接線加速度と法線加速度とは?加速度の合成と分解とは?

力の利用

加速度

自転車にのって走りはじめると、速さが次第に速くなりブレーキをかけると次第に遅くなって、やがて止まります。

このように、速度がかわる運動のときは、そのかわる割合を決めないと運動の様子をはっきりあらわすことができません。

この速度のかわる割合を、加速度と言います。

速さのかわらない運動は、いちばんかんたんでこれを等速運動と言い、速さのかわる運動を不等速運動と言います。


速さをかえる加速度

もっともかんたんな不等速運動は、不等速直線運動です。

たとえば、1つの物体が直線上を運動しているとし、はじめの速度が毎秒10センチ、つぎの1秒間の速度が毎秒12センチ、つぎの1秒間が毎秒1間センチというようになったときは、1秒ごとに、毎秒2センチずつ速くなっています。

このとき、この物体には毎秒・毎秒2センチの加速度が加わっていると言います。

加速度といっても、速度が増すときだけをいうのではありません。

たとえば、はじめの速度が毎秒20センチ、つぎの1秒間の速度が毎秒17センチ
つぎの1秒間が毎秒14センチになっていたとすれば1秒ごとに毎秒3センチずつ速度が減っていることになります。

このようなときは、毎秒・毎秒3センチの負(マイナス)の速度が加わっていると言います。

つまり加速度とは、1秒間とか1分間とか1時間という単位の時間内に、速度が増えたり減ったりする割合をいうのです。

加速度をもとめるには、何秒かのちの速度から、はじめの速度をひいてそれを、かかった時間で割ればもとまります。

たとえば、はじめの速度が毎秒10センチで3秒後に毎秒16センチになったとすれば、(16-10)÷ 3 = 2

となって、このときの加速度は毎秒・毎秒2センチ(2cm/秒2、毎秒2cm/秒)
であると言います。

もし、1時間ごとに、毎時4キロメートルずつ速くなるときは毎時・毎時4キロメートルの加速度と言います。

このように、加速度の単位には時間の単位を2つ書いて距離の単位をつけ加えることになっています。

方向をかえる加速度

曲線運動では、速さはかわらなくても方向がかわるので加速度の考え方も、いくらか難しくなります。

たとえば、等速円運動では、1秒間に物体の動く距離、つまり速さはかわらないのですが、その方向が絶えずかわっています。

このときも、加速度が加わっていると言います。

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等速円運動では、上の図のように、速度はいつも接線の方向を向き、加速度は、常に円の中心に向かっていて、運動の方向をかえる役目だけをします。

接線加速度と法線加速度

直線運動で言われる加速度は、速さだけをかえる加速度でこれを接線加速度と言います。
等速円運動のように動く方向だけをかえるはたらきの加速度は法線加速度と言います。

いっぱんの曲線運動では、接線加速度と法線加速度が2つともあらわれるので運動を考えることが複雑になります。

加速度の合成と分解

加速度も、速度と同じように大きさと方向をもっています。
したがって、平行四辺形法を使って、合成や分解をすることができます。

たとえば、いっぱんの曲線運動で接線加速度と法線加速度をあらわす矢印を二辺として平行四辺形をつくるとその対角線が、実際の物体にはたらいている加速度の大きさと方向をしめします。




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