うなりとは?うなりの起こるわけとは? わかりやすく解説!

うなり

寺院などにあるつり鐘の音は、ゴーンとなってからウォーン、ウォーンと続いて鳴ります。

これが、うなりです。

うなりは、音の大きさが周期的にかわるために起こります。


実験

振動数の同じ音叉を、2つ用意します。1つの音叉には、針金をまきつけます。

これは、その音叉に重りをつけて振動数をもう1つの音叉より少しだけ小さくするためです。

これらの音叉を、1つずつ鳴らしてみるとほとんど同じ高さの音がでて、時間が経つと、しだいに音が小さくなります。

しかし、2つの音叉を同時に鳴らしてみると音の高さは、1つの音叉を鳴らしたときとあまりかわりませんが音の大きさが、周期的に大きくなったり小さくなったりします。

すなわち、うなりが聞こえます。

音が1秒間に何回大きくなるか、または何回小さくなるかを、うなりの回数と言います。
針金を音叉のえの近くにまくと、うなりの回数は小さく、音叉の先のほうにまくとうなりの回数は大きくなります。

このことから、音叉の振動数のちがいが大きいほどうなりの回数が大きいことがわかります。

うなりの起こるわけ

腕時計を耳に近づけるとチックタックと規則正しい時を刻む音が聞こえます。
2つの違った腕時計のだす、このような音をいっしょに聞くと時間が経つにつれて2つの音は重なって、やがてずれてふたたび重なるということをくりかえします。

これは、2つの腕時計の、時間を刻む振動の振動数が少し違うことによって起こっているのです。

これと同じように、振動数のわずかにちがう2つの音を同時に聞くと2つの音の疎密が重なって、やがてずれて、また重なるということをくりかえすのです。

2つの音の疎密が重なるときは互いに強めあって大きな音になり疎密がずれているときは、互いに弱めあって小さい音になります。

こうして音の大きさが周期的にかわるようになります。

寺院などのつり鐘の音のように、発音体が1つなのにうなりを生じるのはつり鐘の厚さが、ところによっていくらか違うため振動数の違ういくつかの音が、同時に出るからだと考えられます。

うなりの回数

1秒間に聞こえるうなりの回数は同時に聞こえる音の振動数の違いと同じになります。

たとえば、振動数が440ヘルツの音叉と、435ヘルツの音叉を鳴らせば1秒間に5回のうなりが聞こえます。




共鳴とは?共振とは? わかりやすく解説!

