斜面にはたらく力とは?実験で確かめる方法とは?

力の利用

斜面

平らな道を歩くときよりも坂道をのぼるときのほうが余計に疲れます。
急な坂道をのぼるよりも傾斜のゆるやかな坂道のほうが疲れは少なくてすみます。

たとえば、山にのぼるとき、頂上がすぐ目の前に見えてしてもまっすぐに頂上までのぼろうとするには、たいへんな労力が必要です。

そこで、多くの人が遠まわりをしてでも傾斜のゆるやかな道を選んで、のぼるわけです。

そのほうが、歩く道のりは長いけれども疲れは、ずっと少なくてすむからです。

スキーで、雪の上を滑るときは、どうでしょうか。
平らなとこらでは、自然に滑るわけにはいきません。
ところが、斜面にそって滑ると、勢いよく雪を蹴って進みます。

このように坂道は平地と違っていろいろなはたらきをすることがわかります。

坂道は、必ず、ある角度の傾きを持っています。
このように、傾いている面を斜面と言います。


斜面にはたらく力

私たちは大きいカを出すと疲れますが小さい力では、それほど疲れません。
坂逆を歩くときに平地を歩くときよりも、余計に疲れるのはそれだけ大きい力を出しているからです。

平らな机の上に、滑りやすい物または、転がりやすい物をおいても、そのままの位置で止まっています。

ところが斜面の上におくと自然に斜面にそって滑り落ちたり、転がり落ちたりします。

斜面の上では、このように力を加えなくても自然に物を動かす力がはたらいています。

これは、物が真下に落ちようとすると斜面が邪魔をするため、真下に落ちず、斜面に沿って下に落ちるからです。

物体が真下に落ちる速さと、斜面に沿って落ちる速さとをくらべてみると、斜面に沿って落ちるほうが、ずっと遅いことに気がつきます。

斜面の角度をいろいろかえると斜面に沿って落ちる速さがまわります。
それは、斜面の角度によって斜面にそって物体にはたらく力がかわるからです。

実験

写真のような斜面の実験装置を用意します。

① まず、45度の斜面で実験してみましょう。
重りのいろいろかえて、斜面の上の物とつり合わせると
物体は上にも下にも動かないで止まります。

② つぎに、斜面の角度をだんだん小さくして
30度にした場合を考えてみましょう。

重りの重さはそのままで、斜面の角度を、かえただけです。
この場合、斜面の上の物体が、斜面の上部にのぼっています。

③ 今度は斜面の角度を大きくして、角度を60度にしてみましょう。
斜面の上の物体は、30度の場合とは反対に、斜面の下部へ落ちています。

④ 斜面の角度が直角(90度)になったときは
ちょうど物体をつりあげたときと同じになります。

したがって、斜面の上の物体が下に落ちようとする力は
このときがいちばん大きくなります。

また、重りの重さが、斜面の上の物体の重さと等しいとき、つりあいます。
右の図は、45度・30度・60度・直角の斜面の実験を1つにしたものです。

これらの実験で、斜面の角度が、大きくなるほど
斜面にそって落ちようとする力も大きくなることがわかります。

水平面にある物体は、ある方向に力を加えないと動きませんが
斜面の上では、力を加えなくても自然に動きます。

これは地球に物体を引き寄せる力が、はたらいているからです。
そのため、地球上の物体は、必ず地表に落ちます。
物体にはたらく下向きの力で物体の重さとなる力を重力と言います。




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