地震の観測

地震のとき、よく注意していると、はじめに小さな揺れが続きしばらくしてから大きく揺れることに気がつくでしょう。

最初に揺れはじめてから、大きく揺れるまでの時間を初期微動継続時間と呼んでいますが、この時間が長いほど地震の震源が遠いところにあるのです。

このような土地の揺れを、もっとくわしく調べるためにはまず、土地の揺れかたを正しく記録することが必要です。


地震計

上地の揺れを、たえず自動的に記録する機械が地震計です。
地震の本当の研究がはじまったのは、地震計が発明されてからのことです。

ふつう、ある物体の揺れを記録しようとする場合にはそれに取り付けた針先を、揺れない記録紙の上に触れておけばよいわけです。

しかし地震の場合は記録紙もいっしょに揺れるので、つぎのような特別の方法をとります。

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図のように、重りを糸で吊るした振り子を用意しましょう。
糸を持った手をゆっくり動かした場合は手が動くにつれて、重りもいっしょに動きます。

つぎに、手を振り子の周期よりも、はるかに速く動かしたときは重りはほとんどもとの位置から動きません。

ですから、地雲の揺れよりはるかに周期の長い振り子の重りは地震のときもほとんど動くことなく、空中の一点にとどまっているわけです。

そこで、この重りにつけた針先を地面とともに動く記録紙の上に触れておけば地面の動きを記録することができます。

これが地震計の原理です。

地震のときの実際の揺れの大きさはごく小さいので針先の動きを、いろいろの方法で大きくして記録します。

いちばん簡単なものは、てこの原理で大きくするものですが最近は、その動きを電流の変化にかえて記録する電磁式地震計が、さかんに使われています。

多くの観測所に備えられているものは揺れを数十倍から数千倍に大きくして記録するものですが100万倍の敏感な地震計もつくられています。

なお水平方向の揺れには水平振り子を上下方向の揺れには上下のばね振り子を用います。

観測所では、東西・南北・上下の揺れをはかる1台の地震計で連続観測がおこなわれています。

地震の波

地震のときの地面の揺れを地震計で記録し、地震のはじまった点を①,大きく揺れはじめた点を②とします。

まえに述べた初期微動継続時間というのは、①から②までの時間になります。

地震の揺れは、震源から四方に、波となって伝わっていきますが震源からでる波には2種類あります。
1つは縦波で、伝わりかたが速く、もう1つは横波で縦波より少し遅い速度で伝わっていきます。

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図の①と②は、それぞれこの2つの波がやってきた時刻で震源から遠く離れるほど、②の到着する時間が遅くなるわけです。
初期微動継続時間と震源までの距離とのあいだには、つぎのような関係があります。

震源までの距離(km)= 8 × 初期微動継続時間(秒)

この関係式から、多くの場所で地震の揺れかたを観測して波の伝わる速さや震源の位置をもとめることができます。

また、こうした波の伝わりかたを調べることによって地下の深いところの様子を調べることができます。