水の密度とは?水の体積と重さとは? わかりやすく解説!

力の利用

水の体積と重さ

注射器を用意して、その中に、水を吸いこんで口をふさぎ、筒を押して、中の水を押し縮めていきます。

しかし、中の水を押し縮めようとしてもほとんどその体積を加えることにできません。
また、筒を引き抜こうとしても、中の水はふくらまないため筒は抜けません。

このように、水の体積は、力をくわえても変化しません。
たとえば、フラスコの水をビーカーヘうつしたとしても形はかわりますが、体積には変化がありません。

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ですから、私たちは、水の体積を図のようにメスシリングーやますを使って、測ることができるのです。

また、一定の体積の水をビーカーにとりたいときにはピュレッ卜やビペッ卜などを使います。

水の重さを知るには、重さのわかっている容器に水をいれてんびんで全体の重さを測ってから、容器の重さを差し引けばわかります。


水の密度

1立方センチあたりの物の重さを、その物の密度と言います。
ですから、水の密度は、水の重さを全体の体積で割ればもとめられます。

水の密度は、だいたい1立方センチあたり1グラムです。
だいたいというのは、水の密度は、温度によってわずかずつ違うからです。

たいていの物は、熱して温度をあげていくと体積が増えます。
これを熱膨張と言います。
そのため、物の密度は温度が高くなるにつれて小さくなるのがふつうです。

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ところが、水の密度は、グラフのように、ちょうど4℃を頂点としてそれより高い温度でも、低い温度でも、小さくなっています。

高い温度で小さくなるのはふつうの物と同じですが4℃以下でも小さくなるのは、たいへん違います。

つまり、水は4℃から0℃に近づくにつれてその体積はわずかずつ膨張していることになるのです。

水には、このような性質があるので冬の寒い日に池の水が凍るようなときには、いつでも表面から凍ります。

昼のあいだにあたためられた池の水が、夜になってしだいに表面から冷えると冷えた表面の水は密度が大きくなるので、底に沈みます。

このような水の移動は、池の水全体が4℃になるまで続きます。

そして4℃以下に冷えると今度は冷えた水は軽くなるので浮くことになります。そのため、氷は表面からできるのです。

もしも、0℃から4℃までの水に、このような性質がないとするといつでも冷たい水が底のほうに沈むことになって氷は底のほうからできることになります。

そうなると、池の魚は、みな氷の中に閉じ込められたり氷の上に追い出されてしまいます。

このこと1つを考えてみても、私たちの身のまわりの自然がたいへんたくみにできていることがわかります。

また、4℃以上の水では高温になるにつれて体積が増えるため、密度が小さくなります。

物の密度は、その重さをその体積で割ったものですが水を熱したとき、重さはそのままで体積だけが増えるために密度が小さくなるのです。

密度が小さくなると、軽くなってその部分は浮き上がります。
水を熱したとき、表面からあたたかくなるのは、このためです。

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また、写真のような蒸留装置で、パイプを能率よく冷やすには、冷たい水を底のほうから入れて、上のほうから流し出すようにします。

そのほか、ボイラのパイプがななめになっているのはボイラの水を循環させて、低い温度の水を入れ代わり立ち代わり絶えず熱い炎で、あたためるようにしているからです。



比重

物の重さをくらべるのには、2つの方法があります。

その1つは、AとBのふたりの人のうちどちらが重いかをくらべる場合で、このときは、重さだけを測ればわかります。

もう1つは、ガラスと鉄とではどちらが重いかという場合でこのときには、体積が問題になります。

体積を同じにしておいてくらべるのでなければ、意味がなくなります。
この場合には、密度の大小でくらべることもできます。

また、ある決められた物を基準にして、それと同じ体積の重さがその基準の物の重さの何倍であるかをもとめて2つの物の重さをくらべる方法もあります。

このときの基準の物としては、ふつう4℃の水を選びます。
そして、その物の重さの割合を、その物の比重と言います。

たとえば、鉄の比重は、つぎのような割り算でもとめることができます。

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ところが、4℃の水1立方センチの重さを、1グラムと決めてありますから、前の式は、鉄1立方センチの重さと同じ値になります。

そのため、いろいろな物の比重はその物の密度と同じ値になりますが、比重には単位はつきません。




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