アルミニウムの取り出し方とは? わかりやすく解説!

アルミニウムの鉱石

アルミニウムは、岩石や土の成分として地球上に広く存在しています。
地表から深さ約16キロメートルまでにある物質のうち約7.5パーセントはアルミニウムですが、単体として存在することはなくほとんど化合物になっています。


たとえば、造岩鉱物のうち正長石はアルミニウム・カリウム・ケイ素・酸素の化合物ですし斜長石は、正長石中のカリウムがナトリウムと入れかわった成分をもっています。

このほか、陶土や粘土もケイ酸アルミニウムというアルミニウムの化合物でできています。

このように、化合物として地球上のいたるところで見られるものですがアルミニウムの鉱石の種類は、非常に少なくふつう利用されているのは酸化アルミニウムを主成分とするボーキサイトです。

アルミニウムの製法

アルミニウムが大量に生産され、利用されるようになったのは銅や鉄にくらべるとずっと遅く19世紀末からのことです。

それは、アルミニウムは、酸素と化合する性質が非常に強く、還元されにくいためです。つまり、鉄や銅などの重金属にくらべると、イオン化傾向が大きいのです。

そのために、アルミニウムの場合には、酸化物を炭素とまぜて熱しただけでは銅や鉄のように、金属だけが単体となって分かれにくいのです。

アルミニウムの製造には、アメリカのホールとフランスのエルーが、1886年にそれぞれ別々に発明した、つぎの方法が使われています。

まず、ボーキサイトから純粋な酸化アルミニウム(アルミナ)をつくります。
酸化アルミニウムは、それだけでは融解しにくいのですが氷晶石とともに高温にすると、溶けやすくなる性質をもっています。



つぎに、この溶けた酸化アルミニウムを電気分解して、アルミニウムをつくります。

酸化アルミニウムの電気分解には、右の図のような電解槽を使います。
電解槽の内側には、炭素がはってあって、この炭素が陰極になっています。

陽極には、別の炭素棒を使います。

また、電解槽は、電気炉にもなっていて、これに氷晶石を入れ電流を通すと氷晶石が電気の抵抗体となって、そのためにでる電熱で溶けます。

これに酸化アルミニウムをくわえると、溶けて電気分解をうけ陰極に溶けたアルミニウムがたまります。

陽極には酸素が発生しますが、これはただちに陽極になっている炭素と化合して一酸化炭素にかわります。

陽極の炭素棒は、このように酸素と化合するため、だんだん減っていきます。

それで、陽極を補充して電解をつづけなければなりません。



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