水の中の植物の群れ
水の中にも、さまざまな植物の群れがあります。なかでも重要なのは、植物プランクトンです。
ちかごろよく話にのぼるクロレラも、真水の植物プランクトンですが、このほかにも、らんそう類・緑そう類・けいそう類などのたくさんの種類の植物プランクトンが真水にも海水にも生活しています。
植物プランクトンは、魚のえさになるので海や湖沼では重要な植物です。
流れのない池や沼の水面にはウキクサ・サンショウモ・ヒンジモなどが、群れをつくって浮いています。
底に根をはっているものには茎や葉が水の中にあるオオカナダモ・エビモ・クロモなどがあります。
葉だけを水面に浮かべているものには、スイレン・ヒシなどがあります。
水の中にはえていても、茎や葉を水の上につきだしているものにはコウホネ・ガマ・オモダカなどがあります。
いっぱんに、底に根をはっている植物の群れは水があまり深くないところにはえます。
湿地にある植物の群れ
水辺や、低い土地のじめじめした湿地にはアシ・セリ・タデなどの仲間の群れがあります。
池や沼の岸べでは、このような植物がおいしげって水の中の植物の日あたりをさまたげ、はえにくくしてしまいます。
山の中や、水の冷たい地方の沼や湖の岸部にはミズゴケなどの湿った土地を好む、植物の群れがあります。
海の植物の群れ
海の中にも、たくさんの植物プランクトンが生活しています。
それと、アマモのように花の咲く植物もありますが、たいていは花の咲かない、藻類です。
海藻の群れ
海藻は、緑藻・褐藻・紅藻の3つの大きな仲間にわけられますが海の浅いところには、アオサ・アオノリなどの緑藻が見られます。
中くらいの深さには、ワカメ・コンブ・ヒジキなどの褐藻が多く、ところによっては、これらが草原のように、おいしげっています。
深いところになると、テングサ・サンゴモなどの紅藻が見られます。
海岸にちかい土地の植物の群れ
海岸のちかくの、山や崖には、陸の内部とは違った植物があります。
たとえば、ハイネズ・ハマオモト・イワギク・ワダン・トベラなどで、いずれも葉が厚くなっています。
砂浜の植物の群れ
砂浜にも、特別な植物の群れがあります。
たとえばケカモノハシ・コウボウムギ・ハマエンドウ・ハマボウフウ・ハマヒルガオ・ハマゴウ・ネコノシタ・ハマニガナなどがそれです。
砂浜は、表面は乾いていても深く掘ると真水にちかい水分がかなりあります。
そのため、砂浜の植物は、いずれも長い根や地下茎をもっています。
したがって風で砂が飛ばされても日でりが続いても、なかなか枯れません。
海水をかぶる土地の植物
遠浅の湾の奥や川口にちかい平地などでは満ち干のとき海水に使えるようなところがあります。
このようなところでは、土にたくさんの塩分がふくまれているので、ふつうの植物はよく育ちません。
マツナ・アッケシソウなどは、このような土地にも生活できるので群れをつくっています。