植物の冬越しとは? 草や作物の冬越しとは? わかりやすく解説!

動物・植物

植物の冬越し

植物が生活するうえに、いちばん都合の悪いことは雨が少ないことと気温が低いということです。

日本では、冬になると、いくらか雨が少なくなりますが四季を通じて植物が育たないほど、雨が少ないということはありません。

しかし、気温は、春・夏・秋・冬によって、たいへんかわります。
このうちで、冬はとくに気温が低く、植物にとって、たいへん暮らしにくい季節です。

このような冬を植物がどのようにして過ごしているか調べてみましょう。


冬に強い種

種(種子)は植物の体のうちでも、ほかの部分と違って水分を少ししかふくんでいません。

それで寒さのために凍ったり、乾き過ぎてしおれたりして死ぬことがなく冬などの暮らしにくい季節でも乗り越えることができます。

ですから、冬を越せないような弱い植物は葉や茎や根が寒さのために枯れてしまっても、秋のあいだに種を実らせておいて種の形で冬を越します。

種は、冬のあいだ水を吸わず芽を出すこともなく眠って過ごします。
このようなありさまを休眠と言います。

ハスの種のように何千年ものあいだ地下に休眠していたものもあります。

一年草の冬越し

春に芽ばえて、その年のうちに、枯れてしまうものを一年草と言います。
このような植物は、みな種で冬を越します。

ブタクサ・エノコログサ・オヒシバ・メヒシバなどの雑草・ソバ・トマト・イネなどの作物、ホウセンカ・アサガオ・コスモス・などの草花などが一年草です。



越年草の冬越し

越年草は、苗で冬越ししますが、多年草ほど長生きしません。

また、越年草はふつう冬型一年草をさしますが二年草をふくむこともあります。

冬型一年草には、ヒメジョオン・ホウレンソウ・ムギなどがあります。
この冬型一年草に対して、まえの一年草を夏型一年草ということがあります。

冬型一年草は、夏から秋にかけて、熟した種が地面に落ちると、すぐに芽を出して生長し、葉の形をロゼッ卜という形にして冬を越し、つぎの年の春に花が咲きます。

ロゼッ卜は、丈が低く、オエタビラコ・タンポポなどのように葉が根ぎわから地面に平たく広がっています。
それで、寒い風からまもられ、冬を越すことができるのです。

二年草とは冬型一年草と同じように、秋に芽ばえて冬を越しますが、はじめの1年間は、生長を続けるだけで2回冬を越してから、はじめて花を咲かせるものなのです。

二年草には、フウリンソウやコケリンドウなどがあります。

多年草の冬越し

一年草や越年草と違って何年も何年も生長するものを多年草と言います。
冬越しのしかたには、つぎのようにいろいろあります。

① 葉を地面にはわすようにして枯れずに冬を越すものチドメグサ・カタバミ・ハルジョオン・ギシギシ

② 地面のすぐ下の地下茎や根に芽をつけて、冬越しをするものスミレ・リンドウ・スゲ類

③ ふつう球根と言われるもので地中の深いところで地下茎や根に芽をもって冬を越すものオユユリ・ヤマノイモ・アマドコロ・クワイ、多年草はこのような冬越しのほかに、種での冬越しもします。




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