ばねの種類とその特徴・性質とは? わかりやすく解説!

ばねのいろいろ

ソファーを手で押したり、ソファーにこしかけたりするとソファーがもとにもどろうとしているのが感じられます。

これは、ソファーの中に、ばねがいくつもならべてとりつけてありそのばねが、押し返しているからです。

ばねは、その形によって、いろいろの種類にわけられますが板ばね、うずまきばね、つるまきばねが、おもなものです。


板ばね

板ばねは、板の形をしたばねで、鋼でつくってあるのがふつうです。

実験1

①図のように、セルロイドの下じきを
机のはしに半分だけつきだしておき、一方のはしを厚い本でおさえます。

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下じきのつきでた部分に小石を1つのせ、つぎに、もう1つのせてみます。
すると、下じきのはしは小石をのせるにつれて、ますます下がります。

こんどは小石を1つずつ取り去ると下じきは、もとの位置までもどります。

この実験でわかるように、板ばねは外から力を加えると曲げることができ、その力が大きいほど、曲がり方も大きくなります。

また、外から加えた力を減らしていくと板ばねの曲がり方が減っていき力がすっかりなくなると、ふたたびもとの形にもどります。

下じきを曲げると、下じきの各点は少しずつ下がりましたが曲げによるこの変形の量を、その点でのたわみと言います。

こんどは、②図のように下じきを両はしで支えて真ん中に力を加えてみます。
このときの曲がりとたわみも、加えもとにもどります。

①と②のいずれの場合も、重りの重さとばねの1点のたわみとは、比例することがわかります。

実験2

こんどは、やや集めの下じきに本を載せて机の上におき、下じきのはしを少しだけ机のはしからだしておきます。

まず、げんこつで机を軽く叩いてみます。
つぎに、下じきのはしを、同じくらいの力で叩いてみます。

すると下じきは、叩くと同時に曲がってげんこつは痛みがずっと少なくてすみます。

木の板に釘を打ち込むときには板をしっかりした台の上に載せておくと釘がうまく入ります。

しかし、台からはみ出した板のはしに釘を打ち込むときには、板がはずんで、なかなか釘が入りません。
ことに、板がうすい場合には、なかなか打ちこめません。

この実験でわかるように板ばねはたわむことによって、衝撃の力を弱めるはたらきをします。

重ね板ばね

自動車や電車などには、車輪と車体とのあいだの衝撃を弱めるためにばねが取り付けてあります。
この場合には板ばねを数枚重ねた、重ね板ばねが多く使われています。

板ばねの両はしを支えて、真ん中に力を加えて曲げる場合には曲げようとするはたらきは、板ばねの両はしのところがいちばん小さくゼロになります。

ところが、中央に近いほど、曲げようとするはたらきが大きくなります。

そこで、中央に近いほど、板ばねの幅を広くすれば曲げによって内部に生ずる力が、どの部分もいちようになります。

しかしこの形では、ばねとして使うのに不便なので実際には図のように細長く切って中央の部分が厚くなるように重ねて使います。

これが重ね板ばねで、ひし形のばねと同じはたらきをします。



うずまきばね

うずまきばねは、蚊取り線香のように金属をうずまき形にまいたものです。
これには、断面の形が長方形でテープのようにまいた鋼が多く使われます。
時計に使われているぜんまいも、うずまきばねです。

実験

長さ20センチ、幅1センチのうすいブリキ、または、真鍮の板をえんぴつにまきつけて、うずまき形に曲げます。

図のように、Aのはしを、マッチの軸木CDに硬くまきつけて止めます。
Bのはしは、机のはしに固定します。

つぎに、マッチの軸木2本をCE、DEのように、糸で組みます。
Eのはしには、EGのように、もう1本の軸木を硬く結びつけます。

さらに、針金で、同じ大きさのS字形のかぎを数個つくりその1つは、Eの部分につないでおきます。

このような装置ができたら、EのはしのかぎにS字形のかぎをつぎつぎにかけていき、だんだん長くしてみます。

かぎの数が増すにつれて、うずまきばねのAのはしに固定してある三角形の軸木は、CDを回転軸としてまわっていきます。

この場合、ばねを回転しようとするはたらき(力のモーメント)はかぎの列と軸木CDとの最短距離(l)にS字形のかぎの数(n)をかけあわせた値、(l×n)に比例しています。

また、かぎの数を増していくと、EGはCDを軸としてどれほどの角度だけ回転するでしょうか。
Gのそばに目もり板をおいて、その角度を調べてみましょう。

まわった角度と、まえの(l×n)は比例しているはずですがlがあまりかわらないので、まわった角度とnも、ほぼ比例するでしょう。

こんどはS字形のかぎを、だんだんに減らしていくとしまいには、もとの位置までもどって止まります。

うずまきばねの性質

うずまきばねの一方を固定し、もう一方のはしに力を加えてその中心の軸のまわりにまわしたときは、ばねの各部分は曲がっています。

このときの曲がり方は、まえの実験からわかるようにうずまきばねをまわそうとするはたらきが大きいほど、大きくなります。

また、力を取り去ると、もとにもどります。
このことは、板ばねの場合と同じです。

時計やおもちゃを動かすのに使われているぜんまいは中心の軸のまわりにまきこんだときそれがもとにもどろうとするときの回転力を利用するものです。

この場合の回転力は、ぜんまいの厚さや、幅が大きいほど大きくなります。

つるまきばね

針金、またはテープのような板金をアサガオのつるが竹にまきつくときのように、コイル形にまいたものをつるまきばねと言います。

このばねは、軸の方向に、伸びたり縮んだりすることができます。
そのときの変形は、針金や板金の各部が少しずつねじれることによって起こります。

つるまきばねも、衝撃の力を弱めるはたらきをするので交通機関をはじめ、ソファー・寝台など日常生活の道具にも広く利用されてします。

また、物をおさえつけるのに、つるまきばねの弾力を利用しているものもあります。

実験

画用紙を、長さ30センチ、幅1センチに切り、太い丸棒にまきつけて、つるまきばねの形にします。
この紙の両はしを、両手で左右に引っ張ってみると、紙はねじれています。

このことから、つるまきばねの伸び縮みは各部分のねじれによることがわかります。




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