温度

私たちは「今日暑い」「今日は寒い」などと言います。
また、物に触ったり、食物を食べるとき、あたたかい、ぬるい、冷たいと感じます。

あたたかいとか冷たいということは、私たちが体の全体や一部分で物のあたたかさの程度を感じて、それを言いあらわしているのです。

物のあたたかさや冷たさの程度のことを温度と言います。

そこで、温度は、高い低いといいますが、温度が多いとか少ないとはいいません。
また、物の温度は、物が大きいとか小さいということとは、関係がありません。

たとえば、風呂の湯の温度も、茶碗1杯の湯の温度と同じこともあれば茶腕1杯の湯の温度のほうが高いこともあります。

甘さとか、硬さのように程度のあらわし方にはいろいろのものがありますが温度もこのような程度のあらわし方の1つです。


風邪の熱

風邪をひいたとき、よく熱があると言います。
そして、額に手を当てて、熱があるかなにかを調べたり体温計で体温を測って、熱が38度もあるなどと言います。

しかし、よく考えてみると熱があるというのは体の温度が健康なときの体温(平熱)よりも高いということです。

ここで言っている熱という言葉は、本当は、温度のことを言っているのです。
このように温度と熱がいっしょにされていることがよくありますが正しいこととは言えません。

熱の量

やかん1杯の水を沸き立たせるには長い時間、強い火にかけねばなりませんが試験竹の水を沸き立たせるのにはアルコールランプでも、それほど時問はかかりません。

このように、やかん1杯の水と試験管の水とでは沸き立たせるのに必要な熱の量が違うのです。

温度の変化と熱

コップに水を3/4ほど入れておき沸き立った水が入っている試験管をコップの水につけ、かきまわします。
すると試験管の水は冷えてきて、コップの水の温度は少し上がります。

コップの水の温度が上がったのは、試験管の水の熱で、コップの中の水を熱したのです。
また試験管の湯が冷めたのは湯から熱が外に出てその熱はおもにコップの水をあたためるのに使われたのです。

熱は、物を熱したり、冷やしたりする働きをするので物が多ければ温度を上げるためには、たくさんの熱がいります。

反対に、温度を下げるには、たくさんの熱を取り去らなければなりません。



熱と温度の違い

熱と温度との関係は、砂糖水の砂糖の量と甘さとの関係に似ています。
つまり、甘いということと砂糖の分量とが温度の高さと熱の量という関係に似ているわけです。

温度はあたたかさの程度ですから多いとか少ないということはありませんが熱はたくさんいるとか、少しでよいとかいいます。

熱には分量がありますが、温度には分量がないのです。
熱と温度の違いはコップと試験管に水を入れたときの水の量と水の高さとの違いにも似ています。

つまり同じ量の水をコップに入れたときと試験管に入れたときとでは水の高さが違いますが、同じ量の熱で、やかん1杯の水を熱したときと試験管の水を熱したときとでは、温度の上がり方が違います。

温度の決め方

私たちが手で物に触って、熱いとか冷たいとかいうのも、1つの温度の決め方です。

しかし、このような決め力では手で触れないほど熱いものや冷たいものの温度はわかりません。

また、人によっても、熱い冷たいなどの感じ方は違っています。

冬、着物をたくさん着ていても寒がる人もあれば、あまり着なくても平気な人もいます。
それに、私たちの感じは、あまり正確なものではありません。

たとえば、井戸水は夏は冷たく冬はあたたかく感じますが暑い夏に井戸水が冷えて、寒い冬にあたたかくなるのではありません。

本当は、井戸水の温度は、夏も冬もあまりかわっていないのですが外の温度とくらべて、夏は冷たく、冬はあたたかく感じるだけです。

このような、私たちの感じに頼らないで、同じ温度の物はいつ誰が測っても、同じことがわかるようにしなければなりません。

そして、重さを測りで測ったり、長さをものさしで測ったりするように温度も、測ることができれば便利です。

そして、このような目的でつくられたものが、温度計なのです。