昆虫のいろいろな集まり
昆虫は、たいてい1匹ずつで暮らしていますが種類によっては同じ仲間のものが、たくさん集まって暮らしていることもあります。
同じ昆虫が同じ場所に集まるときには、いろいろな場合があります。
同じえさのまわりに集まるものや、ある時期になると群れをつくるものもあります。
親子の集まりや、社会生活を営むための集まりもあります。
食物のための集まり
ごみためを探すと、オオヒラタシデムシの親虫や子虫がたくさん集まっているのを見ることがあります。
この虫は腐ったものだけを食べるので自然とごみために集まってくるのです。
しかし、えさがなくなれば、また、ばらばらに散ってしまいます。
ですから、同じ場所にいるといっても食物のためだけの集まりで、とくに助けあったりするわけではありません。
冬越しや、引っ越しのための集まり
食物のために集まる昆虫のほか、寒い冬を越すために同じところに集まっているものがあります。
たとえば、ウリハムシやテントウムシなどが、よく草の根もとに群がっているのを見ることがあるのは、この例です。
また、アキアカネやモンシロチョウなどのように住みかをかえるときになると群れをつくるものもあります。
家族生活を営む集まり
昆虫のなかには、家族生活をしていて母虫が子どもの世話をするものがあります。
ときにはコオイムシのように父虫がたまごを背中に乗せて、手伝うものもいます。
母虫が、たまごや、かえりたての幼虫をまもるものにはケラ・ハサミムシ・モンキツノガメなどがあります。
また、アナバチやハナバチの仲間のうちにに母バチが幼虫のために巣をつくるものがあります。
このハチたちは、幼虫のために狩りにでかけて昆虫か、またはクモをつかまえてくるので、狩人バチと言います。
あるハナバチの仲間では昆虫のかわりに花粉と蜜を集めて幼虫のえさにします。
これらのハチでは母バチは幼虫がさなぎになるまでえさをあたえ、そのあとは、子虫の世話をしないのがふつうです。
社会生活を営む集まり
ハチやアリの仲間で、ある種類のものは幼虫のどれかが親虫になっても、巣を去らないで妹や弟の世話をします。
この暮らしかたは家族生活よりも進んでいて親虫たちの毎日のしごとには、受け持ちが決まっています。
そのために、この集まりでは、同じ種類の動物でありながら体つきや習性などが、違うようになったものもまじっています。
このような暮らしかたを昆虫の社会生活と言います。
社会生活をする昆虫たち
昆虫で社会生活を営むものの、おもなものにはシロアリ類とハチ・アリ類があります。
シロアリ類はアリと言っても、ふつうのアリとは体の形や性質がたいへん違います。
羽根のあるものと羽根のないものと2種類ありますが羽根のあるものは、前羽根とうしろ羽根とが、ほとんど同じ形で、同じ大きさをしています。
シロアリ類には、たくさんの種類がありますが熱帯地方に多くの種類がいます。
日本に住むおもなものに、ヤマトシロアリとイエシロアリがいます。
アリ類は、世界で600種、日本でも100種ぐらいいますが、たいていは土の中に巣をつくります。
ハチ類は、全部が社会生活をするわけではありません。
社会生活をするものは、スズメバチ類ではスズメバチの仲間とアシナガバチの仲間です。
ハナバチ類ではマルハナバチの仲間とミツバチの仲間が社会生活をします。