ふりこの運動とは?ふりこの等時性とは? わかりやすく解説!

ふりこの長さと周期

図のように、糸の先に重りをつけC点からつりさげて自然のままにしておくと重りは重力によって、C点の真下のO点で静止します。

このときのCOの方向が、鉛直方向、つまり重力の方向です。

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重りを、A点まで手で動かしてはなすと、A→O→B→O→Aと糸の長さlを半径とした円周上を動いて、もとの位置にかえる運動を繰り返します。


この運動を振動と言い、このような仕掛けを、ふりこと言います。
私たちが、普段よく見かけるふりこは、柱時計のふりこです。

上の図で、OからAまでの距離、またはOからBまでの距離を振幅と言います。

OAとOBの距離は等しくなります。

AからBにいき、BからAにかえるまでの時間を、ふりこの周期と言います。

糸の長さをいろいろにかえて、糸の長さと周期の関係を調べてみると「ふりこの周期は糸の長さの平方根に比例し、重力の加速度の平方根に反比例する」ことがわかります。

この関係は、周期をT秒、糸の長さlセンチ、重力の加速度を、毎秒・毎秒gセンチとすると、つぎの式であらわされます。

πは、円周率(3.14)です。

したがって、糸の長さが長くなるほど周期は大きくなります。
また、赤道の近くとか、富士山の頂上とか重力の加速度の小さいところほど周期は大きくなることになります。

ふりこの重さと周期

糸の長さはかえないで、重りの重さだけをかえてストップウォッチで周期を測ってみるとふりこの周期は少しもかわらないことがわかります。

このことは、まえの周期の式に重りの質量が入っていないことからも、わかります。

重力の加速度の測定

ふりこの長さを一定にしておいて、その周期を測るとまえの式から、重力の加速度をもとめることができます。

重力の加速度は、緯度や重さによってかわるばかりでなく地下の岩石の質や、割れ目があるかないかによっても、かわります。

このことを利用して、日本の陸地や近海の各地で、重力の加速度を測り地下に地震の起こりそうな多くの割れ目があることを、知ることができました。

ふりこの等時性

ふりこの運動で、面白いことは、ふりこの振幅が、ある程度小さい範囲では「振幅が大きくても小さくても、周期が一定している」ということです。

これは、イタリアのガリレオが、1583年にピサの礼拝堂でつりランプの揺れるのを見て脈拍を時計がわりに使って発見したことでふりこの等時性と呼ばれています。

ふりこの等時性を利用して、ふりこ時計かはじめてつくったのはオランダのホイヘンスという学者で1673年のことです。

ふりこの周期は、その長さの平方根に比例しますからふりこの長さを長くすると、周期が大きくなります。

柱時計のふりこには、下のはしにねじがついています。
時計が遅れるときは、このねじで重りを上げ進むときは重りをさげて調節するようになっています。

ふりこにはたらく力

図を見てください。

ふりこが連動しているときにはたらく力は、重りの重さWと糸の張力、Tです。
WとTの合力Pは、Tと直角で、円の接線の方向を向いています。

このPの力は、中心Oに近づくほど小さくなりますがふりこがA点からO点にくるまでに加速度をあたえ続けているのでO点で、いちばん速さが大きくなります。

ふりこが、慣性によって、O点か通り越して左側にいくとPの力は運動の方向と反対方向なるので速さはしだいに小さくなっていきます。

そして、ついに速さがゼロになると中心Oにむかってまえと同じような運動をします。




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