シダ・コケ・キノコの採集
シダ・コケ・キノコなどは、日かげのじめじめしたところが好きなので森や林の中の日かげのところに多く見られます。
シダ・コケ・キノコなどは、なるべく胞子のふくろのついたものをとるようにします。
胞子は、花の咲く植物の花や実にあたるものだからです。
シダの採集
シダの仲間は、胞子のふくろのつきかたや葉の柄についた毛やうろこのようなもの(りんぺん)に特徴があり種類を見分けるのに役立ちますから、必ず、根や胞子のふくろのついたものを採集するようにします。
胞子のふくろは、たいていのシダでは、ふつうの葉の裏についていますが、なかには、ゼンマイ・シシガシラなどのように特別な葉についているものがありますから注意します。
コケの採集
コケはスギゴケの仲間(せん類)、ゼニゴケの仲間(たい類)、ウメノキゴケの仲間(地衣類)の3つにわけられます。
たいてい、地面や木の幹や岩の上などにはえています。
けれども、サルオガセのように、高い木の枝について糸のように、たれさがっているものもあります。
せん類は、ふつうの植物のように、おし葉標本にしてもよいのですが採集したら土をおとしてセロハン紙でつくった縦・横それぞれ10センチぐらいのふくろに入れそのまま、自然に乾かしたものでも、よい標本になります。
たい類は、せん類と違って水分が多いので、おし葉標本にします。
せん類とたい類の採集で、注意することは胞子のできるめかぶと胞子のできないおかぶの別があるものが多いことです。
このような種類は、なるべくめかぶとおかぶを両方とも採集しなければなりません。
地衣類は、さまざまな形のものがありますが、せん類と同じようにセロハンのふくろに入れて、自然に乾かせば標本になります。
コケも、草や木やシダと同じく、採集した場所や月日を書いておきますが、なお木の幹・岩の上などと、はえていたところも書いておきます。
キノコの採集
キノコの仲間は、秋に、いろいろな種類がはえるので秋が採集に適しています。
キノコは、たいていやわらかく、壊れやすいので、持ち運びに注意します。
とくに、ハツタケやベニタケなどは、壊れやすいものです。
また、キノコには毒のあるものが多いので、食用にするためのキノコの採集は、よく種類を調べなければなりません。
それには、先生やキノコの種類をよく知っていいる人に聞くのがよいでしょう。
海藻の採集
海藻は、ふつう磯で採集しますが、そのほか砂浜でも採集します。
海岸の深さは、潮の干満によって違いますから、いちばん浅くなる大潮の日の干潮のときが採集に適しています。
また、海藻は1年生のものが多く、たいてい、春から初夏にかけて、いちばんよくしげります。
ですから、海藻の採集は、昼の潮が1年中でもっともひく4、5月の大潮のころが、いちばんよいことになります。
海藻採集の道具
足には、布でできたそこの厚い足袋か、ワラジや草履を履きます。
海藻の入れものは、どうらんよりも、かごや布ぶくろ、
ビニルのふくろなどが、便利です。
また、小さな海藻を入れるために、くだびんや広口びんなどを用意します。
このほか、ピンセット・ナイフ・ハンマー・たがね・いそがね・かま
水中眼鏡か、のぞき箱などがあれば充分です。
採集の注憲
海藻は、はえている場所や時期により、形がかわっていることが多く反対に種類が違っても、形が似ていることがあります。
また、同じかぶでも、上と下で形が違うことがあります。
ですから、同じ種類と思っても、なるべく多くとり、とるときは海藻全体をとるようにします。
また、採集が終わったら使った金具は必ず、真水で洗っておきます。
磯採集
磯採集は、潮がひいて浅くなった海岸や手の届くような浅いところにはえている海藻をとります。
このときは、海藻のはえている様子や、はえているところにも注意します。
砂浜の採集
砂浜の採集は、台風などによって、海が荒れたつぎの日に砂浜に打ち上げられた海藻を集めます。
深いところにはえている、思いがけない種類の海藻が、とれることがあります。