地球の誕生にまつわる神話とは? わかりやすく解説!

神話の中の天と地

大むかしの人々は、この世界を天と地の2つにわけて考えていました。

天界には、たくさんの星がかがやき、地上に人間が住んでいますがこの2つの世界も、はじめは1つのものだったち考えました。

では、どのようにして2つにわかれたのでしょうか。
それは、神話の中で語られています。

もちろん、国によって、その考えかたも違っています。
ここでは、そのうちの代表的なものを3つ選んでお話しましょう。


バビロニアの神話

いまのイラクの国のある地方を、メソポタミアといいます。
この地方には、約7000年ぐらい前から、文明が明けていました。

バビロニアはその1つの国ですが人々のあいだで天地の成り立ちについての神話が、言い伝えられていました。

宇宙の最初の時代には、一面が大海でした。
この水の中で、すべてのものは、区別なく入り混じっていました。

この大海はティアマートという悪魔の神が支配していて乱暴をはたらいていたのですが大海から生まれたマルドークという太陽の神がこの悪魔の神を退治することになりました。

マルドークは、稲妻を武器にして、ティアマートに立ち向かいました。
大きな口を開いて襲いかかるテイアマートのその口の中に風を吹き込むと、その体は、破裂してしまいました。

そこでその体を2つに裂き、半分を高くつるすとこれが天となり、あとの半分を広げると、これが地となったのです。

エジプトの神話

エジプトも、バビロニアと同じくらい、古い王国でした。
ここにも、天地の成り立ちについての神話があります。

いちばんはじめに宇宙は、やはり水で満たされていました。
天の神ヌイトと、地の神シブとは、この水の中で1つとなり、じっとしていました。

するとある日のこと、水の中から、シューという神があらわれてヌイトを頭上高く持ち上げました。
するとヌイトは両手両足を踏ん張って、体中にたくさんの星をひからせました。

またいっぽう、シブはシューの足もとで手足を伸ばしました。
そうすると、植物が生え、動物や人間が動くようになりました。

それらの植物の中に、1本のハスの茎がありました。
そのつぼみがパッと開いて太陽の神ラーがおどりでて、天にのぼりました。
ラーが、天と地をくまなく照らすと、神々が、つぎつぎと生まれました。

ナイル川の神オシリスも、この群れの中にまじっていました。
人々は、ラーにあたためられ、オシリスに潤されながら暮らすようになりました。



日本の神話

バビロニアとエジプトの神話とをくらべると、天地ができあがるまえには水の中に、なにもかも、ごちゃごちゃにまじりあっていたという点が似ています。

日木の神話の中でも、そのような考えが語られています。
日本でいちばん古い歴史の本に『日本書紀』という本があります。
書かれたのは、西暦720年ですが、天地のはじまりのことから書き出してあります。

最初の世界の様子は、ちょうどニワトリの卵の中のようにどろどろに溶けあったようになっていました。

時間が経つにつれて軽くてすんだものは上方にたちのぼり、たなびいて大空となりました。
いっぽう、重くてにごったものは、よどんで大地となりました。

大空が広がるのは、容易かったのですが、大地は、なかなか固まりませんでした。
そこで、男女二柱の神様が雲の上から、矛で地面をかきまわして日本列島をつくったということです。

この日本の神話で感心することは私たちがふだん観察することのできる、蒸発や凝固などの物理現象をよく取り入れていることです。




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