ヘビ・カエルの冬眠
ヘビ・カエル・カメなどは、変温動物なので冬になってまわりの温度が下がると体温も下がり活動できなくなります。
それで、土の中や木の根の下、泥や落ち葉などの下にもぐって寒い冬を過ごします。
気温や地面の温度が大きくかわるのにくらべると土の中の温度はあまりかわらず、地下10センチでは1日中に3度ぐらい、地下30センチでは一度ぐらいしかかわりません。
冬眠中は、じっとしていて目を閉じ呼吸もあまりせず脈もわずかしかうちません。
触ってもわからず、ぐったりして死んだようになっています。
昆虫の冬越し
昆虫も、変温動物ですから冬がくると、いろいろな方法で寒さにたえていかねばなりません。
多くの昆虫は、たまごから成虫(親)になるまでに幼虫、さなぎと姿をかえます。
たまごやさなぎは硬い殻をかぶっているし、幼虫は木の幹の中や石の下、土の中などに、もぐることができます。
それで成虫よりも、たまごやさなぎ・幼虫で冬を越すものが多いのです。
成虫で冬越しするもの
チョウの仲間では、キチョウ・アカタテハ・ルリタテハ・ヒオドシチョウ・ムラサキシジミなどで、木の穴などに隠れています。
甲虫では、ウリハムシ・テントウムシ・ゴミムシの仲間などが落ち葉の下などに隠れて冬を越します。
ハチの仲間ではアシナガバチ・スズメバチなどは女王バチだけが物影に隠れて、春をまっています。
ミツバチでは、女王バチをはたらきバチが囲んで、じっとしています。
巣の中の温度があまり下がると、たくわえた蜜を食べたり羽根をふるわせて体温を上げ、その熱で巣の中をあたためます。
アリは女王アリ・はたらきアリ・幼虫が地中深くもぐって冬越しをします。
ゲンゴロウ・ミズスマシは、水中の泥の中にもぐって冬を過ごします。
また、タイコウチ・ミズカマキリなども水中の泥の中や水からあがって、湿った落ち葉の下などで寒さにたえています。
さなぎで冬越しをするもの
アゲハチョウの仲間は、ほとんど、さなぎで冬を越します。
春や夏に幼虫やさなぎになったものは2週間ぐらいでチョウになりますが、秋にさなぎになったものは、よく年の春まで、じっとしているわけです。
ニカメイガやサンカメイガはイネの切り株の中にまゆをつくり、さなぎで冬を越します。
幼虫で冬越しをするもの
モンキチョウ・ベニヒカゲ・ヒョウモンチョウ・ベニシジミ
ヤマトシジミ・ゴマダラチョウの仲間のほとんどは幼虫で冬を越します。
マツカレハなども、やはり毛虫の姿で木の皮の下などや落ち葉の下などにいます。
甲虫の仲間では、コガネムシ・コメツキムシが幼虫の姿で地中に隠れカミキリムシの幼虫は木の幹の中にトンネルを掘って、冬を過ごします。
セミの幼虫は、地中で冬越しをします。
たまごで冬を越すもの
ミドリシジミ・アカシジミなどが、たまごで冬を越します。
成虫は、夏、これらの幼虫の食草となる草や木のそば、芽の近くなどに、冬越しをするたまごを生みつけておくのです。
オビカレハやクスサンも、たまごのすがたで寒さにたえています。
また、バッタ・コオロギの仲間は、たいてい土の中にたまごで冬を過ごします。
カマキりの仲間も、たまごで冬を過ごしますが、たまごは泡のかたまったようなものに包まれています。
貝の冬越し
多くの貝は、ねばねばした液で貝殻の隙間を閉じ泥や砂の中に、もぐって冬を越します。
カタツムリは、陸に住む貝の一種で、やはりねばっこい液でからの口を閉じ、落ち葉の下、木の根もとなどに隠れて春の訪れを待ちます。
魚の冬越し
魚も変温動物ですから、冬になって水が凍ると浅い池や沼にいるものは、体も凍ってしまいます。
ですから、コイやフナなどの池や沼の魚は冬のあいだ水の底のほうで枯れ枝や枯れ葉の影、ときには泥の中にもぐってじっとしています。
池や沼では、水の上のほうは冷たくても、底のほうの泥の中は、そんなに浅くなければ、あんがい温度が高いのです。