空を飛ぶ動物
空を飛ぶ動物でも、昆虫のように小さなものは体が軽いので、かんたんに飛ぶことができます。
ところが、獣やは虫類などは体が大きく重いので飛ぶことは決してかんたんではありません。
トビトカゲ・モモンガなどの飛ぶしくみ
飛びかたにもいろいろあって、いちばんかんたんなのは、グライダーのように、高いところから、低いところに滑空する方法です。
マライ地方のトビトカゲは体の両側にかさのような膜があり、これを広げて飛びます。
日本にいるムササビやモモンガ、マライ地方にいるヒヨケザルは体のわきの皮膚が、手と足まで伸びていて、これを広げて木から木へ飛びうつります。
しかし、これらは高いところから低いところに飛び降りるだけですから、空を自由に飛ぶとは言えません。
獣のうちで、本当に飛ぶのはコウモリだけです。
コウモリや鳥の体のしくみ
コウモリは前足、ことに指が長くなって指のあいだとうしろ足のあいだに、うすい膜があり、これで空気をうって飛びます。
鳥も、前足が長くなっていますが指は短く、そのかわり、羽毛が大きくなって、翼になっているのです。
コウモリや鳥は大きな翼を強く羽ばたくために胸の筋肉がよく発達しています。
また、この筋肉がついている胸の骨もしっかりしています。
鳥の骨は、中が空で空気が入っていますから見かけよりずっと軽く飛ぶのに便利です。
また、肺からは、いく組かの気のうが出ていて内臓のあいだや骨の中にまで伸び、中に空気を満たしています。
このため、体は軽く、浮かび上がりやすくなります。
また。これは伸び縮みするので肺の中の空気を取り換える助けにもなるようです。
飛んでいるときの呼吸には気のうのはたらきが、ことに大切だと言われています。
また、飛ぶためには、するどい感覚と、たくみな運動が必要です。
そうでなければたちまち何かにぶつかって死んでしまうでしょう。
そのため、鳥は目と小脳がとくに発達しています。
コウモリは、翼の膜の感覚がするどく、また、耳がとくによく発達しています。
飛びながら、人の耳には聞こえない高い音を出していますが、これがものにぶつかって、跳ね返ってくるのを感じて、もののあることを知り、ぶつからないように避けて飛びます。