共振

人が乗っているブランコをふらせるとき、ブランコが前に揺れるたびに押してやると、ブランコは、しだいに大きく揺れるようになります。

つまり、ブランコの振動数と、ブランコを押す回数が同じになったときにブランコは大きく揺れるようになります。

また、谷川にかかっているつり橋をわたるときつり橋のゆれに歩調をあわせるとつり橋のゆれが大きくなって、危険になります。

これも、ブランコを押して、ゆれを大きくしたのと同じことです。

このように、ブランコやつり橋のゆれが大きくなるときブランコやつり橋が、動かす力と共振したと言います。


実験

糸に重りをつるした、2つのふりこを用意します。
そのふりこを水平にはった糸に、少しはなしてかけます。

ふりこの糸の長さをいろいろかえて、いっぽうのふりこを振動させるともういっぽうのふりこがどうなるかを調べてみましょう。

ふりこの糸の長さが同じときは、いっぽうのふりこを振動させるとやがて、もういっぽうのふりこが振動をはじめ、しだいにふれが大きくなります。

しかし、ふりこの糸の長さが違うときには、いっぽうのふりこだけが振動を続けます。

このような2つのふりこの動きは、つぎのようにして起こります。

ふりこの振動数は、ふりこの糸の長さできまるので糸の長さが同じときは、2つのふりこの振動数は同じです。

そこで、振動しているいっぽうのふりこは、水平にはった糸を通してもういっぽうのふりこを、同じ振動数の力でゆらせるので、共振が起こります。

また、糸の長さが違えば、振動数も違うので、共振は起こりません。

共鳴

共振は共鳴とも言いますが、音のときには、とくに共鳴と言います。

たとえば浴室のようなせまい部屋で歌を歌うと、たいへんよい声に聞こえます。

このとき、よく注意して聞くと声がある高さになると急に大きな声になって聞こえることがあります。

このとき、共鳴が起こっていると言います。



実験1

図のように、ビーカー・メスシリンダー・ゴム管・音叉を用意します。

ゴム管をサイホンにして、ビーカーの水をメスシリンダーに少しずつ入れながら音叉をならし、メスシリンダーに近づけます。

メスシリンダーの中の水が、ある深さになったとき、音が大きくなることがわかります。
これは、メスシリンダーの中の空気が、音叉からでる音に共鳴したために起こります。

メスシリンダーの中の気柱は、1つの振動体になっていて長さにより決まった振動数をもっています。

そのため、水を入れると、気柱の長さがかわるので、その振動数もかわります。

また、音叉からは、決まった振動数の音がでているのでメスシリンダーの中の気柱の振動数が、音叉の振動数と等しくなったとき共鳴が起こります。

実験2

振動数の等しい、2つの音叉を用意します。

共鳴箱の口を向い合せておき、いっぽうの音叉を鳴らして少し経ってからその音叉を手で抑えてみるともういっぽうの音叉が鳴っているのがわかります。

これは、もういっぽうの音叉が、共鳴して鳴りだしたために起こります。




音の屈折・音の回折・音の干渉とは? わかりやすく解説!

音の屈折

海辺で、岸に打ち寄せてくる波を見るとどの波も、波の山をつらねた線が、岸に平行になっています。

ところが、沖のほうでは、必ずしも平行ではありません。
したがって、波が曲がって進んできたことになります。

これは、波が深いところでは速く、浅いところでは遅く伝わることによって起こります。

このように、波の伝わる速さが場所によって異なるため波の進行方向が曲がることを、波の屈折と言います。

水面の波と同じように、音も屈折します。
夜は、遠くのほうからの音がよく聞こえますが、昼間は、あまり聞こえません。

この違いには、いろいろな原因がありますが、1つには、音が屈折するからです。

昼間は、日光が地面にあたって、地面をあたためます。
続いて、あたたまった地面がその上の空気をあたためます。
そのため、気温は上空ほど低く、地面に近いほど高くなっています。

音は、温度が高いほど速く進みますから、発音体からでた音は下にふくれた球の面のように広がっていきます。

音の進む方向は、この面に垂直ですから、図のように地面からそれて、上に曲がることになります。

そのため、音は遠くに届きません。

反対に夜には、地面が先に冷えるため上空ほど気温が高く地面に近いほど気温が低くなっています。

そのため、発音体からでた音は、上にふくれた球面のように広がり音は地面にむかって進むので、遠くまで届きます。

水面の波や音は、少しずつ連続的な屈折をするだけでなく球に不連続な屈折もします。


音の回折

つい立の後ろにいる人の姿は見えませんが、その人の話す声はよく聞こえます。
また、学佼の音楽室のようなところで、戸やまどが少しあいているとピアノの音が大きく聞こえます。

これは、音が波であるため、音の通り道に物体があってもその後ろにまわりこんで伝わるためです。

この現象を、音の回折といいます。水面に起こる波も、回折します。

実験

図のように、底の平らな水槽に、少し水を入れます。
ものさしを水に入れて、水平方向に往復運動させると、平行にならんだ波ができます。

この波の中に、木片を入れて波をさえぎっても木片のうしろに波がきていることがわかります。

往復運動の速さをかえると、生じる波の波長がかわります。
波長が長いと波は木片のうしろへよくまわりますが波長が短いと、あまりまわりません。



音の干渉

右の図のように、2つの同じスピーカーから大きさと高さの等しい音がでているときスピーカーのまえで、位置をかえながら音を聞いてみます。

すると、音が大きくなる位置と、小さくなる位置があります。

音が大きくなる位置(図のP点)ではスピーカーか2つにすると、音は小さくなります。
音が小さくなる位置(図のQ点)ではスピーカーを1つにすると、音は大きくなります。

このことから、2つのスピーカーからでる音が、互いに強めあうような位置では音が大きく聞こえ互いに弱めあうような位置では音が小さく聞こえるということになります。

また、音が強めあう位置では、2つの音の疎密は一致していますが弱めあう位置では、いっぽうの音が疎ならもういっぽうの音は密になっているというふうに、疎・密がずれています。

このように、2つの音が、互いに強めあったり弱めあったりする現象を、音の干渉といいます。

実験

音叉を鳴らして、耳の近くでえのまわりにまわすと音が大きくなったり、小さくなったりします。

1回まわすあいだに、4回音が小さくなります。

これは、音叉の振動する鉄片をむすぶ方向と、それに内角な方向とでは音叉から出ていく音の疎・密がずれているため2つの方向に伝わる音が重なるところで、互いに弱めあうためです。

音は互いに強めあったり、弱めあったりするので性質の等しい2つの音を同時に聞くと1つの音を聞くときより大きく聞こえることもあり、小さく聞こえることもあります。

ところで、音の干渉が起こっているときは発音体からでる音は空気中をどんな方向に伝わるのでしょうか。

発音体が1つのときは、音は周囲にいちように伝わりますが2つのときは、干渉が起こるので方向によって、違った強さで伝わります。

右の図は、2つの発音体から出る音の、干渉の一例を、平面的にあらわしたものです。

図の左右の方向では、音が強めあっています。音は、この方向に伝わっていきます。




音の伝わり方と音の反射とは? わかりやすく解説!

