細胞のつくりとは?細胞の形と大きさとは? わかりやすく解説!

細胞

生物には、体が1つの細胞からなる単細胞生物とたくさんの細胞からなる多細胞生物とがあります。

しかし、多細胞生物でも、受精卵の時代にはただ1つの細胞ですから細胞が生物の体のもっとも大事な生活単位となっています。

細胞は生命をもっていて成長や生殖をして子孫を増やすこともできます。
多細胞生物の体は、このような細胞が集まって組織をつくり違った組織が集まって器官をつくり、その器官のはたらきによって生命現象が営まれています。

1665年、イギリスのフックはコルクの切片を顕微鏡で見てハチの巣のような小さい部屋からできていることを発見し、これを細胞と名づけました。

フックが見たものは、中身のなくなった死んだ細胞膜でしたがその後、細胞膜に包まれている中身のほうが重要であることがわかり細胞の意味も今日のようにかわりました。


細胞の形と大きさ

細胞の形は、卵や花粉のように、1つの細胞がはなれているときは球状であることが多く若い細胞がぎっしりつまっているときは、たいてい正多面体に近い形をしています。

しかし、細胞が成長すると、いろいろな形にかわっていきます。
細胞の大きさもいろいろです。

ふつうは顕微鏡でないと見られないくらいの大きさですが大きなものでは、ダチョウの卵のように直径が9センチもあるものもあり動物の神経細胞の神経突起のように、長さが1メートルぐらいのものもあります。

小さいほうでは、バクテリアに1ミクロン以下というものもあります。

原形質

細胞のつくりは、図の通りです。

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細胞の中で生きているのは、原形質の部分だけで、これは核と細胞質にわけられます。

また、原形質のいちばん外側の部分は原形質の固まったうすい膜となっていて原形質膜と呼ばれます。

核は、ふつう球形または楕円体で、それぞれの細胞に1個ずつあります。
核を薬品である状態のままにし、塩基性の色素(カーミン・メチレソブルーなど)で染めて顕微鏡で見ると網のめのようなものが見えてきます。

これは染色糸と呼ばれます。

また、核の中には仁と呼ばれる小さな粒があります。
染色糸ち仁以外の部分は、透明な核液で満たされ、核膜によって細胞質と区切られています。

細胞質

卵の白身のようにどろどろとした半流動体のもので、その中にはいろいろな粒があります。

すなわち、動・植物いずれの細胞にもある短いひも状や棒状のミトコンドリア、それよりも小さいミクロゾーム、動物細胞にふくまれている中心体・ゴルジ体、植物細胞にふくまれている色素体などがあります。

色素体には、葉緑体・有色体・白色体の3種があります。
葉緑体は、緑色のクロロフィル(葉緑素)、だいだい色をした少量のカロチン、黄色のキサントフィル(葉黄素)をふくんでいて緑色をしており光合成に大切な役割りを果たしています。

有色体は、ヒマワリやそのほかの黄色い花、ミカン・トマト・カキなどの果実、二ンジンの根などの色のもとになるものでカロチン・キサントフィルそのほかのカロチノイド色素をふくんでいます。

白色体は、特別な色素をふくまないもので貯蔵でんぷんをつくるはたらきに関係しています。

なお、単細胞生物にみられる擬足・べん毛・食胞・収縮胞などの細胞器官は細胞質がとくにかわってできたものです。

原形質流動

ムラサキツユクサのおしべの毛やアメーバなどを顕微鏡で見ると原形質は流れるように動いており、これを原形質流動と言います。

アメーバや白血球は、この原形質流動によって体を移動させます。
しかし、原形質流動のしくみには、まだわからないところがあります。



後形質

細胞には原形質のほかに細胞膜・液胞などのように原形質によってつくりだされたもので生活作用を営んでいないものがあります。

これは後形質と呼ばれ、おもに植物細胞にみられます。

細胞膜は、高等植物では、おもにセルロースでできています。

植物の若い細胞は、原形質で満ちていますが成長するにつれて細胞質中に液胞ができ、これがしだいに大きくなります。

成長した細胞では、液胞が細胞の大部分をしめ原形質は細胞膜の内側にうすい層となっています。

液胞の中には細胞液があって、糖類・アミノ酸・有機酸・無機塩類などの養分が溶けており、また、しゅう酸カルシウムなどのような、いらない物質もふくまれています。

花びらや葉などの液胞には、しばしばアントシアンなどの色素がふくまれています。
この色素は、赤・紫・青などの花の色や、紅葉の色のもとになっています。

動物細胞では、細胞膜はなく、また液胞は少なくて、はっきりわかりません。

植物細胞の中には、でんぷんの粒、脂肪の粒、しゅう酸カルシウムの結晶などがふくまれています。

動物細胞の中には、油てき・グリコーゲンなどの粒がふくまれています。

異形質

中心体・生毛体・せん毛・べん毛・眼点・神経原線維・きん原線維などは原形質が変化してできたものです。

これらは、後形質に対して、異形質と呼ばれています。




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