時刻の決め方

私たちは、よく「昨日、10時に寝て、今朝7時に起きたから9時間も寝た」などと言います。

この場合、10時とか、7時とかいうのは時刻で寝たときや、起きたときの瞬間を言っているのです。
これにたいして、9時間というのは、この2つの瞬間のあいだの時の長さのことです。

したがって「いま、時間は何時」ではなく「いま、時刻は何時」というのが正しいのです。

時刻も時間も、時計ではかりますす。
しかし、時計はときどき、ラジオの時報にあわせなければなりません。

それでは、その時報のもとになる時刻はどのようにして決められるのでしょうか。


太陽と時刻

太陽は地球の自転のため毎日東から出て南を通り西に沈むように見えます。

太陽が真南にきて、ふたたび、真南にくるまでのあいだが1日です。
この1日の長さの24分の1を1時間、その60分の1を1分そのまた60分の1を1秒と、細かくわけて、時間が決められています。

ですから、太陽の動きを見れば、時間で時刻を知ることができます。
また、太陽の光がつくる影を見ても、時刻がわかります。

このようにもとめた1日(真太陽日)はくわしくいえば、私たちがふつう使っている1日とは、違うのです。

日時計

棒を立てて、その影の位置をはかれば、時刻がわかります。
けれども、棒を地面に垂直に立てただけでは季節によって、時刻の目盛りをとりかえなければなりません。

1年中、同じ目盛りですませるには、棒を地軸の方向にたてるのです。

それには、まず、地面の上に、正しく南北の方向に線をひきます。
その線の上に棒をおき、棒の北に向いたはしを地面から35度の角度だけ上へ持ち上げて、棒をななめにします。

(35度は東京の緯度)このように、棒と地面との角度がその場所の緯度と同じになるようにすれば棒に地軸の方向に向いたことになります。

この棒に、直角に目盛り板をつけたのが、こま型日時計です。
ほかに水平日時計・垂直日時計などがあります。

真太陽と平均太陽

日時計のように太陽の動きで時刻を決める方法は、たいへん簡単です。
しかし正しい時刻を知るためには、これだけでは、まだ充分とはいえません。

というのは、細かく調べてみると、太陽が日周運動で地球をひとまわりする時間は、1年中同じではないからです。

地球の軌道は完全な円ではなく、それに近い楕円です。

そのため、地球と太陽の距離が近いときには地球から見た太陽の動きは速くなり、遠いときには遅くなります。

また地球の自転の軸が、その公転の面にたいして傾いていることからも、太陽の見かけの動きはかわってきます。

このように速くなったり遅くなったりする太陽の動きをもとにしたのでは、1日の長さが、日によって少しずつ違うことになります。

そこで、本当の太陽の動きとは別に1年中かわらない1日の長さを考えました。
そして1年中、同じ速さで動くように見える太陽を考えたのです。
これを平均太陽といい、それにたいして実際の太陽を真太陽といいます。

平均太陽をもとにして決めた時刻を平均太陽時といい私たちはこれを使っています。
これにたいして、真太陽をもとにして決めた時刻は、真太陽時です。

真太陽時と平均太陽時との違いを、均時差といいます。



恒星と時刻

私たちは、平均太陽によって、時刻を定めることができます。

けれども平均太陽は、時刻を定める上に仮に考えておいたものですから、その南中するのを実際にはかることはできません。

正しく時刻を決めるには、太陽のかわりに数個の標準星といかれる恒星を決めておいてその南中する時刻をはかり、それから計算によってそのときの平均太陽時刻をもとめるのです。

恒星の日周運動も、地球の自転のためですから、その動きは正確です。

恒星は望遠鏡で見ても、小さな点にしか見えず位置が決めやすく、そのうえ風のない、静かな夜に観測するので太陽の場合よりも、ずっとよい結果が得られます。

恒星時

このように標準星は、くりのない時刻をしめします。

しかし、恒星のしめす1日は、地球の公転のため平均太陽のしめす1日より、ごくわずか短いのです。

この時刻は、そのまま使うと、私たちの生活に不便なのでいつも平均太陽時に計算し直さなければなりません。

恒星のしめす時刻を恒星時といい春分点が南中するときを0時としています。

恒星時で数えると、1年は366日です。