体の調節のしくみ
私たちは、毎日、何気なく食べたり、勉強したり、遊んだりしています。
そして、夜がくると安心して熟睡します。
このようにして、いつのまにか、心身ともに立派に成長しているのです。
この健康な暮らしと毎日の成長は、私たちの体の手足や、胃湯などいろいろな器官が、お互いに助け合ってうまくまとまってはたらいてくれるおかげです。
このようなはたらきを、体の調子といいます。
この体の調節にいちばん役立つものは、神経とホルモンです。
神経と神経系
神経という言葉は「あの人は運動神経が発達している」というときのように体の運動をしたり、感じを伝えたりする神経のはたらきをあらわす場合と「あの人は、神経が敏感だ」というように精神(こころ)のはたらきをあらわす場合と、2つの意味をもっています。
ふつうは、この両方を神経とよんでいます。
神経は、ちょうどオーケストラでいえば指揮者のようなものです。
指揮者が、いろいろの楽器を演奏する大勢の人たちを指図してまとまった美しい音楽をうみだすように神経は体中のいろいろのはたらきをとりまとめて私たちがいつも健康に生きていけるようにします。
神経のいちばんもとになるものは、神経細胞です。
ふつうの神経には、1本の細長い糸のような枝(神経繊維)といくつかの短い枝とがあります。
これらの枝が、つきつぎに、ほかの神経細胞の枝とからみあって細長く続いています。
この神経細胞のつながったものを、いろいろな知らせが伝わります。
知らせが神径を伝わる速さは、太い神経線維ではだいたい1秒間に120メートルぐらいです。
神経細胞の枝の、長くつながったものがいくつも集まって、神経系をつくっています。
神経系は、しくみのうえから大きく分けると中枢神経系(脳と脊髄)と末梢神経系(脳神経・脊髄神経・自律神経)の2つに分けられます。