アルミニウムの性質と用途とは? わかりやすく解説!

アルミニウムの性質

アルミニウムは銀白色のつやのある、軽くてやわらかい金属です。
また、電気平熱をよくみちびき、展性・延性にとんでいます。

また、アルミニウムは、塩酸に溶けて水素を発生し、塩化アルミニウムになります。
塩基にも溶ける性質があり、たとえば水酸化ナトリウムなどには水素を発生して溶け、アルミン酸ナトリウムとなります。

このことは、アルミニウムが
金属と非金属の両方の性質をもっていることをしめしています。

アルミニウムが塩酸と反応する場合は陽イオンとなって溶けています。
つまり金属の性質をしめしているわけです。

ところが、水酸化ナトリウムのような塩基と反応する場合はナトリウムと結合したアルミン酸ナトリウムがえられます。

つまり、非金属の性質をあらわしています。
このように、酸や塩基との反応で金属と非金属の性質をもっている元素がいくつかあります。

アルミニウムは、希硫酸には水素を発生して溶けますが濃硫酸には、二酸化硫黄を発生して溶けます。
しかし、濃硝酸には溶けません。

これはアルミニウムを濃硝酸につけると表面が酸化されて酸化アルミニウムとなり、内部を保護するため溶けなくなるのです。


アルミニウムのさび

アルミニウムは長いあいだ空気中にほうっておいても表面が少しくもるだけで、鉄のようなひどいさび方をしません。

このくもりは、アルミニウムのさびにあたる酸化アルミニウムで透き通ったうすいまくになっています。

アルミニウムがあまりさびないのは、この酸化アルミニウムがアルミニウムの表面をおおって、内部を保護しているからです。

アルマイト

アルミニウムの表面に、酸化アルミニウムのうすいまくをつくり酸や塩基におかされにくいように加工した物を、アルマイトといいます。

硫酸やシュウ酸などのうすい溶液の中でアルミニウムの板を陽極として電気器具などをつくるのに使われます。

また、いろいろな合金をつくり、飛行機や電車などに使われたり機械類に利用されたりしています。

また、展性や延性にとむので、アルミ線やアルミ箔としても利用されます。
たとえば、写真のフラッシュランプの中にはアルミ線が封じこまれていますしチョコレートや煙草のつつみ紙には、アルミ箔が使われています。



ニッケルとコバルトの性質・用途とは? わかりやすく解説!

ニッケルの性質

ニッケルは銀白色の金属で、展性・延性があります。
また、強い磁性があり、左の表のような物理的性質をもっています。


二ッケルは鉄と違って常温では空気中にそうとうの湿り気があってもほとんど変化しません。

熱をくわえると紅色となり、赤熱すると灰緑色の酸化第一ニッケルが表面にできさらに熱すると四三酸化二ッケルができて、暗緑色になります。

また、赤熱して水蒸気をとおすと水蒸気を分解し、水素を発生して酸化第一ニッケルとなります。

常温では塩酸や硫酸にはあまり溶けませんがうすい硝酸にはすぐ溶けます。

また、濃硝酸につけると、鉄と同じように不動態となります。
二ッケルは、酸に溶けると緑色になります。

ニッケルめっき

電気分解による電着を利用して、二ッケルめっきをすることがてきます。
めっき液は、ふつう、硫酸ニッケルと塩化二ッケルの溶液に少量のフッ化ナトリウム・ホウ酸などをくわえてつくります。

