滑り摩擦・転がり摩擦とは?摩擦係数とは? わかりやすく解説!

滑り摩擦

スキーでもスケートでも、滑りはじめには最大摩擦力に打ち勝たなければならないので、大きな力を必要とします。

しかし、滑っているあいだは、運動摩擦力がはたらいているのであまり力を加えなくても滑り続けます。

このように、ある面を滑るときの摩擦を運動摩擦のうちでも、とくに滑り摩擦と言います。


転がり摩擦

まえの摩擦用の箱の実験で摩擦用の箱のかわりに斜面用のトロッコをつないでみます。
すると、さらの重さだけでトロッコは動きはじめます。

この場合、トロッコが板の面を転がって動きます。
このときの摩擦を、転がり摩擦と言います。

転がり摩擦力は滑り摩擦力より、さらに小さいので摩擦を減らす方法として機械の部分などに広く利用されています。

摩擦係数

摩擦用の箱で、板と接する面をいろいろかえてみると最大摩擦力は、まえと違った大きさになります。
つまり、箱の4つの面のうち2面は同じ性質で、接している面積が違います。

箱の広い面を接するときと、せまい面を接するときの実験をしてみるとせまい面のときの最大摩擦力と広い面のときの最大摩擦力は同じ大きさになります。

これらの実験から、最大摩擦力は、触れ合う表面の性質によって大きさが違いますが、面の広さには関係がないことがわかります。

つぎに、箱の上に分銅をのせて、重さをまえの2倍にし同じように最大摩擦力を測ってみると、2倍になっているのがわかります。

皿に分銅を増やして、摩擦用の箱を重くすると最大摩擦力も、それに比例して増えていきます。

このことから、最大摩擦力は、2つの面の押し合う力に比例していることがわかります。



紙の面と、紙やすりの面とでは、最大摩擦力が違います。
それは、表面の性質が違うからです。
この表面の性質は、摩擦係数という数であらわします。

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図のような実験をしてみましょう。

箱が動きだす瞬間は、箱を引く力Pと最大摩擦力Qとは等しくなります。
触れ合っている2つの面の押し合う力を、RとSとしますとQの力とSの力の比を、摩擦係数と言います。

同じ重さの物なら、摩擦係数の大きい物ほど動かすのに余計に力がいります。
また、動いているときでも、重い物ほど、大きな摩擦力がはたらきます。

上の表は、いろいろな物の、摩擦係数をあらわしたものです。
触れ合う面の違いによって、摩擦係数の大きさもだいぶ違うことがわかります。

摩擦の起こるわけ

2つの面のあいだに、どうして摩擦が起こるのでしょうか。
これについては、つぎのような原因が考えられています。

① 2つの面の直接ふれあう部分がくっついてしまい、それを引き離すのに、力がいる。

② 物の表面は、どんなに滑らかに見えても非常に細かいでこぼこがあり、これが互いに噛みあうので、それを乗り越えたり引きちぎったりするために、力がいる。

③ 硬い面が、柔らかい面の上にあるときは硬い面が、柔らかい面を掘り起こしたり、壊したりするために力がいる。

この様子は、触れ合う物によって、それぞれ違うので摩擦力の大きさも、いろいろかわるのです。




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