塩素の工業的製法

塩素は、工業的には食塩水の電気分解でつくられています。

食塩水の電気分解によってつくられる塩素はふくまれる不純物も少なく、非常に濃いものです。

また、費用もたいへん安くなりますので電解法は工業的な製法としては最も便利な方法です。


塩素の実験室的製法

実験室では、塩酸に二酸化マンガンを作用させて塩素をつくります。

このとき、塩素に混じって塩酸や塩化水素がでてきますがこれは、下の図のような装置で水中を通すと取り除くことができます。

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また、乾いた塩素が必要なときには濃硫酸か塩化カルシウムの中を通します。

これらは非常に水分を吸いやすい物質なので脱水剤として使われます。

塩素を実験室でつくるとき二酸化マンガンのかわりにさらし粉CaOCl2にや過マンガン酸カリウムKMnO4などを使ってもできます。



塩素の性質

塩素はごく薄い緑色の気体で空気の約2.5倍の重さがあります。

塩素は、ほかの物質と非常に化合しやすく酸素・窒素など数種の元素を除きほとんどの元素と化合して塩化物(塩素の化合物)をつくります。

また、塩素には色素とむすびついて色をなくしてしまう作用があります。

例えば、塩素を入れた瓶に色のついた花や赤インキで書いた紙などを入れておくと色がなくなってしまいます。

このような作用を漂白作用といいます。塩素の漂白作用には、水分が必要です。

塩素は水によく溶けます。塩素の水溶液は塩素水といい、強い酸化作用があります。

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それは、①式のように塩素と水が反応して次亜塩素酸という化合物ができてこれが酸素をだしやすいからです。

また、塩酸も少しできますので塩素水は酸性になります。

一般に塩素をふくむ化合物は水に溶けやすく水に溶けると塩素イオンを遊離するものがたくさんあります。

この塩素イオンは、硝酸銀を加えると右の②式のように、塩化銀の白い沈殿をつくるので見つけることができます。

また、物質が燃えるときには酸素が必要ですが物質によっては塩素さえあれば燃えるものもあります。

例えば、塩素の中に火のついたロウソクを入れると消えずにそのまま燃え続けますがこれは、ロウの成分の水素が塩素とむすびついて塩化水素ができるからです。

また、気体の水素も燃えますが水素と塩素の混合気体は火をつけたり太陽の光線を当てたりすると爆発するので、たいへん危険です。

塩素の用途

塩素は、主に塩酸・さらし粉・DDT・BHCなどの薬品の原料として使われています。

また、そのままで水道水の消毒や下水の殺菌などにも使われています。

そのほか、最近は合成樹脂工業が発達してきたためこの方面でも盛んに使われるようになってきました。

例えば、塩化ビニル・シリコーンなどは塩素が原料の一つになっています。