火成岩の種類とは?玄武岩・安山岩・流紋岩とは?

おもな火山岩

火山岩には、多くの種類がありますが、我が国に産する火山岩は大きくわけて玄武岩・安山岩・流紋岩の3種になります。


ゲンブ岩

おもに、輝石とカルシウムの多い長石からできています。

また、カンラン石を、かなりふくんでいるものもありカンラン石玄武岩とよばれています。

玄武岩は、有色鉱物をかなりたくさんふくんでいるのでいっぱんに黒っぽい色をしています。

富士山や伊豆七島の火山の溶岩は、おもに、この玄武岩でできています。
このほか、九州の唐津地方などには、玄武岩が小規模なよう岩台地をつくって、広く分布しています。

安山岩

輝石・角閃石・カルシウムやナトリウムの多い、長石・石英などでできている火山岩です。

有色鉱物として、輝石の多いものを輝石安山岩岩、角閃石の多いものを角閃石安山岩といいます。
また、わりあいに石英が多いものを、石英安山岩とよんでいます。

安山岩は、玄武岩に比べて、有色鉱物に割合がやや少ないのでいっぱんに玄武岩よりも、白っぽい色をしています。

我が国の多くの火山をつくっている溶岩はおもに安山岩ですが、それにはつぎのような規則性があります。

千島火山帯・那須火山帯・富士火山帯の前半分(大島火山帯ともよばれ、伊豆七鳥にあたる部分)霧島火山帯(琉球火山ともいう)のようにわりあい太平洋に近い火山帯に属する火山の溶岩はおもに、輝石安山岩や、角閃石にふくまない石英安山岩らからできています。

いっぽう、鳥海火山帯・富士火山帯の北部・乗鞍火山帯・白山火山帯のようにおもに、日本海側の火山帯にぞくする火山の溶岩には輝石安山岩のほかに角閃石安山岩や角閃石をふくむ、石英安山岩もたくさんあります。

流紋岩

石英と、ナトリウム・カリウムを多くふくんだ長石がおもな成分でこのほか、少量の角閃石・黒雲母などをふくむ火山岩です。

流紋岩は、石英蛇紋岩ともいいます。

流紋岩は、有色鉱物の量が少ないので、いっぱんに白っぽい色をしています。

しかし、流紋岩質のマグマが、鉱物の粒ができるまえに急に冷え固まってしまうと、黒色の天然ガラスになります。

これを黒曜石(十勝石)と言います。
また、流紋岩質のマグマが冷え固まるときに、その中にふくまれていた水蒸気が急にふきだすと、非常に穴の多い岩石になります。

これが、浮石(軽石)です。

流紋岩は、我が国の現在の火山からはあまり噴き出していませんが北海道の昭和新山(1944~1945年の噴火)の溶岩や伊豆諸島の明神礁(1952年の噴火)から噴き出した浮石は、これに近いものです。



主な半深成岩

我が国にある主な半深成岩はつぎのようなものです。

輝緑岩

火山岩の玄武岩とその成分は似ていて主に、輝石とカルシウム分の多い長石からできています。

新しいものは黒色ですが、変質して、緑色角閃石やリョクデイ石のできているものは、黒みがかった緑色です。

我が国では、いろいろな地層の中に岩脈や岩床となって産しますが、あまり大きなものはありません。

ヒン岩

成分は、火山岩のうちの安山岩と似ています。

輝石・角閃石・カルシウム分とナトリウム分の多い長石や石英などからできている灰緑色の岩石です。

ヒン岩のうち、輝石の多いものを輝石ヒン岩角閃石の多いものを角閃石ヒン岩と言います。ヒン岩は、ふつう、地下の岩脈としてできます。

セキエイハン岩

成分は、火山岩のリュウモン岩と似ています。

石英、ナトリウムとカリウムの多い長石がおもな成分で少量の角閃石や黒雲母などをふくんでいます。

色は、うすい灰色から、うすい緑灰色をしているものまであります。

岩脈となって産することが多いですがカコウ岩といっしょに、複雑な形で出るともあります。

おもな深成岩

我が国にあるおもな深成岩は、カンラン岩・ハンレイ岩・センリョク岩・カコウ岩の4種です。

カンラン岩

カンラン石とキ石がおもな成分で、黒っぽくて粒の粗い岩石です。
そして、たいていの場合、変質して、蛇紋岩になっています。

蛇紋岩は、おもに蛇紋石でできた岩石です。これは、岩株のような形で産出します。

ハンレイ岩

おもに、輝石とカルシウムを多くふくんだ長石からできていて黒い色をした、粒の粗い岩石です。

成分は玄武岩や輝緑岩と同じです。

カンラン石の多いものを、カンランセキハンレイ岩、角閃石の多いものを角閃石ハンレイ岩と言い、いずれも、たいてい岩株として産出されます。

閃緑岩

輝石、角閃石、カルシウ厶とナトリウムの多い長石、および石英がおもな成分でやや緑色をおびた灰黒色の岩石です。

このうち、わりあいに石英の多いものを、石英閃緑岩といって、区別しています。単独または、カコウ岩といっしょに、岩株状で産出されます。

カコウ岩

石英、ナトリウムとカリウムの多い長石が、おもな成分でカクセン石や雲母を、少しふくんでいます。

ごま塩状の白みがかった岩石ですがときには、うす紅色ないし肉色をしていることがあります(サクラミカゲ)がこれは、長石の色によるものです。

カコウ岩は、ミカゲ石ともいわれ、たいへん種類が多くふくまれている有色鉱物の種類によってそれぞれ、角閃石カコウ岩・黒雲母カコウ岩・白雲母カコウ岩などといわれます。

また、有色鉱物のわりあいに多いものを、カコウセンリョク岩といって区別することもあります。

カコウ岩は、日本のあちこちの山に広く分布しています。




モバイルバージョンを終了