海藻類の光合成とは?植物のつくる養分とは? わかりやすく解説!

光と海の深さ

光は、水の中を進むとき、だんだん水に吸収されていきます。

ですから、海などでも深さが増すにつれて、光がとどかなくなり、ごく深いところでは、いつもまっ暗です。

太陽の光は、虹を見てもわかるように七色の光線からなりたっています。

このうち、海の中を進むとき、いちばん先に吸収されるのは赤から黄の光線で、つぎに黄から緑の光線、もっと深くなると緑から紫の光線という順になります。


海藻の光合成

海の浅いところでは、よく緑色の海藻(緑藻)を見かけます。
それよりやや深くなるとかっ色の海藻(褐藻)もっと深くなると紅色の海藻(紅藻)が生育しています。

これは、日光が海水中を進むとき、いちばん先に赤から黄の光線が吸収されるためアオノリのような葉緑素以外の色素をもたない海藻は海の深いところでは生活することができないからです。

ワカメやコンブなどの褐藻は葉緑素のほかにフコキサンチン(褐藻素)という色素をもっているので黄から緑の光線でも光合成をおこなうことができます。

また、トサカノリのような紅藻は葉緑素のほかにフィコエリトリン(紅藻素)という色素を持ち青の光線でも光合成が営まれるのです。

でんぷんのいろいろ

植物は光合成によって二酸化炭素からいろいろな道すじを通って、ぶどう糖をつくります。

このぶどう糖は、植物が生きていくために使われたり、また、でんぷん・たんぱく質・脂肪などをつくるときの材料にもされます。

同化でんぷん

昼間、光合成がさかんにおこなわれると、ぶどう糖がどんどんできて、葉にたまってきます。

このぶどう糖は、でんぷんにかえられて一時、葉の中にたくわえられます。
こうしてできたでんぷんを同化でんぷんと言います。

しかし、夜になって光合成がとまると同化でんぷんはふたたび糖類になり水に溶かされて体のいろいろなところに運ばれ、そこで使われます。

ですから、昼間、葉にたくわえられた同化でんぷんは夜明けごろにはほとんど姿を消してしまいます。

貯蔵でんぷん

葉でつくられ、種・根・地下茎などにおくられてきた糖類は、そこででんぶんにかわり、たくわえられます。

これを貯蔵でんぷんと言います。
このような植物の体の中のでんぷんは植物の種類によって、さまざまな形をしています。

  1. 球形………ナンキンマメ
  2. 長円形………ジャガイモ
  3. たまご形………サツマイモ・コムギ
  4. ひょうたん形………ヤマノイモ
  5. 多角形………コメ・ソバ

また、でんぷんの粒にうすいヨードチンキをたらし偏光顕微鏡で見ると粒の一点を中心にして、たくさんの輪が見られます。

このような輪ができるのは昼と夜とでは、でんぷんのたまる割合が違うからです。



植物のつくるいろいろな養分

まえに説明したように、植物の体の中では、ぶどう糖やでんぷんなどの炭水化物がつくられるほかに脂肪やアミノ酸もつくられています。

脂肪

脂肪は、植物の体のいろいろなところに少しずつふくまれています。
とくに、種に多くふくまれています。

しかし、種の中の脂肪は、はじめから脂肪ではありません。
また、これは、体のほかの部分から送られてくるのでもありません。

葉から送られてきた糖類が、グリセリンと脂肪酸とにかわって、これらが種の中で脂肪につくりかえられるのだと考えられています。

種にたくわえられた脂肪は、種が芽を出し、葉ができて光合成を営むように生長するまで植物の大切な栄養のもとになるのです。

アミノ酸・たんぱく質

光合成によって、ぶどう糖やでんぷんをつくる途中に、このほかのいろいろな養分もつくられます。

そしてこの養分は、根から吸いとった窒素をふくんだ養分とむすびついて、アミノ酸がつくられます。
アミノ酸は、さらにたんぱく質にもつくりかえられます。

このように、根から取り入れた窒素をもとにして、たんぱく質をつくるはたらきを窒素同化作用と言います。

アルカロイド類・ビタミン類

このほか、植物の体の中ではアルカロイド類やビタミン類もつくられています。
しかし、そのくわしい道すじは、まだ、わかっていません。

アルカロイド類は、アミノ酸がたんぱく質にかわるのとは別の方向に進んで、つくられるのだろうと考えられます。

アルカロイドで、私たちの生活に関係の深いものには麻酔薬のモルヒネ(ケシにふくまれている)、カフェイン(コーヒー)ニコチン(タバコ)・キューネ(キナ)コルヒチン(イヌサフラン)などがあります。
 
トリカブトは、猛毒のある植物として知られていますが、これはアコニチンというアルカロイドをふくんでいるからです。

ビタミン類は、なにからつくられるか、はっきりわかっていません。

しかし、植物の体の中には、いろいろなビタミンが少しずつふくまれています。




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