音の伝わり方

音は空気の疎密波なので音の空気中での伝わり方はすべての波の伝わりと同じ性質のものです。


まっすぐ進み音

水面に小石をおかすと、そこを中心として、波紋が同心円となって広がっていきます。
これと同じように、発音体から出た音は、いちような空気中では発音体を中心として球面となって広がっていきます。

この球面に垂直な方向が、音の伝わる方向とよばれるものです。
この方向は、発音体からひいた直線の方向になっているので音は、発音体からまっすぐに進みます。

このような音の伝わり方を、音の直進と言います。

音の反射

音は、いちような空気中では直進しますが物体の表面にあたると、進む方向がかわります。

これを、音の反射と言います。

山彦

山へ行ったとき「ヤッホー」と叫ぶと、しばらくしてからだいぶ小さな音になっていますが「ヤッホー」となんども聞こえてくることがあります。

それが、山びこです。

私たちが叫んだ音が、むこうのいくつかの山で反射されて、聞こえてくるのです。
近くの壁のようなものでも音は反射しますが、山びこにはなりません。

これは、直接耳に入る音と、反射してから耳に入る音とがほとんど同時に聞こえるので、聞きわけることができないためです。

山びこでは、音は発音体の位置へもどってきたことになりますがこのことだけでは、反射によって音の進む方向がどのようにかわったかをくわしく知ることはできません。



実験

太いメスシリンダーの底に腕時計を入れます。
そのメスシリンダーの真上や、横に耳を近づけて、時計の音を聞いてみましょう。

時計の音は、メスシリソダーの真上でいちばん大きく聞こえ、横では、小さく聞こえます。

このことから、音はメスシリンダーの口の方向にいちばん強く出ていることがわかります。

耳を横において、図のように、メスシリンダーの上に板をおくと時計の音がはっきり聞こえます。

板の傾きをいろいろとかえると、時計の音の大きさがかわります。
このとき、板がおよそ45度傾いているときに、いちばん大きく聞こえます。

このとき、図のiとrの角がともに45度くらいで等しくなっています。
角iを入射角、角rを反射角と言い、入射角と反射角は等しくなります。

反響と残響

地下鉄の駅やトンネルの中のようにまわりがコンクリートなどの硬いものでかこまれているところで音を出すとその音が、ワーンと長く響きます。

これは、まわりの壁で反射された音(反響)が、いくえにも重なるからです。
このような現象を、残響といいます。

残響があまり長いと、言葉の区切りがはっきりしなくなり言葉が聞き取りにくくなります。

しかし、適度の残響は、音にうるおいをあたえ、かえってよいはたらきをします。
音楽会などを開くホールでは、適度の残響を残すように壁や天井などに工夫がしてあります。




音の三要素とは?音の高さ・強さ・音色とは? わかりやすく解説!

楽音と非楽音

ピアノやトランペットのような楽器の出す音は決まった調子を持っていて聞いていて快いものです。

このような音を、楽音と言います。

これにたいして、自動車や電車動いているときに出すような音は決まった調子がなく、すんだ音ではありません。

そこで、このような音を非音楽と言います。

楽音には高さ・強さ・音色の違いがあってこの3つの要素が楽音を聞きわける大切な性質になっています。

そこでこれを音の三要素と言います。


音の高さ

高い音と低い音

ピアノやオルガンでは、鍵盤によって、出る音が違います。
右のほうの鍵盤の出す音を高い音、片のほうの鍵盤の出す音を低い音と言います。
このような音の高さの違いかできるわけは、つぎのような実験で調べることかできます。

