体と健康
「健康とは、体に病気がないことである」とよくいわれます。
体に病気がある場合には、もちろん、だれも健康とはいわないでしょう。
しかし、病気というほどでなくても、いつも体が弱々しいとか発育が遅れていて体格が悪いとか体の力やはたらきがふつうより劣っているとかいうような場合も、健康だとはいえません。
また、体だけでなく、心も健全でなければ本当の健康とはいえないのです。
健康な人というのは、体にも、心にも、病気はもちろんなくそれらのはたらきがふつう以上で、毎日、仕事や勉強がよくはかどり明るい幸福な生活をおくって、長生きできる人のことです。
私たちの健康は、自分ひとりのためだけでなく家庭のためであり、社会全体のためでもあるのです。
ですから私たちは、自分の健康だけでなくほかの人の健康についても考えなげればなりません。
このように、健康な生活をするためには病気のことや衛生などについて知っておくことも大切ですが自分たちの体のしくみを知らなくてはなりません。
体のしくみがわからなければ、どんな原因で病気がおこるのか病気になったときは、体のしくみがどのような変化をしているのかということを理解することができません。
ここでは、主に私たちの体について勉強しましょう。
私たちの体
地球上には、たくさんの種類の動物が住んでいますがこれらはみな、背骨のある脊椎動物と背骨のない無脊椎動物との2つに分けることができます。
脊椎動物にも、魚や鳥など、いろいろのものがありますがその中で、うまれてからしばらくのあいだ母親の乳で育つ動物の仲間を、哺乳動物といいます。
私たち人間も、哺乳動物の仲間で、体のつくりも互いによく似ています。
ただ、ほかの哺乳動物のように、4つ足で歩かずに、2本の足で立って歩くことはほかの動物と違う、大きな特徴の1つです。
また人間は、とくに知能が発達していて複雑な社会をつくり、進んだ文化をもっていてほかの動物とは、かなり違った生活をしています。