人に害をする動物とそのふせぎかたとは? わかりやすく解説!

人や家畜を襲う動物

クマ・ライオン・ヒョウ・トラなどの猛獣は人や家畜を襲うことがあります。

イヌ・ネコ・イタチなども、しばしば家畜を襲います。
ヘビは、ニワトリの小屋に入り、たまごを飲んでしまうこともあります。

しかし、これらの害は飼い主が注意すれば、ある程度、ふせぐことができます。

また、人間をはじめ、ウシやウマ・ブタのような家畜やニワトリなどに、寄生虫が住みつくことがあります。

寄生虫の害をふせぐには、外部寄生虫にたいしてはクロルピクリン・リンデン・除虫菊剤・石油乳剤などが使われます。

内部寄生虫にたいしては、食物に注意して寄生虫のたまごを体内に入れないようにます。

もし、体内に寄生虫のいることがわかったときは適当な薬を使って、体の外に出したり、殺したりします。

カイチュウなどはサントユンやフェノチアジンなどによって駆除することができます。

寄生虫のほかにも、人や獣に害をするものがいます。

昆虫のカ・サシバエ・ウマバエ・ウシバエなどは人間・ウシ・ウマ・ニワトリなどにたかって血液を吸い貧血や栄養障害などを起こさせます。

スズメバチは、ミツバチを食い荒らす害虫です。

また、ドクガという恐ろしいガでは、その羽根のりん粉が人や家畜の皮膚に触ると、皮膚病を起こします。

これらの害虫をふせぐにはDDVP・バイジッ卜・タバコの煮汁、除虫菊剤などで殺します。
家畜を飼うときには、いろいろな害虫の幼虫が発生しないように注意します。


作物や森林をあらす動物

作物や森林が、動物によって受ける害にはいろいろありますが昆虫による害、鳥による害、獣による害などにわけることができます。

昆虫による害

昆虫による害は非常に多く、そのおもなものは表の通りです。
これらは、ほんのわずかな例だけにすぎません。

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バッタの仲間でも、急にたくさん増えたときは大群をつくって農作物を食い荒らすことがあります。

このほか、昆虫ではありませんがアメリカザリガユは天敵がいないので非常に増え水田に穴をあけて、イネに害をあたえています。

鳥による害

鳥たちのうちで、いちばん大きな害をするのは、スズメたちです。
スズメには、スズメとニュウナイスズメの2種類があります。

スズメは、4~6月に繁殖しますが、このころは害虫をさかんにとるので、私たちにとっては、ありがたい鳥です。

しかし9、10月には、たくさんのスズメが群れをなして刈り入れ前の、よく実ったイネを食べ荒らします。

ニュウナイスズメは北海道・東北地方などに多く、おもに穀物ばかり食べるので、ちょうどイネの実るころには、たいへんな害をあたえます。

スズメの害をふせぐには、鳴子や、きらきら光るものを田の上につるしたり、かかしを立てたりしますが、このような古めかしい方法でも、いくらかは、ふせぐことができるようです。

いちばんよい方法は、スズメをどんどんつかまえることですが、それでも、なかなか完全には、ふせぎきれないようです。

獣による害

ノネズミ・モグラ・イノシシ・クマなどの獣たちは畑を荒らし、作物に大きな害をあたえることがあります。

ノネズミは、ツメクサ・ムギなどの新芽やダイズの茎・葉などを食べたり、サトイモやジャガイモをかじります。

モグラは、土の中に住んでいて、トンネルを掘るので作物の根を浮き上がらせたり、食いきったりして作物の生長を害します。

イノシシやクマは、ふだんは山奥に住んでいますが、秋になって、えさが少なくなると人里にでてきて、いろいろな農作物を食い荒らします。

森林をあらす動物には、ノウサギ・ノネズミ・ムササビ・リス・クマ・キツネ・タヌキ・シカ・イノシシ・モグラなどがあります。

これらの動物は木の実を食べたり木の枝や根をかじったり木の皮をむいたり、苗を踏んだり、倒したり林の地面を掘り起こしたりします。

ノネズミをふせぐには、亜ひ酸・ストリキニーネなどの毒物を混ぜたえさで殺す方法や、ネズミの伝染病を起こすバクテリアを混ぜたえさを食べさせて、病気をネズミたちに伝染させて、退治する方法もあります。

また、ネズミの天敵であるイタチがネズミをどんどん食べて退治してくれることもあります。

そのほか、ノウサギ・イノシシ・クマなどは、罠や、猟銃でとらえます。



住まいや着物のをあらす動物

大切な書物や、軸物のような、のりのついたものが虫のためにかじられることがあります。

こういう害をするのはシミという小さな虫です。
シミは、太陽の光を嫌うかわった動物なのです。

乾いた毛皮、動植物の標本、まゆなどをかじる虫にはカツオブシムシの仲間がいます。

幼虫は、毛ぶかい細長い虫でヒメマルカツオブシムシ・ヒメカツオブシムシ・トビカツオブシムシなどがあります。

また、イガといって、着物をあらす小さなうす茶色のガがいます。
このガは5月ごろ、毛織物・毛皮などにたまごを生みます。

このたまごからは、白い幼虫がかえり、これが着物を食い荒らします。
シミも、着物を食い荒らします。

このような虫は日光がたいへん嫌いですから書物や着物などをよく日光にあてれば、たまごも虫も死んでしまいます。

もし、これらの虫が、たくさん増えたときはパラジクロルベンゼンや、インセクトールなどを使って退治します。

着物などをしまっておくには、これらの虫がよってこないようにナフタリン・ショウノウなどを入れておくことが大切です。
毛皮・動植物標本をしまっておくには、亜ひ酸などを使います。

これらの虫のほかに、イエネズミは、食物や材木などをかじるくせがあり家のつくりを、ところ構わずかじる悪い動物です。

イエネズミは、ネズミとりで捕まえるか、毒えさで殺すようにします。




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