歯車の利用とその特徴とは? わかりやすく解説!

時計の歯車

時計は、大きくわけて、針を動かす動力源、その動力を伝える歯車、1秒1秒、時を刻む装置の3つからできています。

大きな柱時計でも、また小さい腕時計でもみなこれらの装置がついていますが内部の装置の大部分は動力を伝える歯車です。

時計では、秒針・分針・時針を決まった回転比で動かすためにいくつもの歯車の組み合わせを使います。

しかし、大きな機械と違って強い力がかからないので平歯車が使われています。

柱時計などにはサシカナという歯車にが使われていますがこれも、平歯車と同じようなはたらきをするものです。


自動車の変速機

自動車が走りだすときや、坂をのぼるときは速さに遅くても強い力を出さなければなりません。

自動車が走り出して、ある速さになってからは車輪の回転が速くても、出す力は小さくてすみます。
また、バックするときは、車輪を逆回転させなければなりません。

このように、動力を車輪に伝える速さや力の大きさ、車輪の回転の向きを加えるしくみが変速機です。

変速機のレバーを動かすと歯車のかみあわせがいろいろかわって、必要な回転がえられるようになっています。

変速機の歯車は車輪に回転が滑らかに伝わるようにはすば歯車でできているのがふつうです。

自動車の減速機と差動機

自動車のエンジンの回転力は変速機にうつされてから推進軸によって、後輪の軸に伝えられます。

推進軸と後輪の軸は直角になっているので丈夫な、はすばかさ歯車が使われています。

この場合、エンジンの回転する速さは、後輪の軸についている大きなかさ歯車で遅くなり、反対に回転力が大きくなります。

このため、この装置を減速機と呼んでいます。

はすばかさ歯車を使うと回転がむらなく伝わり、かみあいも静かです。
また、小さい歯車の中心を、さげてかみ合わせてあるのは自動車の振動を考えて、安定させるためです。

このようにして、後車輪は回転することかできますが自動車がカーブを曲がるときには左と右の車輪の回転速度をかえなければなりません。

このために、差動機と言う仕掛けが使われています。
これには車輪の軸のまわりに回転できる箱の中に4個のかさ歯車がついています。

蒸気タービンの歯車

蒸気タービンから、直に回転運動を取り出すと、回転が速すぎるので歯車で回転速度を落とし、回転力を大きくします。

大きなモーターを使うクレーンでも同じです。

このときの回転は、もちろん、滑らかでなければなりません。
しかし、回転力が大きいので、はすば歯車を使ったのでは軸受に大きな偏った力がかかります。

そこで、大きなやまば歯車を使って、軸受にかかる力をなくしています。

やまば歯車は、このように大きな力のかかる機械に使われ形も非常に大きく、丈夫にできています。

ハンドドリル

ハンドドリルは、金属などの板に、穴をおける機械です。
近頃は、モーターで回転させる電気ドリルが、さかんに使われていますが、値段が安くて、使い方のかんたんなハンドドリルも、まだ多く使われています。

金属に穴を開けるには、よく切れるドリルの刃を金属にあててなるべく速くまわし、金属を削りとります。

このために、ドリルの刃を取り付ける軸に、小さいかさ歯車をつけこれに、大きなかさ歯車がかみあうようにしてあります。

ハンドルで大きなかさ歯車をまわすと小さいかさ歯車によってドリルの刃に、速い回転をあたえることができます。



模型モーターの車の歯車

模型モーターで車をまわすときは、モーターの軸にウォームをつけこれにかみあうウォーム歯車の軸に、車輪をつけます。

これは、モーターの速い回転を落として車をまわす力を大きくするためです。

ウォ-ムを使わないときはかさ歯車、または平歯車の組み合わせを2組以上使わなければなりません。

しかし、ウォームを使うと1組みですみ場所もとらず、しくみもかんたんにすみます。

日よけおろしの歯車

商店などで使っている、日よけをおろしたりまきあげたりするしくみには、綱でまきあげるものかさ歯車を使うものなどがありますが、ふつうに見られるものはウォームとウォーム歯車を使ったものです。

ウォームとウォーム歯車を使ったものでは図のように、ハンドルをまわすと、ウォームがまわります。

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するとウォームとかみあうウォーム歯車がまわり歯車の軸といっしょに日よけがまかれたり、おろされたりします。

日よけがあがっているときは日よけの重さでウォーム歯車をまわす力がはたらきます。

しかし、歯車がまわろうとしても、ウォームはまわりませんからどの位置にあってもハンドルをまわさないかぎり、日よけは止まっています。

顕微鏡やカメラの三脚のラックとピニオン

顕微鏡で、レンズの筒を動かす場合には筒のわきについているつまみをまわします。

つまみの軸には、ピニオンがついていて筒にあるラックとかみあっています。
ですから、つまみをまわすと、筒が上下するしくみになっています。

カメラの三脚にもラックとピニオンが使われています。
これも、顕微鏡に使われているラックとピニオンと同じ仕組みになっていて、つまみをまわして、カメラを上下させます。




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