イモの仲間の栽培
イモ類は、むかしはイネやムギとともに大切な食料で飢饉のときなどには大きな役目を果たしていました。
いまでは副食にされるほか、でんぷんやアルコールの原料に使われています。
イモ類の栽培には、ほかの作物と違って種のかわりにイモをそのまま使います。
このイモを、種イモと言います。
サツマイモの栽培
サツマイモは、あたたかい気候に適しているため日本では関東地方から西の地方で多く栽培され北海道ではほとんど栽培されていません。
ふつう、春に苗床で苗を育て5月から6月にかけて畑に苗を植え、霜のおりるまえに獲り入れます。
毎年同じところにつくっても、構いませんが黒はん病という恐ろしい病気があり、これにかかるとイモは苦くなって、みな腐ってしまいます。
この病気がいちど出た畑には3、4年間はサツマイモを栽培することができません。
苗
10~20センチ四方に1個くらいの割合で、種イモを苗床に埋め込みイモが見えない程度に土をかけます。
苗床の温度を28度ぐらいにしておくと、10日ぐらいで芽がでます。
30センチぐらいに伸びたら、これを切り取って苗にします。
植えつけ
畑に山形のうねをつくり、うねのまん中に肥料を入れ、その上に苗を植えつけます。
うねのあいだは60~90センチ、苗のあいだは30センチぐらいにします。
苗の植えかたにはいろいろありますが、いちばんふつうの植えかたは、ななめざしです。
肥料は、窒素肥料が多すぎるとつるばかり伸びますから、注意しましょう。
手入れ
手入れはかんたんで、つるが雑草に負けないように2、3回草をとってやるだけで、充分です。
獲り入れ
霜のおりるまえに、つるを根もとのところから切り取りイモを傷つけないようにして、掘り取ります。
サツマイモは低い温度にあてると腐りやすいので、長く保存するために、いろいろな方法がとられますが、いちばん大切なことは、温度の調節です。
いつでも温度を10~15度くらいに保つようにすると、つぎの年の春まで、保存することができます。
ジャガイモの栽培
ジャガイモはサツマイモと違って、涼しい気侯に適していますから日本では関東から北の地方で多く栽培されています。
春から夏にかけて栽培するのがふつうですが、あたたかい地方では夏の終わりから秋にかけて栽培することもあります。
種イモ
あたたかい地方でできたイモほど、ビールス病にかかっていることが多いので、なるべく涼しい地方でできたイモを種イモとして使います。
また、掘りとったばかりのイモは芽がでないので堀りとってから2、3か月経ったものを使うのがふつうです。
植えつけ
60~80センチの間隔にうねをつくり,30~40センチおきに種イモを1個ずつ植えつけ、その上に、6~9センチぐらいの厚さに土をかけます。
種イモが40グラムぐらいの場合は、そのまま植えつけますが大きいものは3つか4つに切って植えつけます。
肥料は、イモとイモとのあいだにほどこすようにします。
手入れ
芽が出てから1週間ほど経ったら1かぶについて芽が2、3本になるように間引きします。
このあと、雑草に負けないように草とりをし追ごえをいちどやるのがふつうです。
病気で恐ろしいのは疫病で、これをふせぐためにボルドー液を2、3回かけてやります。
獲り入れ
茎や葉が黄色くなって、枯れはじめたころに掘りとります。
貯蔵
2、3日、日かげでよく乾かしてから涼しい所においたり、よく乾いた所に浅い穴を掘って、そこに埋めたりして貯蔵します。