動物暦と植物暦とは? わかりやすく解説!

動物暦と植物暦

ウグイスは春に、モズは秋にあらわれるというように季節の目安になるような動物が、たくさんいます。

それぞれの動物が、1年を通じて、いつあらわれ、どんな活動をするかなど季節による活動や状態のうつりかわりをもとにしてつくったのが動物暦です。


同じように、ある植物が、花を咲かせたり紅葉したりする時期も1つの地方では、毎年それほどかわりません。

これをもとにしてつくったのが植物ごよみです。

動物暦と植物暦を、いっしょにして、生物ごよみ、あるいは生物季節などとも言います。

この生物暦によって生物の姿から季節のうつりかわりを知ることもできます。

気象庁では、全国の気象台や測候所からくる報告をまとめ生物季節として、いろいろなことに利用しています。

報告することがらは気象庁できめたもので生物の種類は全国どこにでも分布するもの、よく見かけられ種類の見分けが簡単なものを選んであります。

例をあげると、つぎのようなものです。

①力エル・ヘビ・トカゲの冬眠した日、冬眠から冷めた日。

②ツバメ・ガン・カモなどのわたり鳥がわたってきた日
かえっていった日。

③ウグイス・ヒバリ・モズなどがはじめて鳴いた日。

④トンボ・モンシロチョウ・コオロギ・キリギリス・セミの仲間などが
はじめてあらわれた日。

⑤ウメ・サクラ・ツバキ・ツツジ・ハギ・サルスベリなどの開花日。

⑥カエデ(モミジ)・イチョウなどの紅葉日(黄葉日)と落葉日。

このうち、開花日とは、ふつう、一枝に5、6輪咲いた日、紅葉日とは大部分の葉が色づき緑の葉がほとんど見られなくなった日を言います。

動物が冬眠するのは、活動できにくい気候になったからですし、わたり鳥がくるのは、その鳥たちにとって都合のよい気候になったからです。

また、花が咲くのは、その植物にとって開花に適した気候になったからです。

このように、生物の活動する気候は、だいたい決まっています。
いっぽう、各地の平均の気温なども調べられていますから生物季節の報告を見れば、ある地方の気候が、いつもの年より遅れているのか早いのか、ほかの地方にくらべてどう違うかなどがわかるわけです。

季節のうつりかわりは、だいたい決まっていますが年によっては、いくぶん違います。

このことから、農家では、種まきなどの作業を何月何日と決めるよりも、どの木の芽が伸びはじめたら何の種をまき、どの花が咲いたら何を移植するという具合にしたほうが自然の条件にあった作業が進められることになります。

また、あたたかくなるのが遅れている年にはイネなどの作物は、わせの品種を選び凶作を咲けることもできます。




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