磁界の中で電流は力を受ける
まえに述べたように、磁針の近くにある針金に電流を通すと、磁針が動きます。
ところで、これは磁針が動きやすく、針金が動きにくい場合です。
逆に磁針のかわりに重い磁石をおき針金のほうを動きやすくすれば、針金のほうが動きます。
(これはニュートンの発見した作用反作用の原理で考えられます。
力というものは2つの物体のあいだに作用するものでAがBに力を及ぼすというときは、同時にBがAに力を及ぼしているわけです。
どちらが動くかは、動きやすいほうが動くわけで両方が同時に動く場合もあるわけです)
これはつぎのような電気ブランコをつくって実験することができます。
実験
下の図のように、馬てい形磁石を横にたおしてブランコの横棒が、磁石のN極とS極の真ん中にくるようにします。
ブランコのつなは、銅のやわらかいより線で、横棒は、やや太い銅線でつくります。
ブランコのつなを通して電流を流すとブランコが左右に動きます。
電池のつなぎ方を逆にすると、ブランコの動き方が逆になります。
また、電流の向きはそのままにしておいて磁石のN極とS極を逆にしても、ブランコのふれは逆になります。
フレミングの左手の法則
磁界の中で電流を流したとき親指と人さし指と中指を互いに直角において電流の向きが中指、磁界の向きが人さし指とすると、力の向きは親指の向きになります。
この法則を、フレミングの左手の法則と言います。
この法則は、右ねじを用いてつぎのようにあらわすことができます。
図のように磁界の向き(磁石のN極からS極へ向かう向き)と電流の流れる方向をそれぞれ、PS・PQとし、これに直角に右ねじをおいたときPQ(電流の向き)がPS(磁界の向き)に重なるようにまわすと右ねじの進む向きに力がはたらきます。