筋肉のしくみとはたらきとは? わかりやすく解説!

骨と筋肉のしくみ

筋肉は、みんなで650個あまりもあります。
これらの大きさや形は、さまざまですが、どれもだいたい同じしくみになっています。

筋肉は、ふつう、真ん中がふくらんでいて、両はしが細くなっています。
ふくらんだところは、赤い色をしていて、やわらかな、筋繊維の束でできています。

両はしは、腱とよばれ、結合組織の繊維が集まってできています。そのため、硬くて丈夫です。

また、絹糸の束のように白くつやがあります。


筋繊維

筋繊維は、ごく細い糸のような形をしています。
これが、何本も平行に並んで束になり、筋肉をつくっているのです。

筋繊維には、2つの種類があります。

1つは、顕微鏡で見ると、たいへん細かい筋が、たくさん横に並んでいます。

この筋は、横紋とよばれています。
それでこのような筋繊維を横紋筋繊維といいこれからできている筋肉を横紋筋といいます。

横紋筋繊維の一種に心筋繊維というものがあります。
これは、繊維が互いに続きあって、網のようになっているところがふつうの横紋筋繊維と違っています。

もう1つの筋繊維は、ずっと小さくて細く両はしがとがった形をしています。

これには、横紋がなく、平滑筋繊維とよばれています。
また、この種類の筋繊維からできている筋肉を平滑筋といいます。

横紋筋と平滑筋

横紋筋と平滑筋とは、いろいろな点でその性質やはたらきが違っているばかりでなく、ついている部分も違っています。

横紋筋は、おもに骨格についています。
よく見ると、必ず1つの骨から隣の骨へまたは、いくつかの骨を飛び越えて近くの骨へついています。

言い換えると、横紋筋は、1つまたは、それ以上の関節をまたいでいるのであって1つの骨の2点についているということはありません。

それで、筋肉が縮むと、その両はしが互いに近づきます。
そして、関節が曲がって骨が運動することになるのです。

平滑筋は、おもに内臓に見られます。胃や腸の壁の中にあるのです。
ふつう、縦に並んでいる筋肉の層と横に並んでいる筋肉の層とからできています。

たとえば、腸で縦の層が縮むと、腸が短くなり横の層が縮むと腸が細くなります。
このようにして、腸の壁の運動(ぜん動)が起こります。

平滑筋は内臓のほか、血管の壁や毛の根もと(立毛筋)にもあるし眼球の中には光の量を調節したり、遠近の物体にピントを合わせる大切な筋肉があります。

横紋筋は、思った通りに動かすことのできる運動を引き起こします。
平滑筋がする運動は思い通りにはなりません。

私たちは、いつでも、腕を曲げたり伸ばしたり食べ物を噛んだり飲み込んだり、呼吸したり声を出したりすることは、自由にできます。

これらの運動をするときにはたらく筋肉が横紋筋です。

ところが、胃・腸・血管の動きは、思い通りに強めたり、弱めたりすることができません。
これらをつくっている筋肉が、平滑筋です。

ただ、心臓だけは違っています。
これは、横紋筋でできていますが思い通りに動かしたり、止めたりすることができません。

平滑筋と横紋筋では、運動する速さが違います。横紋筋は速く、平滑筋はたいへん遅いのです。

昆虫の羽根を動かす筋肉は、横紋筋でできていて、目にも止まらぬ速さです。
ところが、胃や腸の運動は、ミミズがはうように遅いのです。

しかし、横紋筋は速くても疲れやすいので、その運動は長続きしません。
ところが、平滑筋は、疲れにくく、長いこと運動を続けることができ内臓の運動に適してています。



運動のしくみ

腸・胃などの内臓の運動は、平滑筋(心臓だけは、横紋筋)が引き起こします。
これはただ、筋肉だけが、伸び縮みするのです。

横紋筋が引き起こす運動は、少し様子が違います。
横紋筋は。両はしが、関節でつながっている、2つの別な骨についています。

ひとつの筋肉が縮むと骨はそれに引っ張られて曲がります。
それといっしょに裏側についている筋肉が伸びます。

縮んだ金肉が緩んで、裏側の筋肉がはたらくと、骨はもとにもどります。

筋肉が伸びたり、縮んだりする様子を観察するには、下の写真のようにカエルの足を使って実験すると、よくわかります。

カエルの足の皮をむいて、筋肉を切り開くと白い筋が見えます。
これが神経です。
神経をピンセッ卜で刺激すると筋肉が縮んで足が動きます。

このような筋肉の運動は、1本1本の筋繊維が縮んで起こります。肘が曲がる運動を考えてみましょう。

上腕の前側には上腕二頭筋という長い筋肉があります。これは、肩甲骨からはじまって頭骨についています。

この筋肉が縮むと頭骨が肩甲骨のほうへ引き寄せられ、肘が曲がるのです。
肘を曲げると力こぶがあらわれるのを知っているでしょう。

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これは上腕二頭筋が縮んで、太くなったためなのです。
腰や肩の動きも図のように、いろいろな部分の筋肉が伸びたり縮んだりするためです。

このように、私たちの体が動くのは骨格についている筋肉が伸び縮みすることによるのです。

筋肉の衛生

私たちの体重の半分ちかくは、筋肉です。筋肉を成分から見ると、4分の3が水分になっています。

残りの4分の1は、ほとんどたんぱく質です。
筋肉を丈夫にするためには、たんぱく質は大切なものなのです。

体操などの運動は、筋肉を丈夫にしてくれます。
もちろん運動をしたからといって、すぐ効き目があらわれるわけではありません。長い時間がかかります。

筋肉は、使えば使うほど、強くなっていくものです。
しかし、使わなければ弱くなり、そのうえ痩せてしまいます。

ところで、ふつうに暮らしているときには、あまり使わない筋肉があります。
このような筋肉も、体操をすれば、使うことになり、必要なとき役に立ちます。




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