植物採集の道具
植物の採取は、道具ががなくてもできますが、やはり道具があると便利です。
道具には、自分でつくれるものもありますから、かんたんなものはつくるようにしましょう。
どうらん
採集した植物を持ち運ぶのに、遠いところでとってきたものなどは時間が経つと、しおれてしまいます。
このようなときに、どうらんを使います。
どうらんは、ブリキやトタンでできたカバンのような入れ物で大きさはいろいろあります。
かたから、ひもでさげるようにできています。
やさつ
採集した植物を運ぶのに、どうらんのかわりに、やさつを使うこともあります。
やさつは、竹や金網やベニヤ板を2枚あわせて、ひもで肩からさげられるようになっています。
そのあいだに、新聞紙や吸いとり紙をいれて採集した植物を紙にはさんで運ぶのです。
根ほり
植物は、なるべく根もいっしょに採集するのが、正しい方法です。
根を掘りとる場合は根掘りを使います。
根掘りは、鉄でできていますが竹などを使って、自分でつくることができます。
長さ30センチほどの太い竹を4つに割って、その先を削ってとがらせ、もとのほうを手で握れるようにすれば、根掘りとして使えます。
そのほかの道具
このほか、せん定ばさみ・木ばさみ・虫眼鏡(ルーペ)・ノートーテープ・鉛筆や万年筆、新聞紙などを用意すると、便利です。
また、森林へいくときは、先の曲がったステッキのような棒をもっていくと高い木の枝などをとるときに便利です。
採集した植物のかんたんな持ち運びかた
どうらんややさつを使わずに採集した植物をかんたんに持ち運ぶこともできます。
それには、新聞紙とビニルのふろしきがあればよいのです。
まず、葉の厚い木や草、イネ科やカヤツリグサ科の植物のように
葉の硬いものは何本もいっしょにし、新聞紙に包んで上からひもでしばります。
また、やわらかい種類のものは、やさつにはさむように
新聞紙に1本ずつはさみ、はさんだ新聞紙をいっぽうからまるくまいて、
ひもでしばります。
こうしたものをビニルのふろしきで包んでおけば
植物の形を崩さないで、持ち運ぶことができます。
このほか、週刊誌や列車の時刻表などを利用する方法もあります。
採集した標本を新聞紙などにはさむのと同じように週刊誌や時刻表にはさめば、リュックサックやカバンなどのようなものに入れても植物の形が崩れないので便利です。
草や木の採集
植物は、土地や季節によって種類が違います。
採集するときは、土地や季節の違いに注意しなければなりません。
また、小さい草は、見落としやすいものです。
草の採集
植物の採集は、家の近くの草からはじめます。
庭や道ばたの雑草から、野原、池や川、森や林、山と、しだいに場所を広げていきます。
はじめは、どんな草でもとりおとさないように採集します。
そして、必ず、つぼみや花の実のついたものをとります。
葉と茎だけでは、完全なものとは言えないのです。
また、同じものがたくさんあるときは、そのなかでいちばんよいものを採集します。
そして、できるなら、同じものを何本もとっておきます。
採集した植物は、紙テープなどに採集した場所・年月日などを書いて、茎にむすんでおきます。
場所は、都・道・府・県・郡・市・町・村などを書きます。
木の採集
木も草と同じように採集します。
大きな木は根をとることができませんから、枝だけにします。
花や実がついているとよいのですが草と違って、葉だけで特徴がわかることもあります。
切り取る大きさは新聞紙4つ折りぐらいが、持ち運びに便利です。