アルミニウム合金と軽合金とは? わかりやすく解説!

アルミニウムやマグネシウムなどの金属の合金をはじめ比重が2.5~3.5ぐらいの合金を軽合金といいます。

ここでは、アルミニウムの合金やそのほかの軽合金についてその性質や用途を調べてみましょう。

アルミ金

アルミニウムと銅の合金で、銅に5~12パーセントのアルミニウムをふくむ合金です。
アルミ金は黄色のつやがあり、金の色によく似ています。

おかされにくく、粘り強いのでスプリング・ねじ・機械部品として使われます。
また、海水につけておいても、あまり変化しないので海水中で使用する器具、たとえば船のスクリューの軸などに利用されています。

ジュラルミン

アルミニウムと銅マンガン・マグネシウムなどの合金で銅・マンガン・マグネシウムを、おのおの0.5~1.0パーセントずつふくんでいます。

比重は2.85で非常に軽く、焼き入れをするとかたさと強さが非常に大きくなります。

ジュラルミンの焼き入れは、500℃ぐらいに熱し水中で急に冷やしておこないます。
これを、室温で数日間ほうっておくと、さらに硬さがまします。

ジュラルミンは、板や棒にして飛行機や自動車に使われています。

エレクトロン

マグネシウムとアルミニウム・亜鉛マンガンなどの合金でアルミニウム0.5パーセント、亜鉛0.3パーセント、マンガン1パーセントぐらいをふくみます。

エレクトロンは、ジュラルミンなどのアルミニウム合金よりも軽く、比重は1.8です。
また、非常に強いので飛行機・自動車に使われるほかいろいろな精密器械類の製作にも使われています。

マグネシウムを主成分とする比重のごく小さい合金の全体をエレクトロンということもあります。



アルミニウムの性質と用途とは? わかりやすく解説!

アルミニウムの性質

アルミニウムは銀白色のつやのある、軽くてやわらかい金属です。
また、電気平熱をよくみちびき、展性・延性にとんでいます。

また、アルミニウムは、塩酸に溶けて水素を発生し、塩化アルミニウムになります。
塩基にも溶ける性質があり、たとえば水酸化ナトリウムなどには水素を発生して溶け、アルミン酸ナトリウムとなります。

このことは、アルミニウムが
金属と非金属の両方の性質をもっていることをしめしています。

アルミニウムが塩酸と反応する場合は陽イオンとなって溶けています。
つまり金属の性質をしめしているわけです。

ところが、水酸化ナトリウムのような塩基と反応する場合はナトリウムと結合したアルミン酸ナトリウムがえられます。

つまり、非金属の性質をあらわしています。
このように、酸や塩基との反応で金属と非金属の性質をもっている元素がいくつかあります。

アルミニウムは、希硫酸には水素を発生して溶けますが濃硫酸には、二酸化硫黄を発生して溶けます。
しかし、濃硝酸には溶けません。

これはアルミニウムを濃硝酸につけると表面が酸化されて酸化アルミニウムとなり、内部を保護するため溶けなくなるのです。


アルミニウムのさび

アルミニウムは長いあいだ空気中にほうっておいても表面が少しくもるだけで、鉄のようなひどいさび方をしません。

このくもりは、アルミニウムのさびにあたる酸化アルミニウムで透き通ったうすいまくになっています。

アルミニウムがあまりさびないのは、この酸化アルミニウムがアルミニウムの表面をおおって、内部を保護しているからです。

アルマイト

アルミニウムの表面に、酸化アルミニウムのうすいまくをつくり酸や塩基におかされにくいように加工した物を、アルマイトといいます。

硫酸やシュウ酸などのうすい溶液の中でアルミニウムの板を陽極として電気器具などをつくるのに使われます。

また、いろいろな合金をつくり、飛行機や電車などに使われたり機械類に利用されたりしています。

また、展性や延性にとむので、アルミ線やアルミ箔としても利用されます。
たとえば、写真のフラッシュランプの中にはアルミ線が封じこまれていますしチョコレートや煙草のつつみ紙には、アルミ箔が使われています。



アルミニウムの取り出し方とは? わかりやすく解説!

アルミニウムの鉱石

アルミニウムは、岩石や土の成分として地球上に広く存在しています。
地表から深さ約16キロメートルまでにある物質のうち約7.5パーセントはアルミニウムですが、単体として存在することはなくほとんど化合物になっています。


たとえば、造岩鉱物のうち正長石はアルミニウム・カリウム・ケイ素・酸素の化合物ですし斜長石は、正長石中のカリウムがナトリウムと入れかわった成分をもっています。

このほか、陶土や粘土もケイ酸アルミニウムというアルミニウムの化合物でできています。

このように、化合物として地球上のいたるところで見られるものですがアルミニウムの鉱石の種類は、非常に少なくふつう利用されているのは酸化アルミニウムを主成分とするボーキサイトです。

アルミニウムの製法

アルミニウムが大量に生産され、利用されるようになったのは銅や鉄にくらべるとずっと遅く19世紀末からのことです。

それは、アルミニウムは、酸素と化合する性質が非常に強く、還元されにくいためです。つまり、鉄や銅などの重金属にくらべると、イオン化傾向が大きいのです。

そのために、アルミニウムの場合には、酸化物を炭素とまぜて熱しただけでは銅や鉄のように、金属だけが単体となって分かれにくいのです。

アルミニウムの製造には、アメリカのホールとフランスのエルーが、1886年にそれぞれ別々に発明した、つぎの方法が使われています。

まず、ボーキサイトから純粋な酸化アルミニウム(アルミナ)をつくります。
酸化アルミニウムは、それだけでは融解しにくいのですが氷晶石とともに高温にすると、溶けやすくなる性質をもっています。



つぎに、この溶けた酸化アルミニウムを電気分解して、アルミニウムをつくります。

酸化アルミニウムの電気分解には、右の図のような電解槽を使います。
電解槽の内側には、炭素がはってあって、この炭素が陰極になっています。

陽極には、別の炭素棒を使います。

また、電解槽は、電気炉にもなっていて、これに氷晶石を入れ電流を通すと氷晶石が電気の抵抗体となって、そのためにでる電熱で溶けます。

これに酸化アルミニウムをくわえると、溶けて電気分解をうけ陰極に溶けたアルミニウムがたまります。

陽極には酸素が発生しますが、これはただちに陽極になっている炭素と化合して一酸化炭素にかわります。

陽極の炭素棒は、このように酸素と化合するため、だんだん減っていきます。

それで、陽極を補充して電解をつづけなければなりません。



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