木の上に巣をつくる鳥
木の上に巣をつくるものには、ハト・カラス・クカなどがいます。
これらの巣は、枯れ枝を重ねただけの粗末な巣です。
コウノトリは、おもにマツの木のこずえ近くにつくりますが、むかしはツルの巣と間違えられていました。
しかし、ツルは木の上には巣をつくりません。
湿地に枯れ枝や草を集めて、粗末な巣をつくるだけです。
ウグイス・メジロ・ホオジロなどの小鳥は、みな上手に巣をつくりますが、なかでも、エナガの巣は見事です。
木のまたについていることもあれば、枝から垂れ下がっていることもあります。
巣のまわりにはコケをクモの糸でつけてあるので木の幹と見分けがつきません。
巣の中には、ほかの鳥の羽根毛がいっぱい敷いてあって、とてもあたたかです。
カイツブリの巣
むかしの人が「ニオ(鳰)の浮き巣」と呼んだのがカイツブリの巣で、水の上に浮いているので有名です。
巣は沼に水草を集めてつくりますが、この水草はおすが水の中にもぐってとってきて、めすにプレゼントしたものです。
沼の水は雨が降ると増え、日照りが続けば減りますが、この巣は浮いているので水のかさが増えても水浸しにならず、たいへん都合よくできています。
また、水草のかたまりでできているため敵に見つかる恐れもあまりありません。
怪しいものが巣に近づいてきたときには親鳥はたまごの上に水草をかぶせて、たまごが見えないようにします。
そして、自分は水にもぐって隠れます。
アマツバメの巣
アマツバメやハリオアマツバメは険しい岩のがけなどに、さら型の巣をつくります。
巣の材料は小枝やわらなどですが、それを飛びながら集めます。
こうして集めた材料を、ねばねばしたつばで岩にくっつけて巣をつくります。
このねばねばしたつばは乾くと半透明の合成樹脂のようになりますから、とても美しい巣ができあがります。
中華料理で食べるツバメの巣はアマツバメの仲間のアナツバメの巣です。
これらは、ツバメという名がついていますがツバメの仲間ではなく、ハチドリの親戚です。
アナツバメは、マライ地方の洞穴にたくさん集まって巣をつくりますが、その巣は、ねばねばしたつばだけでつくり、わらや小枝などは少しも使いません。
また、ふつうのツバメやイワツバメは泥とわらで茶碗型の巣をつくりますがコシアカツバメの巣は、とっくりを横に倒したような形です。
それで、コシアカツバメを、トックリツバメと呼ぶこともあります。