楽音と非楽音
ピアノやトランペットのような楽器の出す音は決まった調子を持っていて聞いていて快いものです。
このような音を、楽音と言います。
これにたいして、自動車や電車動いているときに出すような音は決まった調子がなく、すんだ音ではありません。
そこで、このような音を非音楽と言います。
楽音には高さ・強さ・音色の違いがあってこの3つの要素が楽音を聞きわける大切な性質になっています。
そこでこれを音の三要素と言います。
音の高さ
高い音と低い音
ピアノやオルガンでは、鍵盤によって、出る音が違います。
右のほうの鍵盤の出す音を高い音、片のほうの鍵盤の出す音を低い音と言います。
このような音の高さの違いかできるわけは、つぎのような実験で調べることかできます。
音の高さと振動数
モーターを使って音を出させる実験から、モーターの回転が速いときははがきの振動数が大きくなり、振動数の大きい音がでます。
この振動数の大きい背が高い音です。
反対に、モーターの回転が遅いときは振動数の小さい、低い音がでます。
ところで、音の速さが一定のとき、音の振動数と波長は反比例するので振動数が大きいと波長は短く、振動数が小さいと波長は長くなります。
そのため、波長の短い音は高い音、波長の長い音は低い音として聞こえると言うこともできます。
これらのことを図にあらわすと、図のようになります。
ただし、この図は、密の部分を山、疎の部分を谷にして音波の形のうえで横波に直して書いてあります。
音の強さ
大きい音と小さい音
ハーモニカを強く吹いたときと、弱く吹いたときとでは、音が違います。
強く吹いたときに出る音を強い音、弱く吹いたときにでる音を弱い音と言います。
ふつうは、大きい音は強い音、小さい音は弱い音とも言いますが厳密に言うと音の大きさと強さとは、同じものではありません。
音の大きさは、耳に感じる感覚をあらわすものですが音の強さとは音波のエネルギーで測られるものです。
同じ発音体から出る音では、強い音は大きい音として聞こえます。
このような、音の強さと大きさの関係は他の場合でもだいたい成り立ちます。
音の強さと振幅
同じ発音体から出る音では、音の強さは音の振幅で決まります。
振幅が大きい音では、密の部分と疎の部分の空気の濃さの違いが、大きくなっています。
振幅が小さい音では、その違いが小さくなっています。
デシベルとホン
音の強さの段階をあらわすには、デシベルが使われます。
音のエネルギーが10倍、100倍、1000倍というふうに大きくなると私たちの耳には音の強さが、2倍、3倍、4倍というふうに段階的に大きくなったように聞こえます。
そこで、耳に聞こえる、もっとも弱い音のエネルギーを基準にして、その10倍、100倍、1000倍のエネルギーの音を、レベル(段階)が10、20、30デシベルであると約束します。
このように、音の強さのレベルをデシベルであらわすとだいたい音の大きさに比例しますが、私たちの聴覚はたいへん複雑なのでこの比例関係が常に成り立つものではありません。
音の大きさの単位には、ホンが使われます。
これは、振動数が1000ヘルツの音を基準にしています。
たとえば、ある音が、振動数が1000ヘルツで強さのレベルが50デシベルの音と等しい大きさに聞こえるならばその音の大きさを50ホンであると約束します
音色
ピアノやオルガン・クラリネット・バイオリンなどの楽器から出る音は高さと大きさをどんなに加減しても、同じ音に聞こえることはありません。
また、私たちの声も、人によってずいぶん違っています。
このように音が違って聞こえるのは、音に音色の違いがあるからです。
音色と波形
音は、空気の疎密波ですから、音の通り道の、ある一部分を考えるとその部分の空気の濃さが、周期的に変化します。
空気が濃いと圧力が高く、空気がうすいと圧力が低くなるから圧力も周期的に変化します。
この圧力の変化を、ブラウン管オシロスコープで観察するとブラウン管に波の形があらわれます。
この波の形は、圧力が時間が経つにつれてどのように変化するかをあらわしていますがまた、空父の振動しているありさまをあらわしているとも言えます。
これを、音の波形といいます。
いろいろな楽器の作目や人の声を、オシロスコープで観察するといろいろな波形が見られます。
これは、多くの場合、大きい波と小さい波が重なりあって複雑な波形をつくっていることがわかります。
私たちの耳では、波形を知ることはできませんがこの波形の違いを、音色の違いとして聞きわけています。
発合体の合色の違い
音色の違いは、波形の違いによって起こりますが波形の違いは発音体の種類によって、その振動のしかたが違うために起こります。
2本の釘の間に弦をはって、弦の中央をもちあげて弾くと全体を1つの区間とする振動が起こります。
この振動を、基本振動と言います(図①)。
つぎに、弦の中央をかるく抑えて、はしから、弦の長さの4分の1の点を弾くと全体を2つの区間とする振動が起こります(図②)。
また、弦のはしから、弦の長さの3分の1の点をかるくおさえてはしから弦の長さの6分の1の点を弾くと全体を3つの区間とする振動が起こります(図③)。
そこで、これらの振動を、倍振動と言います。
倍振動の振動数は、それぞれ基本振動の振動数の、2倍、3倍、4倍……となっています。
基本振動による音を基本音、倍振動による音を倍音と言います。
ところで、弦のある一点を弾いたときには、基本振動と倍振動とが同時に起こります。
したがって、基本音と倍音が同時に生じます。
このことは、他の発音体についても成り立ちます。
しかし、発音体によって、どの倍振動が、どんな強さで起こるかが違います。
したがって、倍音のふくまれかたが違ってきます。
これが、音色の違いになるのです。