世界の動物の分布とは?日本の動物の分布とは?

世界の動物の分布

熱帯には熱帯に適した動物が寒帯には寒帯に適した動物が住んでいるのですが同じ熱帯でもアフリカと南アメリカとでは、住んでいる動物はかなり違います。

これは、2つの大陸がはなれているために一方の大陸の動物が他方の大陸にうつっていくことができないで、それぞれ違った方向に進化してきたからです。

このことを考えにいれて、現在の動物の広がりを整理すると世界は旧北区・新北区・エチオピア区・東洋区・オーストラリア区・新熱帯区の6つにわけることができます。

このうち旧北区と新北区をあわせて全北区、エチオピア区と東洋区をあわせて旧熱帯区ということもあります。

また、世界全体を大きく3つにわけ、オーストラリア区を南界、新熱帯区を新界、他の全部をあわせて北界と言うこともあります。


旧北区

アジアの大部分、ヨーロッパ、アフリカ北部をふくむ地域でパンダ・タヌキ・イノシシ・カモシカ・カササギ・コマドリなどが住んでいます。

新北区

北アメリカとグリーンランドをふくむ地域でアライグマ・カナダヤマアラシ・スカンク・コモリネズミ・シチメソチョウなどが住んでいます。

エチオピア区

サハラ砂漠より南のアフリカとマダガスカルをふくむ地域でツチブタ・キリン・ゴリラ・チンパンジー・ダチョウなどがいます。

マダガスカルは、かなり古くアフリカ大陸からはなれたために、あとで栄えた大きな動物は住んでいません。

そのかわり、テンレックなど原始的な食虫類(モグラやジネズミの仲間)や、キツネザルなど原始的なサルがいいます。

東洋区

インド・イソドシナ・台湾などをふくむ地域でオランウータン・テナガザル・メガネザル・クジャクなどが住んでいます。

ライオン・チーター・ゾウ・センザンコウ・コブラなどは東洋区だけでなくエチオピア区にもいます。

東洋区とオーストラリア区のさかいは、古くから問題がありセレベス島やチモール島などをオーストラリア区にふくめるウォーレス線と、それらの島を東洋区にふくめるウェーバー線などがあります。

これらの境界線にはさまれる地域には、両区の動物がまじっています。

また、クスクス・コモドオオトカゲなど、この地域特有の珍しい動物もいます。

オ-ストラリア区

オーストラリア・ニューギニア・ニュージーランドをふくむ地域でカンガルー・コアラーカモノハシーハリモグラなど原始的な獣がいるほか、ヒクイドリ・エリマキトカゲ・マツカサトカゲなどがいます。

この地域にはネズミやコウモリの仲間をのぞくと高等な獣は住んでいません。

これは、他の高等な獣がまだはびこらないうちに、この地域がアジア大陸からはなれてしまったためです。

新熱帯区

中央アメリカ・南アメリカ・西インド諸島をふくむ地域でオポッサム・ナマケモノ・アリクイ・アルマジロ・キヌザル・イワドリ・イグアナなどが住んでいます。

南アメリカは、もとは北アメリカとははなれていました。
ピューマ・スカンク・アライグマなどは陸続きになってから北アメリカよりうつったものです。



日本の動物の分布

日本は、世界的分布から見ると、大部分が旧北区に属していますが奄美大島より南は、東洋区に入り、その境界線を渡瀬線と言います。

また、旧北区にふくまれる部分を、さらに細かくみると本州・四国・九州にはあまり差がありませんので、ひとまとめにして本州区といい北海道だけを別にして北海道区と言います。

本州区と北海道区の境界は、津軽海峡にあり、この境界線をブラキストン線と言います。

ほかに、北海道と樺太(サハリン)のあいだに八田線とよばれる境界かわりますがこれは、は虫類や両生類をもとにしたものです。

つまり、は虫類や両生類では北海道も、本州・四国・九州とあまり差がないということです。

本州区には、サル・ツキノワグマ・アナグマ・カモシカ・イタチ・ヤマネなどの獣のほか、キジ・ヤマドリ・トノサマガエルなどがいます。

これに対して北海道区には、ヒダマ・エゾテン・ナキウサギ・エゾヤマドリ・エゾアカガエルなどが住んでいます。

また、奄美大島には、アマミノクロウサギやハブがいます。




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