炭も植物からできたものです。
植物が石炭にかわるのには何年かかるかわからないくらい長い年月がかかりますが焚き木になるには、数十年もかかりません。
いま、世界中で育っている木と人が使っている石炭やたき木とどちらが多いか比べてみると人間は、まだそれほど多量の燃料を使ってはいないようです。
ただ特別な燃料がほしいので、いろいろと苦心しているわけです。
とにかく、この植物が燃料のもとをつくってくれているわけですがその植物の生長にはどんなものが必要でしょうか?
それは、地球の表面で物が燃えたり動物が呼吸したりしてできた二酸化炭素や水です。
植物は、これらのものと、太陽の光のエネルギーによって生長しまた酸素をつくっているのです。
すなわち、炭素・水素・酸素というものはそれが燃料になったり、燃えたりして姿はかわっても、地上に残っているわけです。
そして、私たちはこの変化に伴ってでる熱を利用しているのです。
しかし、植物が、二酸化炭素や水分から自分の体をつくるには太陽の光が必要ですから私たちが植物を燃料として使っていても結局は太陽のエネルギーを使っていることになります。
ですから、太陽の光がなくならないかぎり植物をもとにした燃料はなくならないといってもいいすぎではないでしょう。
原子燃料
ところが、近年、ウラン原子が壊れるときのエネルギーを使う方法が考えだされました。
この原子が壊れるときの力を利用したもののはじめは日本に落とされた原子爆弾ですがそれを平和の目的に使うように工夫されたのが原子炉です。
原子が壊れるときのエネルギーは非常に大きいもので、物が燃えるときの酸化のエネルギーとは違います。
このような原子を原料とした燃料を原子燃料または核燃料といいます。
世界で使われている原子燃料はいまのところウランという元素ですでにいくつかの国で、発電や船の動力として使われていますしプルトニウムを核燃料にする研究も行われています。