エネルギー問題

世界全人類が抱えているいちばん大きい問題の1つに、エネルギー問題があります。

人類は古くから家畜のエネルギーや風力(風車)・水力(水車)を利用することを知っていました。

さらに18世紀に入ると、蒸気のエネルギーを利用する道が開けさらに電気のエネルギーを利用することもできるようになりました。


電気のエネルギーは、光としても熱としても動力としても利用できます。
したがって竃気の消費量は年をおって増えていきます。

人々は、まず水力を利用して水車発電機を高速回転させて電気をつくりました(水力発電)。

また石炭や石油や天然ガスなどを燃やし、その熱で蒸気をつくり高圧をかけ、この強力な蒸気によってタービンをまわし発電機をはたらかせて電気をつくりました(火力発電)。

しかし、水力は無限に利用できるものではありません。
日本のように高度に工業が発達し、しかも国土の狭い国では開発できる候補地はもうほとんど残されていません。

いっぽう、石油や石炭の量もかぎられています。
いつかは掘りつくしてしまうことでしょう。

掘りつくしてしまわないまでも、必要なだけの量を賄うことができるかどうか将来は甚だ不安であると見込まれています。

しかも電気エネルギーの消費量は急ピッチで伸びています。

たとえば、世界のエネルギー消費量は1キログラムあたり7000キロカロリーの石炭に換算して1949年には24億トンだったものが、15年後の1964年にはその2倍の50億トンにまで急増しました。

人類がエネルギー資源のなくなることをどんなに恐れているかみなさんもおわかりになると思います。

こうして新しいエネルギー源の開発たとえば太陽熱や地熱や潮力などを利用する道が熱心に研究され一部はすでに実用化されています(たとえばエレクトロニクスのところで述べた太陽電池)。

またエネルギーを有効に利用する道たとえば熱を直接に電気にかえようという
いわゆる直接発電の研究もすすめられています。

しかし、それでエネルギー資源の乏しくなることを大幅にふせぎとめることはまず無理のようです。

そこへ登場してきたのが原子力発電です。



核分裂の発見

1938年といいますから、ナチスドイツのヒトラーが政権をとり世界中を戦争の暗雲がおおいはじめたころドイツの物理学者オットー=ハーンやハインリッヒ=シュトラスマンらは天然ウランの中にわずか0.7パーセントふくまれているウラン235に中性子をあてると原子核が分裂(核分裂)して、原子量のより小さい原子にかわりそのときにたいへんな量のエネルギーを放出することを発見しました。

ひき続きフランスのジョリオ=キュリー・イレーヌ・キュリー夫妻でも同じような事実を発見しました。

原子核の中には驚くべき多量のエネルギーが潜んでいることに人々は一斉に注目しはじめました。

ウラン1キログラムは、石炭3000トン分のエネルギーを持っているというから驚きます。

このエネルギーを利用すれば、どのように強大な破壊力を持つ悪魔の兵器がつくられるか、ナチスドイツも、そして連合国側もただちにそのことに気づきました。

ドイツはチェコのヨアヒムシュタールのウラン鉱山をおさえました。
連合国側はあわてました。

しかし、ファシストたちの手を逃れてアメリカに亡命したイタリアの物理学者
エンリコ=フェルミ(1938年、ノーベル物理学賞を受けるためにストックホルムに行き、そのままアメリカに脱出しました)が1942年、シカゴ大学構内に秘密につくった実験施設で原子核の連鎖的核分裂反応を発見するにおよんで連合同側はナチスドイツに一歩先んじることができました。

連鎖的核分裂反応というのは、ウラン原子核が分裂するとき中性子という粒子が飛出しますが、これがつぎのウラン原子を分裂させつぎつぎと分裂反心を続けさせていくことです。