水を試験管に入れ、氷と食塩をまぜあわせたもの(これを寒剤という)の中に入れて冷やしてみます。


このとき、水の中に温度計をさしこんでおいて冷えてゆく温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

水は、その量が多くても少なくても、氷になる温度は0℃であり全部の水が氷になるまで0℃の温度は一定のままでかわりません。

家庭にある防虫剤で、ナフタリンという薬があります。

これを試験管にいれてから100℃ぐらいの湯を入れたビーカーの中につけておきます。

しばらくすると、固体であったナフタリンは溶けて液体のナフタリンにかわってしまいます。

液体になったナフタリンの中に温度計を入れて試験管をビーカーの湯に入れたままで放置し温度と時間との関係をグラフにしてみましょう。

100℃近い温度であった液体のナフタリンはビーカーの湯の温度が低くなるにつれて、温度が下がりやがて80℃ぐらいになると、液体のナフタリンの中に小さな固体ができてくるのが見えます。

ナフタリンの温度は、このときから、80℃より低い温度にならずそのかわり、どんどん多くの固体が生じます。

ナフタリンが全部固体にかわるあいだ80℃の温度はかわらず、そのまま一定です。

全部のナフタリンが固体になると固体のナフタリンの温度はしだいに下がります。

これは、まえの実験で、水が氷になる温度が0℃で全部の水が氷になるまで0℃であったことと同じ現象です。

家庭で、ナフタリンよりも、もっとよく使われる防虫剤にパラジクロルベンゼンというのがあります。

これは、ナフタリンとは違う種類の物質です。



パラジクロルベンゼンを小さく砕いて試験管に入れて100℃ぐらいの湯を入とれたビーカーの中に入れ、溶かして液体にします。

これをナフタリンのときと同じようにして冷やし温度と時間との関係をグフフに書いてみます。

約52℃になると、液体のパラジクロルベンゼンの中に小さな固体があらわれだんだん量が多くなります。

そのときから温度は変化せず、52℃のままです。

そして、液体が全部固体にかわったところでふたたび温度は下がりはじめます。

水・ナフタリン・パラジクロルベンゼンが液体の状態から固体の状態になるときは物質によって温度が決まっていることがわかりました。

この温度は、水の量やナフタリンの多い、少ないによるものではなく量に無関係に、その物質によって決まっている温度です。

このように、液体から固体になる温度は物質により決まっておりこの温度を凝固点または融点といいます。

鉛やスズをるつぼの中に入れて熱すると溶けて液体の鉛や、液体のスズができます。

この中に温度計をさしこんで、ゆっくり冷やしてやるとやはり一定の温度になったときにかたまることがわかります。

すなわち、鉛の融点は327.5℃、スズの融点は231.9・℃であってこの温度は常に一定です。

このように、沸点や融点は物質によって決まっている値で物質の特性をしめす一つの要素です。

ですから、沸点や融点を測定することによってその物質が何であるかを推定することができる場合が多いのです。