気管でする呼吸
バッタを捕まえて、腹の部分をよく観察すると、たえず小刻みに動いています。
虫眼鏡でよく見ると腹の横に小さな穴がならんでいて、開いたり、閉じたりしています。
この穴を気門と言い、ここから空気が気管に出入りします。
気管は、体の両側にある管で、頭から腹にまでつながっています。
そして、ところどころから細い管で枝わかれしていて体全体に行き渡っています。
それで気門から入った空気は、気管によって体のすみずみまで運ばれますがこのとき、気管の壁を通して空気中の酸素が体に取り入れられ体にできた二酸化炭素は、気管から気門を通って外に出されます。
バッタが腹を動かしているのは、私たちが胸を動かして、息を吸ったり、吐いたりするのと同じはたらきをしているのです。
昆虫たちは、みなバッタのように気管で呼吸しているのですが水中に住む昆虫たちは、呼吸のしかたに、いろいろな違いがあります。
ミズカマキリやボウフラは、尾の先に長い管があって、そのはしを水面にだして空気を吸います。
ゲンゴロウは、水面に、ときどき浮かび出て、はねと胸・腹とのあいだに空気を入れます。
この空気を呼吸に使うのです。
また、マツモムシやガムシは、体の一部の細かい毛のはえた部分に、空気の泡をつけてから水中にもぐり、その空気を使って呼吸しています。
皮膚呼吸
カエルは、大きくなって陸に上がるようになると肺で呼吸をしますが同時に皮膚呼吸もしています。
皮膚呼吸のしくみは、皮膚についている水にふくまれた酸素を体の中に取り入れ、体の中にできた二酸化炭素を皮膚を通して外に捨てるのです。
カエルは、この皮膚呼吸をするために、いつも皮膚が湿っているのです。
皮膚が乾いてしまえば、皮膚呼吸ができなくなり、死んでしまいます。
腸呼吸
ドジョウは、えらや皮膚で呼吸するほか、腸でも呼吸しています。
ドジョウは、ときどき水面に頭を出して空気を飲みこむと、すぐ、肛門から空気の泡を出しながら、沈んでいきます。
飲みこんだ空気が、消化管を通って肛門から出るあいだに腸の壁で酸素が吸いとられるのです。
クモの呼吸器
クモをとらえて、8本の足を背中側に持ち上げて、腹を見ると2つの円形、または半円形をしたかっ色のものが見つかります。
この中は、ちょうど何枚も紙を重ねたようになっていて、そこから空気が出入りして呼吸がおこなわれています。
これがクモの呼吸器で、書肺と呼ばれます。