風向とは? 風向計とは? わかりやすく解説!

風向と風速

学校の教室や自分の家の窓から見える煙突の煙を観察して風の吹き方に注意してみましょう。

時刻によって、また、日によって、風の吹いてくる方向がいろいろとかわることに気がつきます。

風のないときには、煙はまっすぐに上へのぼります。


煙突は、ふつう屋根の上に高くつき出ていてまわりに邪魔するものがないので、自然のままの風の様子をあらわしています。

山の斜面や崖のふちや、また、ビルの屋上などでは風が下から上へ吹上たり、反対に上から下へ吹き下ろしたりします。

地形や建物の影響のないような広い原っぱや、上空では、風は水平に吹きます。

気象の観測では、地形や建物の影響のないような位置で自然のままの風の吹いてくる方向や、その速さをはかりこれをその地域の代表的な風向・風速とみなしています。

そして、天気予報に利用したり、また風についての、いろいろの調べをおこなったりします。

地形や建物の影響を受けた、ありのままの風の吹き方を知ることも大切です。
そのためには、町の中の家の建てこんだところで、風がどのように吹いているかまた、丘や谷で、風がどのように吹いているのかを調べます。

そうすると、たとえば、火災のときの火の伝わり方や工場の煙突から出る、有害なガスの流れかたなどを知ることができ、たいへん役立ちます。

このような場合には、風向や風速をはかるためにふつうの器械だけでなく、いろいろかわった器械や、方法が工夫されています。

風向

風の吹いてくる方向を、風向といいます。
北から吹いてくる風は北風、南から吹いてくる風は南風です。

風向は、ふつう8つの方向にわけて観測します。
8つの方向というのは、北・東・南・西の4つの方向と北東・南東・南西・北西の4つの方向です。

これを八方位といいます。

風向はまた、図のように、十六方位であらわすこともあります。

風向を観測して、ノートに書きこむときは北をN、南をSというように、記号を使うと便利です。

風向を観測するかんたんな方法は吹き流しをつくって、そのなびく方向をみることです。
なびく反対の方向が風向になります。
風向が見やすいように棒の下のほうに方位を書いた板をつけておくと便利です。

たき火の煙りや、煙突から出る煙りは空気の動くままに流れますからこれを観察して、風向を知ることもできます。

ただ、この場合に遠くから煙突の煙りを見ていると煙突の右か左かに流れている子とはわかりますが自分のほうに流れているのか、むこうのほうへ流れているのか、区別がつきません。

ですから、煙突の煙りで、風向を見るときにはなるべく煙突のすぐ下から見るように注意しなければなりません。



風向計

かんたんに風向を観測するには、風向計を屋根の上に立てて観測します。
風向計の心棒は、そのまま屋根を貫いて、下の観測室の天井まできています。

天井には、風向板がとりつけてあって、心棒についた指針が風向計と同じ方向を指すようになっています。
こうすれば、観測室で風向を知ることができるわけです。

風の強い日には、風向計の矢羽は、じっと止まっていることはなくあっちへ向いたり、こっちへ向いたりして、動いているのがふつうです。

このように、風向計がふれるのは、風が休みなく方向をかえるからです。
このようなときには、およそ、1分間ぐらいじっと風向計の動きを見ていてその動きの、ちょうど中心と思われる方向を、そのときの風向きとします。

たとえば、9時の風向きを観測しようとするときには9時前後におよそ1分間、風向計の動きを見ています。

風向計が北をはさんで、北北東と北北西のあいだをいったリきたりしているときにはその真ん中をとって北風とするのです。

気象台では、電気を利用して測風塔にある風向計の動きを離れた室内で記録する装置を用いています。




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