摩擦車のしくみとは?摩擦車の回転の速さとは?

力の利用

摩擦車のしくみ

電車や自動中が走れるのはレールや道路と車輪とのあいだで摩擦があるからですが、これは摩擦のあるレールや道路の上を車輪が回転するからであるとも言えます。

車体をおさえて、進めないようにしておきレールだけがうしろに動くようなしかけを考えてみるとレールの動きにつれて、車輪だけが回転をはじめます。

bandicam 2015-04-26 04-14-17-669-min

図のように、レールを円形に取り付けた台をレコードプレヤーのターンテーブル(回転盤)のようにぐるぐる回転させる場合も同じです。

レールのかわりに、ただの円仮になってもまた、円板のふちに、車が触れていても同じです。

摩擦車は、このように、互いに触れ合っている2つの車の摩擦を利用して、一方の車の回転をほかの車に伝えるしくみのものです。


摩擦車の回転方向

摩擦車は、その車の触れ合う様子によって回転の向きが、いろいろとかわることがあります。

つぎの図の①の場合は、2つの車の軸が平行でそれぞれ車の外側で触れ合っています。

bandicam 2015-04-26 04-16-06-572-min

このときは、Aの車が矢印の方向にまわっているとBの車は反対の向きにまわります。

②の図のように、大きな車Bの内側に、小さな車Aが触れ合っているときはAの車が矢印の方向に回転すると、Bの車も同じ方向に回転します。

③の図の場合は、Aの車の軸と、B・C・Dの車の軸が互いに心角になっています。

大きな車Aが矢印の方向に回転しているとき、B・C・Dの車は①図や②図のように、いちがいに、同じ向きとか反対向きにまわるとは言えません。

この場合は、それぞれの車が、Aの車の触れ合っている点のところで①図のような関係で回転していると考えるとよいでしょう。



摩擦車の回転の速さ

ある時間、たとえば1分間に車が何回まわるかという数を回転数と言います。
回転数が大きいということは、車が速くまわるということです。
したがって、回転数の大小で、回転の速さをくらべることができます。

2つの中が同じ大きさのときは、その半径は同じです。
車が滑らないでまわるならば、一方の車が1回まわるともう一方の車も、1回まわります。

これは、反対向きにまわしても同じです。

下の図で、Bの車の半径がAの車の半径の2倍だとするとBの車の円周はAの車の円周の2倍になります。

bandicam 2015-04-26 04-18-35-469-min

したがって、Bが1回まわると、Aは2回まわります。
同転数でいうとAはBの2倍です。

Bの車の半径が、Aの3倍・4倍……に増えると、Aの車の回転数は、Bの3倍・4倍……となります。これは、回転の向きに関係しません。

このことから、車の回転数(回転の速さ)は半径の大きさに反比例するということがわかります。

まえの図の③の場合でもAの車の中心から触れ合う点までの距離を半径とすれば、同じことが言えます。

摩擦車の回転力

摩擦車の回転数は、触れ合う2つの車のうち半径が小さいほうが大きくなり半径が2分の1、3分の1、4分の1……になると回転数は2倍・3倍・4倍……となります。

ところが、伝えられる回転の力は、これと全く反対になり回転数の大きいほど、回転の力は小さくなります。
車の大きさで言えば、車の半径が小さいほど回転を伝える力は小さくなり、半径の大きさに比例します。

ミシンの下糸をまくときなどのように回転の力は小さくても速く回転させたいときには、小さい摩擦車を使います。

大きな回転の力を伝えたいときは、伝える車の半径を大きくしなければなりません。

しかし、力を大きくしようとすると、滑って空回りすることがあります。
このようなときは、別に歯車のような便利なものがあるので摩擦車はあまり使われません。




タイトルとURLをコピーしました