川の運搬作用とは? わかりやすく解説!

川の運搬作用

川は、風化して崩れ落ちたれきや、雨水で洗い流された土砂さらに、自分の力で川底や川岸を削ってつくったれきや土砂を水といっしょに下流に運んでいます。

これを川の運搬作用といいます。


川底のれきや土砂

川の上流には、大きい角張ったれきが多く、中流、下流になるにしたがって粒が小さくなり、まして下流には砂や粘土のような粒の細かいものが多くたまっています。

これらは、川が上流から運んできたものですが流れの急な上流ほど大きなれきが運ばれ、流れのゆるやかな下流では細かい土砂しか運ばれないために、このような違いができます。

また、下流になるにつれてれきがまるくなるのはれきが運ばれる途中、川底や川岸、または、れきどうしがぶつかりあって角がとれるからです。

れきの運搬

川の水量が少ないときには川底のれきはほとんど動かないのですが、大水のときには、川の運搬する力が強くなるので、大きなれきまで、動かされ、下流に運ばれます。

れきの運ばれかたには、つぎの3つがあります。

ひきずり

平たいれきは、川底をすべりながら下流に運ばれていきます。

たくさんのれきが運ばれるときには、小さいものが速く動き大きいものをひきずって動くように見えます。

ころがり

ときの形が球や楕円体の場合は、れきは川底を転がって下流へ運ばれます。

大きなときは、そのすぐ下流にうずができて川底が掘られそこに転がりこみ、しだいしだいに、下流に運ばれます。

とびはね

小さいれきは川底を飛び跳ねて下流へ運ばれます。
川底のでこぼこのために、川の流れにうずまきができると川の運搬力が強くなります。

そのため、小さいれきは、しばらく浮いて流れ川底へ落ちるというようにジャンプを繰り返しながら下流へ運ばれます。



土砂の運搬

川の流れが急なときは、小さいれきや砂や泥などは、水中に浮いたまま流れます。

雨が降ると川の水がにごってくるのは、川の水量が増え流れが速くなって水中に浮いて流れる土砂の量が多くなったためです。

長い年月のあいだには、このようにして運ばれる土砂は、莫大な量になります。
たとえばアメリカのミシシッピ川は、1年間に約5億7000万トンの土砂をメキシコ湾に運びだします。

化学成分の運搬

川は、れきや土砂のような固体を運ぶばかりでなく岩石や土の中にふくまれている、いろいろな化学成分をとかして運びます。

降ってくる雨水の中には、ほかの化学成分はほとんど入っていませんが川水の中にはいろいろな化学成分が入っています。

これは、雨水が地表から地下に染み込んで土の中や岩の割れ目などを通ってくるあいだに、土や岩の中にふくまれている成分をとかしこむからです。

そしてこの水が地表に出て川水になるのです。

四季を通じて流れている川では、川の水にとけて流れる化学成分の量がれきや土砂の流れる量よりも多いのがふつうです。

これは、れきや土砂が、ほとんど大水のときだけに運ばれるのに対しとけて流れる成分はいつも運ばれているからです。




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