油をとるもの
植物の油は、おもに種からとれて食用のほか化粧品用・機械用・印刷用などに使われます。
また、ペイントやニスなどの塗料にまぜて使うことや唐傘や提灯などにぬることもあります。
アブラナの種からとれる油は、食用油としてもっとも広く使われるほか機械用としても利用されています。
ほかに、ゴマ・エゴマ・ダイズ・ナンキンマメなどの種からとれる油も、食用として使います。
とくに、ゴマの油は食用油として上等なものです。
ツバキの種からとれる油は、おもに髪油として使われ、ほかに、印肉用や、時計などに使う機械油にもなります。
オリーブの実からとった油は、おもに化粧に利用されます。
アブラギリやアマの種からとった油は、塗料用や印刷用に使います。
ほかに、トウゴマやヤシからも油がとれます。
砂糖をとるもの
現在使われている砂糖は、大部分が熱帯地方で栽培されるサトウキビと北の寒い地方でつくるサトウダイコンからとったものです。
ほかに、サトウカエデ・サトウモロコシ・ヤシなどからも砂糖をとることができます。
ろう・うるしをとるもの
ろうは、ハゼノキやウルシの実からとった粉を蒸してからしぼりとったものです。
塗料として使ううるしは、ウルシの幹に傷をつけて出てくる液からつくったものです。
のりをとるもの
切手などの裏につけるのりはアラビアゴムノキの樹皮から流れでる液を使ったものです。
あらいはりに使うふのりは、海藻のフノリからつくられます。
ハエとり紙の原料やとりもちはモチノキやヤマグルマの皮からとっています。
ほかに、ジャガイモ・サツマイモ・クズなどのでんぷんからも、いろいろなのりがつくられます。
染料をとるもの
いまでは、化学の力で、いろいろな染料ができるため植物からとった染料は、ほとんど使われなくなりました。
けれども、むかしは、植物からとった染料ばかりでした。
そのおもなものは、アイの茎と葉(藍色)アカネの根(赤黄色)、ムラサキの根(紫色)、クチナシの実(黄色)、ウコンの地下茎(黄色)、カシワの幹の皮(黒色)、ベニバナの花(紅色)、スオウの幹と実のさや(赤色)、サフランのめしべ(紫色)などです。
香料をとるもの
よい香りのする植物からは、たいてい香料がとれます。
香料は、香水にしたり飲食物・薬・歯みがき粉などの日用品に用いられます。
スミレ・バラ・ラベンダー・ジャスミンなどは、花から香水がとれます。
ハッカ・クスノキ・ニッケイなどは体全体から、薬や菓子にまぜる香料がとれます。
また、バエラの実からとる香料は菓子や飲み物に香りをつけるのに使われます。
いまでは、香料も化学の力でつくりだすことができます。