音の高さと振動数

モーターを使って音を出させる実験から、モーターの回転が速いときははがきの振動数が大きくなり、振動数の大きい音がでます。

この振動数の大きい背が高い音です。
反対に、モーターの回転が遅いときは振動数の小さい、低い音がでます。

ところで、音の速さが一定のとき、音の振動数と波長は反比例するので振動数が大きいと波長は短く、振動数が小さいと波長は長くなります。

そのため、波長の短い音は高い音、波長の長い音は低い音として聞こえると言うこともできます。

これらのことを図にあらわすと、図のようになります。

ただし、この図は、密の部分を山、疎の部分を谷にして音波の形のうえで横波に直して書いてあります。

音の強さ

大きい音と小さい音

ハーモニカを強く吹いたときと、弱く吹いたときとでは、音が違います。
強く吹いたときに出る音を強い音、弱く吹いたときにでる音を弱い音と言います。

ふつうは、大きい音は強い音、小さい音は弱い音とも言いますが厳密に言うと音の大きさと強さとは、同じものではありません。

音の大きさは、耳に感じる感覚をあらわすものですが音の強さとは音波のエネルギーで測られるものです。

同じ発音体から出る音では、強い音は大きい音として聞こえます。
このような、音の強さと大きさの関係は他の場合でもだいたい成り立ちます。

音の強さと振幅

同じ発音体から出る音では、音の強さは音の振幅で決まります。
振幅が大きい音では、密の部分と疎の部分の空気の濃さの違いが、大きくなっています。

振幅が小さい音では、その違いが小さくなっています。

デシベルとホン

音の強さの段階をあらわすには、デシベルが使われます。

音のエネルギーが10倍、100倍、1000倍というふうに大きくなると私たちの耳には音の強さが、2倍、3倍、4倍というふうに段階的に大きくなったように聞こえます。

そこで、耳に聞こえる、もっとも弱い音のエネルギーを基準にして、その10倍、100倍、1000倍のエネルギーの音を、レベル(段階)が10、20、30デシベルであると約束します。

このように、音の強さのレベルをデシベルであらわすとだいたい音の大きさに比例しますが、私たちの聴覚はたいへん複雑なのでこの比例関係が常に成り立つものではありません。

音の大きさの単位には、ホンが使われます。
これは、振動数が1000ヘルツの音を基準にしています。

たとえば、ある音が、振動数が1000ヘルツで強さのレベルが50デシベルの音と等しい大きさに聞こえるならばその音の大きさを50ホンであると約束します



音色

ピアノやオルガン・クラリネット・バイオリンなどの楽器から出る音は高さと大きさをどんなに加減しても、同じ音に聞こえることはありません。

また、私たちの声も、人によってずいぶん違っています。
このように音が違って聞こえるのは、音に音色の違いがあるからです。

音色と波形

音は、空気の疎密波ですから、音の通り道の、ある一部分を考えるとその部分の空気の濃さが、周期的に変化します。
空気が濃いと圧力が高く、空気がうすいと圧力が低くなるから圧力も周期的に変化します。

この圧力の変化を、ブラウン管オシロスコープで観察するとブラウン管に波の形があらわれます。

この波の形は、圧力が時間が経つにつれてどのように変化するかをあらわしていますがまた、空父の振動しているありさまをあらわしているとも言えます。

これを、音の波形といいます。

いろいろな楽器の作目や人の声を、オシロスコープで観察するといろいろな波形が見られます。

これは、多くの場合、大きい波と小さい波が重なりあって複雑な波形をつくっていることがわかります。

私たちの耳では、波形を知ることはできませんがこの波形の違いを、音色の違いとして聞きわけています。

発合体の合色の違い

音色の違いは、波形の違いによって起こりますが波形の違いは発音体の種類によって、その振動のしかたが違うために起こります。

2本の釘の間に弦をはって、弦の中央をもちあげて弾くと全体を1つの区間とする振動が起こります。

この振動を、基本振動と言います(図①)。

つぎに、弦の中央をかるく抑えて、はしから、弦の長さの4分の1の点を弾くと全体を2つの区間とする振動が起こります(図②)。

また、弦のはしから、弦の長さの3分の1の点をかるくおさえてはしから弦の長さの6分の1の点を弾くと全体を3つの区間とする振動が起こります(図③)。

そこで、これらの振動を、倍振動と言います。
倍振動の振動数は、それぞれ基本振動の振動数の、2倍、3倍、4倍……となっています。

基本振動による音を基本音、倍振動による音を倍音と言います。

ところで、弦のある一点を弾いたときには、基本振動と倍振動とが同時に起こります。

したがって、基本音と倍音が同時に生じます。

このことは、他の発音体についても成り立ちます。
しかし、発音体によって、どの倍振動が、どんな強さで起こるかが違います。

したがって、倍音のふくまれかたが違ってきます。
これが、音色の違いになるのです。




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