そして、陽極に二ッケルを使って電気分解すると陰極につけた金属の表面に二ッケルが析出してつきます。

ニッケルの用途

純粋な二ッケルは二ッケルめっきに使われるほかるつぼなどの器具としても使われます。

また二ッケルは合金としての用途も多く銅・亜鉛・鉄などと、いろいろな合金をつくります。

そのおもなものには、特殊鋼・囗銅・洋銀などがありそのほか、つぎのようなものがあります。

ニクロム

クロム30パーセント以下をふくむ、ニッケルとクロムの合金です。
電気抵抗が大きく、熱や酸・塩基などにも強いので電熱線・抵抗線などとして使われます。

コンスタンタン

銅を55パーセントふくむ、銅とニッケルの合金で電気抵抗が大きく、温度によって体積や長さがあまりかわらないので銅と組みあわせて、温度をはかる器具として利用します。

このほか、二ッケルは、石油精製のときの水素添加に、触媒として使われます。


コバルトの性質

コバルトは、銀白色か灰白色のつやのある金属で、展性・延性があります。
また、強い磁性があり、上の表のような物理的性質をもっています。

コバルトは空気中に、長いあいだほうっておいても表面が少しさびるだけで、たいして変化しません。
粉状のものは、空気中で熱すると、酸化されます。

また、酸には水素を発生して溶けますが濃硝酸には、鉄やニッケルと同じように不動態をつくって溶けなくなります。

コバルトの用途

コバルトは、めっきに使われるほか、合金としてよく利用されています。
コバルトのおもな合金には、高速度鋼・KS磁石鋼・硬質合金などがあります。

硬質合金は、コバルトに、クロム・タングステンなどの金属をくわえたもので非常に硬くたとえば、硬質合金のうちのウディアはダイヤモンドのような硬さをしめします。

また、コバルトは陶磁器・エナメル・ガラスなどの着色剤として使われたりホウロウ鉄器のうわぐすりとして使われたりします。

この場合に使われるのは、ふつう酸化第二コバルトで青色系統の色調をしめします。



鉄の性質とは? 軟鋼と銑鉄とは? わかりやすく解説!

鉄の性質

鉄の性質は、ふくまれている不純物の種類と量によって、いろいろと違ってきます。
とくに、鉄にふくまれる炭素は、その量によって鉄の性質をいろいろとかえるはたらきをします。

ここでは、純粋な鉄について、その性質を調べてみましょう。


純粋な鉄は白色のつやをもち、展性・延性のある金属です。
また、強磁性があり、左の表のような物理的性質をもっています。

鉄は、希塩酸や希硫酸にはよく溶け、水素を発生して塩をつくります。
いっぽう、鉄と硝酸の反応は非常に複雑で、希硝酸には溶けますが水素を発生せず、二酸化窒素などの窒素の酸化物を発生します。

また、濃硝酸に鉄を浸すと、非常に安定した鉄となりほかの物質と化合しにくくなります。

このような状態を不動態といい、不動態になった鉄はもう希硝酸の中に入れてもとけません。

鉄は、酸素とよく化合するほか塩素・イオウ・リン・炭素・ケイ素などとも直接化合します。

軟鋼と銑鉄

溶鉱炉からとりだした銑鉄を、酸化鉄といっしょに反射炉に入れて熱すると硫黄・リン・炭素などの不純物が酸化されて、取り除かれます。

こうしてできた鉄を軟鋼といい、ふつう使われている鉄のなかではもっとも炭素をふくむ量の少ない鉄です。
したがって、性質は、非常に純鉄に近いものです。

軟鋼は、融点が高く溶けにくいので、鋳物にすることはできませんが熱すると柔らかくなるので、叩いていろいろな形にすることができます。

また、軟鋼は展性・延性が大きいので針金・鎖・農器具などをつくるのに使われます。

しかし、最近では、鋼を使ってそういう物をつくることが多くなり軟鋼の使用量は次第に減ってきました。

これにたいして、銑鉄はもっとも不純物を多くふくむ鉄ですから性質も純粋な鉄とにかなり違います。

不純物の中でも、鉄の性質を加えるはたらきの強いものは炭素でいっぱんに炭素をふくむ量が多い鉄ほど、かたくてもろくなります。

また、鉄の融点は、ある一定の限度までは、炭素をふくむほど低くなります。

銑鉄はかたくてもろいために叩いたり引きのばしたりして加工することはできませんが1100~1200℃ぐらいの、わりあい低い温度で溶けますから鋳物をつくるのに適しています。

