動物がにおいを嗅ぐしくみ、味を感じるしくみとは?

動物・植物

脊椎動物の平こう器

獣・鳥・ヘビ・カエルなどは体のつりあいを保つために平こう器をもっています。

これらの動物の平こう器は、三半規管というもので、そのしくみは人間の三半規管とあまりかわりません。

ネコを逆さまにして落としても、ふつうの姿勢で地面につきます。
これは、平こう器がはたらいて、ひとりでに筋肉を動かし体の向きをかえるためです。

カエルを板に乗せて、傾けてみると頭を上げたり、下げたりして正しい姿勢を保とうとします。

これも三半規管のはたらきによるのです。
鳥やカエルでも平こう器を取り去ると正しい姿勢を保つことができません。


無脊椎動物の平こう器

カニや貝・クラゲなども平こう器をもっていて体のつりあいを保っています。

これらの動物の平こう器のしくみも脊椎動物と、だいたい同じです。
内側に毛のはえた平こうのうというふくろがあって、その中に平こう石という石があり、毛で支えられています。

体が傾くと、平こう石がおす毛の位置がかわってくるので体の傾き具合がわかるのです。

アブやハチの仲間では、左右一対の羽根とならんで一対の小さい棒のようなものが出ていますが、これが飛んでいるときに作用して、体のつりあいを保っています。

脊椎動物のにおいを嗅ぐしくみ

ふつう、獣は人間と同じようなしくみの鼻をもっていて、においを嗅ぎわけまで鼻の奥には、においを受け取る部分があって吸いこんだ空気中のにおいは、ここで受け取られ、神経から脳に伝えられて、においの感じがおこります。

たいていの獣は、においに対して、たいへん敏感で食物のありかや、敵や味方などを、においで嗅ぎとることができます。

鳥では、においを嗅ぐしくみは、あまり発達していませんがカモやキウイなどはにおいでえさを探すことができます。

魚にも鼻があり、これでにおいを嗅ぐことができますが獣や鳥と違って、鼻の奥が口とつながっていません。

無脊椎動物のにおいを嗅ぐしくみ

昆虫では、触角に脊椎動物の鼻にあたる穴があり、その奥に、においを受け取る部分があります。

昆虫たちは、わずかなにおいにも感じますし、いろいろなにおいを嗅ぎわけることもできます。
触覚は、ものに触れた感じを受け取るしくみもあります。

ミツバチは仲間のにおいや巣箱のにおい、魚のにおいなどを区別します。
また、あるガのおすは、8キロメートルもはなれた、めすのにおいを知ることができると言われています。

カタツムリなどでは触角だけでなく皮膚全体でにおいを感じるようです。



味を感じるしくみ

味は、においと違って、遠くにあるものを感じるわけにはいきません。

ものが口に入って水に溶け、舌や口の特別な味を受け取る部分を刺激し、それが脳に伝えられて、はじめて味がわかるのです。

脊椎動物の味を感じるしくみ

獣たちは、私たちと同じように、舌や口の中で甘味・辛味・酸味・苦味などの味を、区別することができます。

鳥やカエルは、味を感じるしくみが、あまり発達していません。

魚は、口と鼻がつながっていませんから、私たちのように味とにおいが混ざることはありません。

ナマズやコイなどでは、味を受け取る部分が口の中だけでなく体の表面のいろいろなところにあり、甘味や、辛味もよく感じます。

無脊椎動物の味を感じるしくみ

昆虫の仲間も口で味を受け取るのですが、おもしろいことにミツバチやチョウは、前足の先でも味を感じるのです。

前足に砂糖水をつけると口をのばして蜜を吸うときと同じしぐさをします。

また、甘味・辛味・酸味・苦味などの味の種類を区別することができると言われています。

クラゲ・ミミズ・ヒトデ・貝・エビなども味を感じるということが知られています。

これらの動物は、人間が感じるものばかりでなく人間には少しも味のないものにさえも味を感じることができます。




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