近代医学が発展したのはいつ頃? 伝染病との戦い

また、ダーウィンと違った進化論も、いくつかあらわれました。
メンデルの研究がもとになって発達した遺伝子学では
うまれてからの後にできた性質は遺伝しないということになっています。

ところが近頃は、また別の考えもあらわれてきています。

アメリカのバーバンクや、ソ連のミチューリンは
生まれてから後にかわった性質も遺伝するという考え方を述べています。

そして、さまざまな作物や草花や果樹をつりかえることに成功しました。




伝染病と医学

ペストやコレラは、恐ろしい伝染病です。
ペストで死んだ人は皮膚が黒紫色になるので、黒死病ともいわれています。

ペストは昔、しばしば発生し、わずかのあいだに何千何万という人々が死んでいきました。
大きな町が全滅したことさえありました。

昔のインドでは、ペストがでた村を軍隊が取り囲み病気にかかっていない村の人たちまで、
いっしょに焼き払ってしまったこともありました。
そうしなければ、ペストがどこまで広がるかわからなかったにしても
ずいぶんひどいことをしたものです。

コレラも恐ろしい伝染病で、日本でもときどき流行しました。
大勢の人が、ころりころりと死ぬので、コロリといって恐れられました。

このような伝染病が、いったん流行しはじめると
人々はどうしてよいかわからず、遠くの地方へ逃げたり
お祈りをしたりして、伝染病のおさまるのを待つばかりでした。

しかし、いまの人は、ペストやコレラが、たとえどんなに恐ろしい病気でも、どう

したらふせげるかを知っています。
伝染病との戦いに、近代の医学が勝利をおさめたのです。

近代医学は、多くの科学者が築き上げたものです。
そしてその中でも、パスツール・コッホ・リスターなどの名を忘れることはできません。

パスツールと細菌

伝染病との戦いは、細菌との戦いでもあります。

細菌は、顕微鏡ができてから、レーウェンフックのほか大勢の人によって見つけられています。
1滴の汚い水の中にも、ふつうでは目に見えない小さな生物が
たくさんいるのに人々はびっくりしました。

しかしこれらが、病気や腐敗の原因になることがあるということは
だれも考えつきませんでした。

昔は、手術をしたあと、傷口から膿むのは当たり前のようになっていました。
手術がうまくいっても、そのために死んでしまうことが多かったのです。
これは、空気が悪いためだと思われていました。

伝染病も、空気のせいだとされていましたので、予防の方法が見いだされませんでした。

けれど、伝染病や傷口が膿むことが、物が腐ったり
発酵したりするのによく似ているのに気がついた人は、たくさんいました。

これが、顕微鏡でなければ見えない
小さな生物のはたらきだということをはっきりさせたのは
フランスのルイ・パスツールです。


すっぱいぶどう酒

フランスでは、ぶどう酒がたくさんつくられています。
ブドウの中の糖分を発行させて、アルコールにかえるのですが
失敗すると、すっぱいぶどう酒ができてしまいます。

よいぶどう酒をつくるために、発酵のしくみを調べることが
フランスでは大切なことだったのです。

ふつうの発酵では、酵母がさかんに増えていくのがみられます。
酵母が、糖分をアルコールにかえるはたらきをしていることは前から考えられていました。

しかし、すっぱいぶどう酒ができるのが
別の小さな生物のはたらきであることは、まだわかっていませんでした。

バスツールは、この小さな生物(細菌)を発見しました。
そして熱をくわえてこの生物を殺し
ぶどう酒がすっぱくなるのをふせぐ方法も発見しました。

こうして、パスツールのおかげをいちばん先に受けたのは
フランスのぶどう酒からくる人たちで
すっぱいぶどう酒をつくるようなことはなくなりました。

それからまた、パスツールは、食べ物などが腐るのも
細菌のはたらきで起こることを発見しました。

これらの細菌は、空気中に浮かんでいたり、いろいろなものにくっついたりしています。
細菌のうちのある種類を、発酵していろぶどう酒の中に入れると
そこで増えて、すっぱいぶどう酒をつくってしまいます。

また、ある細菌は食べ物につき、そこで増えてものを腐らせます。

親がなければ生物はできない

もし、もとになる細菌や酵母がなかったら、発酵も、物の腐れも起こりません。

しかし、そのころはまだ、酵母や細菌などの小さな生物は
発酵している液や肉のスープ、植物の煮た汁などの中から
ひとりでに湧き出ると考える学者がたくさんいました。

パスツールは、それが間違いであることを、実験で確かめたのです。

パスツールは、フラスコの中に、肉のスープや、食べ物を煮た汁を入れ
フラスコの首を細長く引き伸ばして
空気が自由に出入りできないようにしてから液を熱し
その液の中にまぎれこんでいた小さな生物を、みんな殺してしまいました。

こうすると、引き伸ばした口をあけたままにして
長いあいだおいても、液の中には細菌も、ほかの生物も少しもあらわれませんでした。







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