また溶けた銑鉄は、かたまるときに、少し膨張します。この性質も、鋳物をつくるときに役に立ちます。

しかし、銑鉄は、そのままで加工品をつくるよりもむしろ、鋼の原料として、非常に重要なのです。


鉄のさび

鉄を塩水の中につけておいたり、水がついたままほうっておいたりすると表面に赤かっ色をしたものができます。

これは、ふつう赤さびといわれるさびで、純鉄よりも不純物をふくむ鉄のほうが早くさびます。
また、湿り気が多いといっそう早くさびます。

このさびは、鉄が空気中の酸素平水蒸気と作用してできたものですがこの反応はただの酸化ではなく、非常に複雑な変化です。

したがって、さびの成分もただの酸化鉄だけではありません。
さびには、酸化第二鉄をはじめとして塩基性炭酸第一鉄や塩基性炭酸第二鉄などのような化合物がふくまれています。

このような化合物ができるためには、炭酸が必要です。
つまり、赤さびができるときには、空気中の酸素のほかに水蒸気や二酸化炭素も関係しているわけです。

赤さびは、空気や水分を通しやすいので長い間ほうっておくとしだいに鉄の内部までさびていきしまいには、すっかり腐ってしまいます。

いっぽう空気中で鉄を強く熱すると表面が黒色にかわります。
これは、鉄が酸化して、黒色の四三酸化鉄ができたためで、黒さびとよばれます。

黒さびは、目が細かいので、これが表面にできるとかえって鉄を赤さびから守るようになります。

また、赤熱した鉄に、水蒸気を通しても鉄は酸化されて、四三酸化鉄となります。

このような方法で、鉄の表面に四三酸化鉄をつくって鉄のさびどめにすることがあります。




金属の展性・延性と磁性とは? わかりやすく解説!

展性と延性

金属のかたさが小さい場合、この金属を強くたたいたり大きな圧力をくわえたりすると、だんだんうすくなって広がります。


金属のこのような性質を展性といい、うすく広がったものを金属箔といいます。

金・銀・スズなどは、金属のなかでもとくに展性が大きく金は厚さ1万分の1ミリまでの厚さにたたきのばすことができます。

同じように、かたさの小さい金属は、引きのばして細いはりがね状にすることができます。

金属のこのような性質を、延性といいます。

銅・銀・金・白金などは、とくに延性の大きい金属で白金は直代が1万分の1ミリという細いはりがねにすることができます。

金属の展性や延性は、そのときの温度などの条件によってかわります。

金属の磁性

磁石のもっているような性質を磁性といいますが金属のもっている磁性は、つぎの3つに分けることができます。

1つは、その金属が磁界の方向に引きよせられる性質で、これを常磁性といいます。

もう1つは、磁界からおしだされる性質で、反磁性といわれます。

常磁性の金属も、反磁性の金属も磁界の中では磁性をしめしますが磁界からとりのぞくと、磁性は消えます。

あとの1つは、常磁性のさらに強い場合で磁界の中におくと強い磁性をおびて磁界からとりだしても磁性が残っている性質で、強磁性といわれます。

常磁性の金属には白金・アルミニウムなどがあり反磁性の金属には金・ビスマス・アンチモンなどがあります。

また、強磁性の金属には、鉄・二ッケル・コバルトなどがあります。


金属と酸・塩基

金属と酸を作用させると、塩ができます。
また、金属と塩基が作用すると、ふつう水酸化物ができますがこれは水に溶けにくく水和酸化物といわれる形になっています。

イオン化傾向

金属は、ふつう、その金属を電解質溶液につけておくとイオンになって、溶液中に溶けこむ性質があります。

これを金属のイオン化傾向といいます。
イオン化傾向は、金属の種類によって違います。

たとえば、鉄と銅のイオン化傾向をくらべると鉄つのほうが大きいのです。
それで銅イオンをふくむ溶液中に鉄を入れると鉄がイオンになり逆に銅イオンは鉄がだした電子を受け取って、銅原子となって析出します。

実際に、よくみがいた鉄のくぎを硫酸銅溶液中につるすと銅が析出して、くぎの表面につくのが見られます。

また、イオン化列で水素よりイオン化傾向の大きい金属はうすい酸を作用すると、溶けて水素を発生します。

たとえば、亜鉛を希硫酸に入れると、水素を発生して溶けます。

ふつう、酸化と還元とは、電子のやりとりであらわします。
したがって、イオン化傾向の大きい金属は電子をだしやすいので酸化されやすい金属といえます。

これを別ないい方であらわせば、還元する力の強い金属であるともいえるわけです。



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